2016年11月19日 大野和士/都響 の シェーンベルクとフォーレ「ペレアスとメリザンド」、デュティユー「夢の樹」 at サントリーホール ★☆

晩秋の六本木。今朝降っていた雨もなんとか上がり、寒さも弱く助かりました。カラヤン広場はクリスマス🎄
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都響第817回定期B全三曲は、二曲は同題名の作曲者違い、また二曲では美しいフランス楽曲と構成も考えらていますね。好きな曲なので事前に各曲のCD聴き比べもして来ました。

 ・フォーレ「ペレアスとメリザンド」: 3CDs
 ・デュティユー「夢の樹」: 2CDs
 ・シェーンベルク「ペレアスとメリザンド」: 4CDs

フランス人のフォーレとデュティユーは繊細に幽幻に、そしてシェーンベルクはそこに濃厚さをバランスした演奏が好みですね。
さて、期待した演奏が楽しめたでしょうか。



■ フォーレ:組曲《ペレアスとメリザンド》 op.80
 美しい曲ですが、幽玄さではなくドイツ風な重厚さを強く感じました。でも透明感を感じられる流れは良かったですね。
『前奏曲』メリザンドの主題は大きな波の様なディナーミクで重厚、ゴローを表すホルンは控えめでしたね。
『糸を紡ぐ女』は軽妙で、弦の細かいトリルとオーボエのコントラストが効いています。透明感ある美しさでした。
『シシリエンヌ』は泉で指輪を弄ぶメリザンド、甘美を抑えサロン音楽を避けたクールさでした。
『メリザンドの死』は悲しみの美しい葬送 ですが、ここでも大きなディナーミクです。
『メリザンドの歌』がカットされたヴァージョンでしたね。ソプラノの紹介が案内になかったので皆んなわかってたと思います。演奏時間の問題も含めて予想範囲でしょう。


■ デュティユー:ヴァイオリン協奏曲《夢の樹》
 素晴らしいのですが、聴き疲れしましたね。デュティユーというよりヴァレーズ⁈w
4部+3間奏曲ですが、全体を流れる音色はヴィルトゥオーゾでした。vnの庄司紗矢香さんは予想してはいたものの暖色系からキレキレのシャカリキ演奏。ハイテクを見せつけました。例えばデュメイの様に、何気にハイテクがこの曲に合っている様な...
オケは鍵盤打楽器系を揃えてその煌めきを、と思いきやそれが埋もれるほどのメリハリと切れ味の強烈さです。
おおよそ繊細かつ幽幻な美しさとは正反対でしたねぇ。


■ シェーンベルク:交響詩《ペレアスとメリザンド》op.5
 全体を通して強音で押し切った感じでした。濃厚さの中にも感じられる神経質な良さはありませんでしたね。
三人のライトモティーフを用いた典型的な標題音楽、原作通りの展開を四部構成で楽しめますね。
『第一部』森に入るゴローの暗さは重厚、メリザンドのテーマも美しいのですが濃い目でゴローのテーマは堂々と鳴ります。運命のモティーフが響き、現れるペレアスのテーマにも明るさは弱いですね。「愛に目覚めたメリザンド」は情熱的で、流れの緩急が薄いです。
『第二部』スケルツォからメリザンドが泉で指輪を遊ぶシーンでも軽快感は薄く、逆にゴローの疑念を表すコントラバスが控え目です。その後の美しいビオラとチェロの短い旋律は濃厚に鳴り「城の塔」の二人のシーンも太め。詰め寄るゴローとペレアスのシーンは当然強いです。
『第三部』の「愛に目覚めたメリザンド」も本来の緩徐的流れは弱く、既にここから二人の感情シーンを濃厚に表しています。訪れるペレアスの死は炸裂的。
『第四部』はメリザンド憔悴とゴローの激情とのコントラストがポイントですが、メリザンドは暑苦しいですね。もっともっと沈んで欲しかったです。メリザンドが死を迎えた後、最後のpart11.Breitがこの曲を総括するように表情変化の富んだ演奏で終わりました。



今日のコンサートではォーレが一番かったでしょうか。
事前の予想では重厚さかと思いましたが、全体に派手で強烈。緩急の緩・閑・間の幽玄さが薄い気がしました。その辺りが好みの分かれ目になりましたね。都響の演奏の良さは味わえたので、ちょっと残念。
それともまたもや駄耳の証明かなw



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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