ジョルジュ・クルターク(Gyorgy Kurtag) の Signs, Games & Messages を聴く

前回に続いてのクルターク(György Kurtág, 1926/2/19 - )です。今回はもう一つのクルターグらしさ、声楽曲です。楽風等は前回の紹介を参照くださいね。

Signs, Games & Messages / György Kurtág

[1-6] Holderlin-Gesange for baritone, Op.35a (1993-97年)
18-19世紀のドイツの詩人・思想家フリードリヒ・ヘルダーリン(Friedrich Hölderlin)をベースにしたバリトン歌曲になります。思想家の歌詞にコメントをつける技量はないので、興味がある方は調べてくださいね。
バリトン・ソロで、ここでも残響を生かして澄んだ幽幻さを聴かせてくれます。この年代の作品らしく、音が跳躍する混沌無調ではなく旋律らしきものは存在します。#3だけはチューバとトロンボーンが入りますが、オブリガートというよりも対位法的です。

[7-25] Signs, Games and Messages for strings (1989年 in progress)
現代音楽手法ワークス・イン・プログレスのスタンスを取っている弦楽曲ですね。この曲の現在の状況はわかりませんが、昨年イザベラ・ファウストのvnでも出ています。
ここでは作曲年代らしく、静的美しさと刺激音の交錯になります。調性はもちろんありませんが、静音パートでは例によって旋律らしきものが存在します。前回紹介の"Officium breve in memoriam"と似た方向性です。一部パートではセリエル的な音列を感じますね。また各楽器(声部)を統一する構成をとる事もあり、転換期のイメージがありますね。さらに一部では教会旋法を感じることさえあります。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  for viola solo ヴァージョンで、vaはDaniel Palmizioになります


[26-59] … pas a pas - nulle part… Poemes de Samuel Beckett for baritone solo, string trio and percussion, Op.36 (1993-98年)
クルターグはサミュエル・ベケットの演劇から音楽的影響を受けたと言われています。そのベケットの詩「… pas a pas - nulle part…」に、バリトンを主役で置いた曲です。
弦楽三重奏+パーカッションが入り、一曲目のバリトン・ソロに比べると同年代ですが色合い豊かになります。小曲の集合体ですが、そのパターンも様々で表情豊かですね。
各声部の旋律を合わせる重奏が多く採用されてくるのは後年のクルターグの特徴と感じます。

[歌・演奏]
・Kurt Widmer [baritone]
・Orlando Trio
  - Hiromi Kikuchi [violin]
  - Ken Hakii [viola]
  - Stefan Metz [cello]
・Mircea Ardeleanu [percussion]
・Heinrich Huber [trombone] (#3)
・David LeClair [tuba] (#3)


・・・・・

声楽曲、弦楽曲ともにクルターグらしい透明感ある静的パートと刺激の共存が楽しめます。"空"の中の静的パートの微妙な残響は、空間音響系につながるものを感じます。
とても興味深く、引き込まれますね。

せっかくですから、もう一枚続けて紹介しましょう。^^


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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