ジョルジュ・クルターク(Gyorgy Kurtag) の Complete String Quartets を聴く

今年初めに90歳を祝うイベント「Kurtág 90」が開催された ジョルジュ・クルターグ(György Kurtág, 1926/2/19 - )はルーマニア出身のハンガリー現代音楽家ですね。主に教授職で過ごし、作品数は少なく室内楽と声楽を得意としています。
同じハンガリーのジョルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923/5/28 - 2006/6/12)とは若い頃からの朋友で、まさに現代音楽の創生後から現在までの前衛現代音楽の流れを生きた音楽家ですね。
楽風は表現主義から始まり空間音響、独特の声部統合へと進みますが、静と烈の組み合わせで好きな現代音楽家の一人です。今まで紹介していなかったのが不思議です。^^ゞ

今回、弦楽四重奏曲を集めたアルバムが新たに出たので入手してみました。(以前、NEOSレーベルからもComplete Works for String Quartet が出ていましたが、こちらの方が年代順で良いです)
すべて小曲構成です。演奏はカナダのモリナーリ弦楽四重奏団(Quatuor Molinari)ですね。

Complete String Quartets / György Kurtág


1. String Quartet No.1, Op.1 (1959年)
 6小曲からなる弦楽四重奏曲第一番です。刺激的な音とグリッサンド、ピチカートを組合せた楽曲です。反復の採用等、ポスト・セリエルの印象が強いですね。衝撃と静寂のコントラストです。懐かしさを感じ、新鮮な気がしますw

2. Hommage a Andras Mihaly | 12 Microludes, Op.13 (1978年)
 約20年後、前衛の衰退期真っ只中の作品です。衝撃と静寂のコントラストがより明確化して、静的長音の展開が増えています。音色の薄い静寂が支配するパートは空間音響の世界に近づいている感じですね。嫌いじゃないですね。^^
 試しにYouTubeで観てみる?
  演奏はMaxwell Quartetになります。


3. Officium breve in memoriam | Andreæ Szervánszky, Op.28 (1989年)
 静的パートでは、微妙な調性の旋律が存在するようになります。そこに割込む刺激音はよりシャープになって、調性はありません。そのコントラストが際立ちますね。隠的な美しさを感じます。

4. Aus der Ferne III (1991年)
5. Aus der Ferne V | Alfred Schlee in memoriam (1999年)
 二曲とも2-3分ほどの短い曲で、等拍のリズムが印象的です。IIIは幽幻、Vは緊張感です。

6. Hommage a Jacob Obrecht (2005年)
 対位法で奏でる二基の弦から四弦の絡みに変化します。明らかに作風の変化を感じますね。でも基本は静的流れです。この曲では刺激音を避けています。

7. Six moments musicaux, Op.44 (2005年)
 激しい即興的な音から入る6曲構成の楽曲です。その他のパートでは各声部が重奏で構成されている事が増えていますね。それで楽曲としては一体感が強くなって完成度の高さを感じます

8. Arioso (2009年)
 3分弱、等拍が使われて Aus der Ferne III と似た展開です。

・・・・・

年代順に弦楽四重奏曲を楽しめるのは、とても面白いですね。流れはポスト・セリエルから薄い調性感、そして声部の統合となっています。全体を通して感じる幽幻・ミステリアスさは好きな気配です。
せっかくですから、次回は声楽曲を続けて紹介予定です。
^^v


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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