ベアート・フラー(Beat Furrer) の Konzert für Klavier und Orchester, invocation VI, spur, FAMA IV, retour an Dich, lotófagos I を聴く

このブログではおなじみのベアート・フラーです。以下紹介文*は以前の転用になります。
 *Beat Furrer (1954/12/6 - ) はスイス生まれのオーストリア人現代音楽家、指揮者です。ラッヘンマンの作風から始まり、反復や穏健な特殊技法を取り入れて 1990年代から調性への試行をもって現在の空間音楽作品へと繋がります。ラッヘンマン直系ポスト構造主義ですね。
各音楽祭や音楽大学での教鞭も多く、作品はKAIROSから定期発行されています。今の時代のエクスペリメンタリズムを代表する現代音楽家の一人でしょう。


このアルバムはConcerto for Piano & Orchestraをメインにした、代表作Nuunの後の時代の作品になりますね。

Konzert für Klavier und Orchester, Invocation VI, Spur, FAMA IV, Retour an Dich, Lotófagos I / Beat Furrer

1. Konzert für Klavier und Orchester (2007年)
 Nicolas Hodges [piano], Cologne Radio Symphony Orchestra; Peter Rundel [cond.]
代表作Nuunの進化系楽曲で、ペーター・ルンデル指揮 ケルン放送響とピアノは現代音楽ピアニストとして知られるニコラス・ハッジスという楽しみな布陣です。
Nuunに比べると無調破滅的な音の並びから和声を感じられるような音構成への変化を感じられます。もちろんポリフォニーの混沌と 静寂を生かした空間音響的な表情変化も見せながら、pfはパルス的即興的でオケはロングトーン傾向にあるフラーの作風ですが。
全体の流れには清流あり混沌ありですが通して感じられる神経質な不安定さが魅力ですね。
 試しにYouTubeで聴いてみる?

2. invocation IV (2003年) for Soprano and Bass Flute
 Petra Hoffmann [soprano], Eva Furrer [bass flute]
ホフマンのソプラノにエヴァ・フラーの特殊奏法バスフルートがDuoを奏でる楽曲です。歌はシュプレッヒゲザング傾向にあり、flの特殊奏法もピッタリきますね。もっと狂気が潜んでも面白いかもしれません。ここでも楽曲の表情変化がフラーらしいですね。

3. spur (1998年) for Piano and String Quartet
 Kammerensemble Neue Musik Berlin
小刻みな音の構成はフラーらしさを感じます。すべての楽器が細かいアルペジオで反復変奏の対位法的構成で進みます。切れるような鋭いボウイングが絡んで色合いを付けます。欧エクスペリメンタリズム的なポストミニマルといった感じでしょうか。

4. FAMA VI (2005年) for Voice and Contrabass Flute
 Isabelle Menke [voice], Eva Furrer [contrabass flute]
8幕のオペラ「ファマ」からです。恐怖をテーマにしているクライマックスの6幕になりますが、ドイツ語で英訳なしのライナーノートでは意味不明ですw
メンケの語りをメインに、エヴァ・フラーのコントラバスフルートがオブリガートで絡みます。そこは2. invocation IVとの大きな違いでしょう。flの演奏が情景描写をうまく演出しています。

5. retour an dich (1984年) for Piano Trio
 Kammerensemble Neue Musik Berlin
音の密度は低い中での神経質なトリルとボウイングの弦、そして強音パルスのpfの組合せ、流れの表情変化はあまりありません。空気の薄い空間的な混沌で、少し前のベアート・フラーのイメージの曲ですね。もちろん悪くありません。

6. lotófagos I (2006年) for Soprano and Double Bass
 Tora Augestad [soprano], Uli Fussenegger [double bass]
ソプラノとコントラバスの組合せで、Duo風な関係です。歌とユニゾンや対位的なcbで、単純な伴奏ではありませんね。

・・・・・

音密度の少ない展開、パルス的なピアノや微妙な特殊奏法、神経質で澄んだ空間、といったベアート・フラーの特徴が楽しめる一枚です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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