インバル/都響 第815回定期の前に ショスタコーヴィチの交響曲第8番、聴き比べ

あまり頭に具体的な音が残っていないのでコンサートの前に聴いておきたいと思います。
独特のクセのある和声が、好みの分かれ目と思われるドミートリイ・ショスタコーヴィチ(Dmitrii Shostakovich, 1906/9/25 - 1975/8/9)の交響曲ですね。バーンスタインを持ち上げるつもりもなく、個人的にはコンドラシンを聴いておけばとりあえずOKと言う印象ですね。年代的には現代音楽になりますが、一般的にそういう理解はないでしょう。
ただ、この第八番には引用や反復、ジャズ・イディオムの導入が見られるわけですが…

なぜか注目度が上がった?交響曲第8番 ハ短調 Op.65 (1943年)は第一楽章の印象が強く、調性感も含めて面白いです。
とは言え、聴き比べと言っても所有は2CD。特に今回の為に新たに購入もありません。


Kiril Kondrashin / Moscow PO

まずはやっぱりコンドラシンでしょう。
第1楽章は序章から重く、第一、二、三主題も陰鬱に響きます。展開部は静的な陰鬱さから刺激のポリフォニックな強い凶暴な音を立てますね。微妙な調性感のパートも生きています。静的に切り替わる再現部は鬱から陽の光が一瞬差しますが、すぐ雲間に隠れ静かに幕を引きます。鋭い刃物のの様なこの楽章がコンドラシンでしょう。
第二楽章はいかにもショスタコーヴィチらしい奇妙な和声?の素っ頓狂な旋律とリズムを歯切れよく演奏します。ポストミニマルの様な流れも感じる第三楽章は 生々しい弦の音色が印象的で、演奏はキレキレです。第四楽章は陰鬱が回帰し、澱んだ様な重苦しい音色を響かせます。
最終楽章では暗さと明るさ、静と激のコントラストが妙なわけですが、ここでもその色合いをうまく使い分けていますね。ただこの楽章の持つ間延び感は多少残りますが。
・・・・・
重々しい陰鬱さと激しさ、それがコンドラシンのショスタコ。この8番でも まさに全開です。


Valery Gergiev / Kirov O

ゲルギエフの旧録音(キーロフ管弦楽団)です。所有盤はThe War Symphoniesと題された、戦時下スターリンのもとにあった時代の第四番〜第九番のCDsetです。
コンドラシンほどの陰鬱さは避けながらも静けさの中の暗さを醸す序章〜三主題。潜む美しさはゲルギエフらしいですね。展開部でも過剰な激情音は避けてメリハリの強さを強調し、後半の太鼓連打のパートでピークを迎えます。再現部でも澄んだ音色の静けさからの一瞬の光と情感のある流れがコンドラシンとの一線を画しますね。
第二楽章でもクセ?!を殺して抑えた軽量な流れを作り、コントラストはあっても冷静な演奏です。第三楽章も興奮や刺激よりも抑えの効いたシャープさですね。強音パートからのアタッカで第4楽章に入ると暗い音色に終始しますが、ここでも重さはなく澄んだ音色です。
再びアタッカで繋がる第五楽章。この楽章が持つコントラストは弱めなのですが、うまく情感を盛り込みアゴーギクを振りますね。それでも間延び感は逃れませんが…
・・・・・
静的パートの美しさ、そして強音パートの輝き。全体として透明感のあるゲルギエフ/キーロフ管です。
濃い味のコンドラシンとのコントラストは両極的で、悪くありません。

まぁ、聴いていない皆さんも想像通りの二人の演奏になるわけですが、それが嬉しいという感じです。
さてインバル/都響は、どんな演奏を聴かせてくれるでしょうか。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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