スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)のDouble Sextet / 2x5 を聴く

スティーヴ・ライヒ(Steve Reich, 1936/10/3 - )の"今更の連続インプレ" ラストはもう一つの代表作、2009年にピューリッツァー賞(音楽部門)を受賞した『ダブル・セクステット』でですね。

メインのアルバムと今年発売されたアルバムの2枚で聴き比べてみたいと思います。
まずは、このアルバム。殆どの人が思い浮かぶのがこれだと思います。ライヒのコンポージアム2008来日で盛り上がりも見せた時期でした。

Double Sextet/2x5 / Steve Reich

このアルバムを所有している一番の理由は演奏者ですね。eighth blackbirdとBang On A Can(以後BOAC)で、このブログで度々紹介していますね。

Double Sextet (2007年) for Violin x 2, Cello x 2, Flute x 2, Clarinet x 2, Piano x 2, Vibes x 2
 ピアノとヴィブラフォンが刻む高速単音反復のミニマルが終始流れる中、メロディラインの美しい演奏が乗ります。今まで紹介してきたフェイズ・シフティング、オーグメンテーション、カウンターポイント・シリーズ、といったライヒの根底に流れる世界が変わることなく進歩した音楽です。
例によって、1.Fast - 2.Slow - 3.Fast ですからSlowでは高速反復はなくなります。
『18人の音楽家のための音楽』からの聴いてわかる変化は、Fastの高速で刻まれるベースの鍵盤打楽器が所々で変化を見せる様になった事でしょうか。そしてSlowでのフーガや対位法の構成感がより強く感じられる事でしょうね。Fastでの陶酔世界はもちろん健在です。
実際には表題通り、セクステットの録音にセクステットが被るのですが、意識する必要はないですね。
演奏はeighth blackbirdです。

◇ 2x5 (2008年) for ElectricGuitar x 4, ElectricBass x 2, Drums x 2, Piano x 2
 Quintetが2setという意味(題名)ですが、1setは事前録音です。でもライヴでは、テンテット(Tentet:十重奏楽団)も可との事。
ここでも1.Fast - 2.Slow - 3.Fast 構成で高速連続反復ベースの印象は強く、楽器構成がライヒらしくないだけでしょう。ピアノとエレキギターの音色がキンキンして面白いです。
ライヒは、楽器構成は似ているけどロックンロールじゃないと言っていますね。リズムセクション構成を意識して作った事、クラシックとポピュラーのエッセンシャルの違いとも言っています。
楽器構成からロックっぽいという話もありますが、違いますよねぇ。でも、これはこれで面白いです。
演奏はBOACです。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
 BOACの演奏です。ピアノが2人になっています。
 ★試しにYouTubeで観てみる?part II
 同じくBOACですが、こちらはテンテットでの演奏です。(3.Fastだけです)




こちらはニューヨークをベースに活躍する現代音楽アンサンブルのEnsemble Signalによる演奏で、今年HarmoniaMundiから発売されたものですね。
Ensemble Signalはミニマルやポップ色の米現代音楽から、欧州エクスペリメンタリズムまで演奏します。BOACのD.ラングやM.ゴードンの曲も取り上げていて、ライナーノートもラングが書いていますね。

Double Sextet/Radio Rewite / Steve Reich


Double Sextet (2007年) for Violin x 2, Cello x 2, Flute x 2, Clarinet x 2, Piano x 2, Vibes x 2
 同じ曲ですが、印象はやや異なりますね。Fastでのピアノとヴィブラフォンの印象がやや軽く、その代わりに強弱の表情を付けています。また、それに乗る演奏も含めて不協和音的な微妙な違和感を感じる響きが付けてれていますね。それは明らかに作られていて、フェイズ・シフティングに敬意を表しているのでしょうか?
Slowでは緩いアゴーギクとディナーミクを使って表情が感じられますね。微妙な違和感についてはここではあまり感じられません。
Ensemble Signalの方がやや揺さぶりをかけた表情を感じる演奏ですが、一番の違いはこちらは12人setでの演奏だという事でしょうか。

◇ Radio Rewite (2013年) for Flute, Clarinet, Violin x 2, Viola, Cello, ElectricBass, Piano x 2, Vibes x 2
 RadioheadのギタリストJonny GreenwoodによるElectric Couterpointの演奏の印象を元に作られたそうですが、ギターは入っていません。近年作で、楽風の基本は大きく変化しませんがミニマル傾向が弱くなっている感がありますね。
1.Fast - 2.Slow - 3.Fast - 4.Slow -5.Fast 構成で、Slowではカノンやポリフォニーの方向性がますます強くなり、民族音楽的な和声も使っています。Fastでも高速単音反復だけではなくなっていますね。
個人的には興味深い方向を感じます。
・・・・・

さすがに、Steve Reichでお腹いっぱいになりましたw
もともと然程得意でないので。
^^;


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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