ファジー Fuzzy の Chimes of Memory を聴く

デンマーク人現代音楽家 ファジー(Fuzzy, 1939/2/23- )、本名イェンス・ヴィルヘルム・ペデルセン(Jens Vilhelm Pedersen) は、ノアゴー(Per Nørgård)、シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)、リゲティ(György Ligeti)と錚々たる顔ぶれに師事していますね。
楽風は欧エキスペリメンタリズム系前衛電子音楽のみならず ジャズやフィルム・ミュージックまでと幅広いです。

本アルバムはFuzzyの多様な展開を楽しく味わえる一枚ですね。

Chimes of Memory / Fuzzy


Notre Dame Trilogy (2002-2006年) for organ solo
1. Cadences et treblements a Notre-Dame
2. Uber allen Gipfeln
3. Contemplation d'un tableau de J. F. Willumsen
 デンマーク人オルガン奏者 Grethe Krog (ph.d) がノートルダム寺院で演奏する為に委嘱した作品で3partからなっています。(表題通り、演奏もKrogです)
とにかく表情豊かな作品です。もちろん前衛ではありません。重厚な教会オルガン演奏ですが、その中にはバロック風からフィルム・ミュージック風までが詰め込まれています。各パートでリズム感が変化、part.2-3ではスローで音数が少なく、しますがパイプオルガンの響きを最大限生かす手法は同じです。
トータル約30分、今の時代の教会音楽と言ったらいいでしょうか。個人的には1stがいい感じですね。

4. B-Movies (1997年) for harp and electronics
 いきなりの電子ノイズ、デンマーク芸術財団?のSofia Claro委嘱作品で欧前衛エクスペリメンタリズムです。グリッサンド風な音色を含む電子音に、ハープ(by Tine Rehling)が点描音のアルペジオで色添えします。電子音楽は泡の様な音を出したりと様々に変化していきます。時には中東和声やジャジーなリズミカルな機能和声ではない調性感も展開します。後半はハープも攻撃的ですね。これは凄く面白いです!

5. Chimes of Memory (1987年) electronic music
 デンマーク放送による委嘱作品でグラスやバルーンを使って放送局のThe Waveflameで編集したりしています。シンセサイザーはYamahaDX-7で、同様のサウンドを作り出しているそうです。
キーンと言う様な音色は想像できるでしょう。その背後に長音を配したドローンです。

Tre tilbageblik (2004年) for bass saxophone and electronics
6. Tre tilbageblik- I
7. Tre tilbageblik- II
8. Tre tilbageblik- III
 デンマーク人ヴィルトゥオーゾ サックス奏者Jeanette Ballandによる委嘱と演奏です。三楽章形式の前衛音楽ですね。1st mov.はバスサックスの音色を前面に押し出して、電子音楽は例によって音楽以外?のノイズでカラフルです。2nd mov.はドローン系です。中盤で透明感のあるSigne Asmussenのヴォーカリーズがフィーチャーされ、深淵で調性の美しい旋律が三者で奏でられます。3rd mov.はリズミカルでジャジー、楽しさいっぱいの展開。そこから所謂テープを含めた面白いノイズに展開し、そこからバスサックスとの前衛ジャズ的コラボに回帰しますね。
電子音楽は時にサンプリングの様な音色音階でサックスとの協奏も演じたり多様性を見せます。とても相性がいいですね。これまた超おすすめ!

9. Stjerner over Kobenhavns Forbraendingsanstalt (1975年) for electronic music
 ゴングの様な打楽器類の音はサンプリングでしょうか? そんな打楽器類の響きとシンセサイザー音がノイズとメランコリックなメロディーで交錯する緩やかな楽曲です。この構成がFuzzyの基本だと思います。

・・・・・
電子音楽のエキスペリメンタリズムなのですが、構成の多様性を感じてアコースティック楽器とのコラボがとても面白いです。前衛ですが頭でっかち一辺倒ではありません。スッと耳に入りやすく、これは おすすめの一枚です。
前衛拒絶シンドロームの方はこの辺りから聴くといいかも、ですw



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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