ギャヴィン・ブライアーズ Gavin Bryars の A Listening Room を聴く
前回に続きギャヴィン・ブライアーズ(Gavin Bryars, 1943/1/16 - )です。
前期代表作の"Jesus' Blood Never Failed Me Yet"は何と言っても素晴らしいのですが、特殊性を感じるので もう一枚紹介しようと思います。
A Listening Room (Chambre D'Écoute) は1997年の室内楽作品で、2007年発売になります。演奏は Gavin Bryars Ensemble と La Fanfare De Oison を中心としたメンバーで、曲により興味深い楽器編成を取りますね。
A Listening Room / Gavin Bryars
タイトル(テーマ)はフランス西部のChateau d’Oironの施設の音響を用いて書かれています。
1. (Outside) Espace de la cour: [Ensemble]
Gavin Bryars Ensemble, La Fanfare De Oison
ブライアーズ得意の遠〜くからやってくる音、何の変哲も無い鼓笛隊の行進曲です。小鳥の声も聞こえて、確かにOutsideですが??
2. (Vestibule Stairway Next To 001) Cage Du Grand Escalier: [Sextet]
bass clarinet, tenor horn, double bass, clarinet, baritone, bass
バスクラの音色がドローン風に響きます。他の楽器もロングトーンで被りますが、不協和音構成ではなく倍音の響きを感じますね。その中をtenorhorn他の楽器が動物の雄叫びの様な音で色合いを付けます。全体はドローンで、空間音響系ですね。
3. (Room 107) Salon Des Emigrés: [Sextet]
bass clarinet, tenor horn, tubular bells, clarinet, baritone, bass
2.と同じsextetメンバーです。double bassがtubular bellsに置き換わっています。響きは似ていますが、ドローン感が弱くなります。従って心地悪い響きはなく、ここでも共鳴を使った空間音響系のサウンドが味わえますね。
4. (Room 114) Galerie De Peinture: [Quartet]
clarinet, Korg M1, tam-tam, French horn
コルグの音色がvnのトリルの様に背後に流れる中、clがロングトーンの音を奏でます。そこにFrenchHornが共鳴音を作り出して音の厚みを増していきますね。エレクトロニカの流れです。
5. (Room 116) Tour Des Ondes: [Duo]
bass clarinet, bass
低音ロングトーン単純音の両楽器、そこにバスクラが上昇音階と下降音階の反復で短めに絡みます。その単純な繰り返しはポスト・ミニマルでなかなか面白いです。
6. (Room 021) Cuisine: [Trio]
bowed vibes, marimba, bass drum/tam-tam
打楽器三重奏です。ヴァイブの特殊奏法の透明感ある音色を生かして、密度の低い空間音響音が作られます。空間に存在する薄い音が宇宙の様なイメージです。
7. (Room 001) Vestibule: [Ensemble]
Gavin Bryars Ensemble, La Fanfare De Oison
フルメンバーで題名から行けば 2.の延長線上になりますね。ルーム001もホールなのでしょうか?
曲は1.の延長になります。少し音の外れる鼓笛隊の演奏ですね。ここで使われている和声、音の度数が何なのか技術的なコメントがないのでわかりません。簡単に言うと練習不足・技術不足の鼓笛隊和声?!w
1.と7.のフルメンバーのアンサンブル演奏だけは他の様な空間音響系ではありません。
8. (Room 101) Salle D'Armes: [Trio]
clarinet, Korg M1, vibes
4.と6.の折衷風な楽曲で、アンビエントで哀愁を感じる流れの曲です。コルグとヴァイブがバックグラウンドでclが悲しみを感じる旋律を奏でます。この曲には旋律が存在しますね。
9. (Room 002/3) Salle Des Faïences/Salon-Gris: [Duo]
bass clarinet, tubular bells
極端な二重奏で、バスクラの音列配置的な四音・三音・二音のスローな反復・変奏にtubular bellsが遠目に響きます。ポスト・ミニマルでしょうか。不思議な空間を醸し出しています。
・・・・・ ドローンベースの共鳴音を生かした空間音響系の音楽ですね。大きく括ればエレクトロニカでありアンビエント。従ってネオ・クラシカルでもニュー・エイジでもあるでしょう。現代音楽も包括した今の流れですね。
一色違うのは、そこにEnsembleの調子ッ外れの楽隊音楽が入るアクセント。それが面白いです。
前期代表作の"Jesus' Blood Never Failed Me Yet"は何と言っても素晴らしいのですが、特殊性を感じるので もう一枚紹介しようと思います。
A Listening Room (Chambre D'Écoute) は1997年の室内楽作品で、2007年発売になります。演奏は Gavin Bryars Ensemble と La Fanfare De Oison を中心としたメンバーで、曲により興味深い楽器編成を取りますね。
タイトル(テーマ)はフランス西部のChateau d’Oironの施設の音響を用いて書かれています。
1. (Outside) Espace de la cour: [Ensemble]
Gavin Bryars Ensemble, La Fanfare De Oison
ブライアーズ得意の遠〜くからやってくる音、何の変哲も無い鼓笛隊の行進曲です。小鳥の声も聞こえて、確かにOutsideですが??
2. (Vestibule Stairway Next To 001) Cage Du Grand Escalier: [Sextet]
bass clarinet, tenor horn, double bass, clarinet, baritone, bass
バスクラの音色がドローン風に響きます。他の楽器もロングトーンで被りますが、不協和音構成ではなく倍音の響きを感じますね。その中をtenorhorn他の楽器が動物の雄叫びの様な音で色合いを付けます。全体はドローンで、空間音響系ですね。
3. (Room 107) Salon Des Emigrés: [Sextet]
bass clarinet, tenor horn, tubular bells, clarinet, baritone, bass
2.と同じsextetメンバーです。double bassがtubular bellsに置き換わっています。響きは似ていますが、ドローン感が弱くなります。従って心地悪い響きはなく、ここでも共鳴を使った空間音響系のサウンドが味わえますね。
4. (Room 114) Galerie De Peinture: [Quartet]
clarinet, Korg M1, tam-tam, French horn
コルグの音色がvnのトリルの様に背後に流れる中、clがロングトーンの音を奏でます。そこにFrenchHornが共鳴音を作り出して音の厚みを増していきますね。エレクトロニカの流れです。
5. (Room 116) Tour Des Ondes: [Duo]
bass clarinet, bass
低音ロングトーン単純音の両楽器、そこにバスクラが上昇音階と下降音階の反復で短めに絡みます。その単純な繰り返しはポスト・ミニマルでなかなか面白いです。
6. (Room 021) Cuisine: [Trio]
bowed vibes, marimba, bass drum/tam-tam
打楽器三重奏です。ヴァイブの特殊奏法の透明感ある音色を生かして、密度の低い空間音響音が作られます。空間に存在する薄い音が宇宙の様なイメージです。
7. (Room 001) Vestibule: [Ensemble]
Gavin Bryars Ensemble, La Fanfare De Oison
フルメンバーで題名から行けば 2.の延長線上になりますね。ルーム001もホールなのでしょうか?
曲は1.の延長になります。少し音の外れる鼓笛隊の演奏ですね。ここで使われている和声、音の度数が何なのか技術的なコメントがないのでわかりません。簡単に言うと練習不足・技術不足の鼓笛隊和声?!w
1.と7.のフルメンバーのアンサンブル演奏だけは他の様な空間音響系ではありません。
8. (Room 101) Salle D'Armes: [Trio]
clarinet, Korg M1, vibes
4.と6.の折衷風な楽曲で、アンビエントで哀愁を感じる流れの曲です。コルグとヴァイブがバックグラウンドでclが悲しみを感じる旋律を奏でます。この曲には旋律が存在しますね。
9. (Room 002/3) Salle Des Faïences/Salon-Gris: [Duo]
bass clarinet, tubular bells
極端な二重奏で、バスクラの音列配置的な四音・三音・二音のスローな反復・変奏にtubular bellsが遠目に響きます。ポスト・ミニマルでしょうか。不思議な空間を醸し出しています。
一色違うのは、そこにEnsembleの調子ッ外れの楽隊音楽が入るアクセント。それが面白いです。