スクリャービン「法悦の詩」の聴き比べ:ゲルギエフ、アバド、ブーレーズ、ムラヴィンスキー

このブログではシマノフスキと並んでピアノ曲を中心に紹介しているロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービン(Alexander Scriabin, 1872/1/6 - 1915/4/27) です。

明後日9(木)の大野和士/都響のコンサートを前に、今更の『法悦の詩 (Le Poème de l'extase, The Poem of Ecstasy) 交響曲第4番 Op.54 (1908年)』を聴いておきましょう。
一楽章形式で約20分の交響詩。一部ではハ長調と調性を記されているのを見た事がありますが、4, 5番で調性から脱却していますね。とは言え、神秘和音(根音-増四度-短七度-長三度-長六度-長二度)の導入があっても調性を大きく逸脱しているわけではありません。聴く限りでは調性内の動機・主題の楽曲であり、大編成オケでどう表現するかですね。
原題通りのエクスタシーを感じられる人がいたら驚きですが…w
(楽譜にその手の表現指示がされているので、話がそこへ行くのでしょう)

聴き比べのメインは、先日二度目の録音を出したゲルギエフです。


< ゲルギエフ >
Valery Gergiev / London SO (LSO Live)
 2014-3/30録音の新しいゲルギエフLSO盤です。静的ながら叙情的な緩やかな流れの前半は、各楽器の演奏に細かな変化(読み?)を感じます。中盤は押さえ気味に上げながら山場を作ります。山場はバランス良く、後半の静部では押さえが効いています。ラストの1分は美しさからの大フィナーレです。
クセが減り、研ぎ澄まされた感じで聴きやすいですね。


< ゲルギエフ >
Valery Gergiev / Kirov O (DECCA)
 その5年前、1999年7月の演奏です。エモーショナルさが強く出た前半は色合いが豊かに感じられます。中盤にかけては陰影深く上げて行き、山場は派手派手しいです。後半の静的パートも細かく仕込んでいる感じですが、ラストは流れに乗った盛り上げで終わります。
展開の派手さが目立つ、外連味ある演奏です。


< アバド >
Claudio Abbado / Boston SO (DG)
 緩い幻影的な入りでは静的にバレエ曲を思わせる感じで動機が展開されます。中盤から現れる山場ではtpの音色が主題を奏で押さえ気味。そしてバランスの良い出し入れで全体として美しい仕上げを感じます。ラストもクールです。
やっぱりアバド、端整さを感じますね。


< ブーレーズ >
Pierre Boulez / Chicago SO (DG)
 各楽器を明確にしながら静的な様相をさらに強くして僅かに振られたアゴーギクが個性的な前半。クレシェンド風に上げていく中盤パートでは不安を思わせる様な展開を見せながら山場を作ります。山場は波の様に押して引く流れを見せてくれます。中盤以降の静的な流れも表情豊かで、ラストは広がる様に盛り上げます。
DG時代のブーレーズらしい譜読みの冷静さですね。


< ムラヴィンスキー >
Evgeny Mravinsky / Leningrad PO
 所有はブリリアント・レーベルから出た廉価版10CDsetで1959-4/21モノラル録音です。
前半から各楽器の切れ味が鋭く、アゴーギクとディナーミクが振られて表情がとても豊かです。絡みつく様な流れを強くしながら山場は嵐の様相で、ラストは静止からの大トゥッティです。
録音が悪いのが残念ですが、通してアクの強いパワフルな交響曲的演奏です。

・・・・・

両極はクールで美しいアバド、爆裂ムラヴィンスキーですね。個人的にはアバドやブーレーズが好きですが、コンサートならゲルギエフの旧録音あたりが受けそうですね。
さて明後日の大野和士/都響はどうでしょうか。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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