藤倉大 の ミラーズ - 作曲家の個展 を聴く

藤倉大CDインプレ3枚目は「ミラーズ MIRRORS - 作曲家の個展 A profile of a composer」です。

2012年10月11日(木)、サントリーホールでの「作曲家の個展 2012 藤倉大 (サントリー芸術財団主催)」の録音で、編集(Mixed and Digital Edited)は本人が2013年にかけて行ったものになります。要は本人が最後まで作り上げた作品と言う事になりますね。

MIRRORS A profile of a composer / Dai Fujikura

1. Tocar Y Luchar for orchestra (2010年)
 かのシモン・ボリバルのベースとなったエル・システマの創始者ホセ・アントニオ・アブレウに献呈された楽曲です。題名の「トカール・イ・ルチャール」はアブレウのモットーからだそうです。
グリッサンドや音の流れに合わせたディナーミクとアゴーギクが特徴的です。小魚のフィッシュボールや鳥の大群がいろいろな形を作り出すのをイメージしているそうで、まさにそんな感じです。そしてその中に小鳥たちの囀りや海の中を泳ぐ様な細かな音のポリフォニーも現れます。ラストは劇的な仕上げになりますね。
もちろん無調ですが、例によってその中に美しい旋律が存在しています。
繊細でダイナミック、お勧めの曲ですねぇ。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
 オーディオ出力 ステレオ&大きめで、位相変化の空間音響を楽しめます。


2. Bassoon Concerto (2012年)
 元はバスーンのソロ曲"calling"で、その時から協奏曲のイメージをし バスーンの重音の音響解析からオーケストレーションもしているそうです。ベースはドローン的です。
前半はバスーンらしいひしゃげた音色が旋律よりも響きを重視しながら鳴り、オケはユニゾン風に広がる様に色合いを付けていきます。中盤ではバスーンのミステリアスな音色・旋律とオケ、特に弦楽器のグリッサンド、との対比です。ここでもオケは長音中心の"響き"です。後半では楽器間の対位的な流れになりますね。
25分近い楽曲で、ソロはパスカル・ガロア(Pascal Gallois)。これもとても面白いです!!

3. Mirrors - 12 celli version (2009/2010年)
 CSOの6人のチェリストの為の委嘱室内楽が元で、チェロのピチカートとその音を逆回しにしたような弓の音のイメージを鏡(Mirror)の様に効果させたそうで、このコンサートでは特別に12のチェロになります。
ピチカートが印象的ですが、弓の音色は逆回しというよりもシャリーノの弦楽器曲の様ですね。ピチカートと短旋律の変奏の組合せ、ポリフォニーです。このアルバムの中では、前衛色の濃い楽曲になります。そういう意味では、ややありきたりかも。

4. Atom (2009年)
 一つの音の粒から組み合わさりフレーズになっていく様を表すそうです。スタッカートのリズムが一つの音を続けながらテンポを変化させて行きます。やがてスタッカートに短い旋律が混じり始めて、間を生かしながら打楽器の参加で変化を付けた後は、強音展開を生かした"響き"が強くなります。
もちろん旋律には美しさがあり、藤倉作品らしさが感じられますね。面白いです。

演奏は 下野竜也指揮、東京都交響楽団になります。

・・・・・
空間音響系、3を除く、の色合いを感じますね。前衛現代音楽なのですが、ガチガチの音楽理論優先構成ではなく作曲時のイメージを技法や理論で構築されている感じです。(ご本人の談と楽曲を合わせ聴くと)
楽しめる一枚で、お勧めですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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