ヴァネッサ・ベネッリ・モーゼルの [R]EVOLUTION~近現代ピアノ作品集を聴く, ポリーニと比べて…

イタリア人ピアニスト、モーゼル (Vanessa Benelli Mosell, b. 1987) は若き技巧派として台頭しましたね。これは彼女が現代音楽系の作曲者を取り上げたので購入していたものです。

シュトックハウゼンのピアノ曲はどうでもとりあえず良いとして、注目はカロル・ベッファ(Karol Beffa, 1973/10/27 - )ですね。パリ生まれのポーランド系フランス人で、14才にしてパリ国立高等音楽(CNSM)に習い 数々の受賞経験を持ちます。楽風は二極性があり、瞑想的で詩情的な面とパワー溢れる激情性ですね。

[R]evolution / Vanessa Benelli Mosell

8 Klavierstück(1952-55年) / Karlheinz Stockhausen
 シュトックハウゼンの初期作品ですね。I-IVまでが1952年に作られ、その後1954-55年にXまでが作られました。群作法やフィボナッチ数列、ホケトゥス等の技法が用いられている難曲です。トータル・セリエリズムの曲ですから、読譜の困難さは予測されますね。
曲はその時代の現代音楽ですから 点描・パルス的で打鍵強弱や間の取り方で表情を出す楽風になります。余韻や間は厳しく記されて自由度の少ない古い表情の現代音楽から、ヴァネッサ・モーゼルが"らしさ"を引き出すと言うのは難しいでしょう。シュトックハウゼンの楽曲は、自由度を許しませんし…

Suite pour Piano ou Clavecin(2008年) / Karol Beffa
 聴きたかったのは、もちろんシュトックハウゼンより ベッファですね。いかにもフランス系らしい印象主義っぽい一楽章、そして色合いを暗く変化させ不協和音を織り交ぜる二楽章、跳ねる様な技巧的楽曲に変化する第三楽章。でもこれでは単にラヴェルかドビュッシーの延長線上?!
モーゼルのpfは硬質で強音での角ばった表現が印象的です。個人的には、その中に曲の陰影がより引立つ様なスマートな柔らかさが欲しい気がしますね。

Trois Mouvements de Petrouchka (1914年) / Igor Stravinsky
 ルービンシュタインに献呈された人気ピアノ曲「ペトルーシュカからの3楽章」ですね。ポリーニ盤等でお馴染みの超絶技巧ピアノ曲で、ピアニストの見せ場用楽曲でしょう。
モーゼルのpfは技巧パートでの"聴かせ方"を含めて生き生きさがありません、クールと言う訳でもなく、無表情な音並びに聴こえますね。この曲は所謂(いわゆる)ヴィルトゥオーゾのための曲ですから、もっとブイブイ言わせて これ見よがし にワクワクと楽しませて欲しいですよね。
・・・・・
シュトックハウゼンと彼女のツーショットがあるとしても(笑) 選曲バランスのミスを感じますし、超絶技巧ピアニストと言う感も伝わりません。何がポイントなのか駄耳な自分では良くわからず、ちょっと残念な感じです。


ポリーニ の「ペトルーシュカからの3楽章」
 どうせなら、ポリーニ盤を聴いておきましょう。
リズムの変化、打鍵の強さ、個々の音立ちの良さ、揺さぶり、強烈にヴィルトゥオーゾさを見せてくれます。完全に手の内にして、弄ぶかの様な自在ささえ感じさせてくれますね。(それがポリーニの臭いところですが…)
これがクドいと思う方はクールなヴィルトゥオーソ、アムラン信奉者でしょう。でもアムランは弾かないそうですね。聴いてみたい気はしますが…

Pétrouchka / Maurizio Pollini



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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