ブーレーズで聴き比べる ストラヴィンスキーのペトルーシュカ(1911年版)

次週4月12日(火)に東京文化会館で開催される都響/トロのコンサートで前半で演奏されるストラヴィンスキー(Igor Stravinsky, 1882/6/17 - 1971/4/6) のペトルーシュカ(Petrouchka, 1911年版) を聴いておきましょう。
より受けを狙える1947年版を使わないのは何かロトの意図があるのでしょうね。手持ちの1911年版はブーレーズの2枚(Sony, DG)しかないので、今更ですが それを聴き比べてみます。

Pierre Boulez / N.Y. PO (1971-5/11)
 ニューヨーク・フィルとのCBS時代の録音です。
第1場:謝肉祭の市 Fête populaire de semaine grasse
 お馴染みの主題をあまり重厚さを感じさせずに演奏しますね。リズムの変化も穏やかです。「見世物小屋」は緩やかに、そして有名な「ロシアの踊り」は華やかながらここでも重厚さは避けています。
第2場:ペトルーシュカの部屋
 短い第二場はネガティブなペトルーシュカを表す様にpfが表情変化を作ります。ここでも全体として穏やかさを感じますね。
第3場:ムーア人の部屋 Chez le Maure
 ここも全体を軽快感で流れています。本来のバレエでは最後にペトルーシュカがムーア人に痛めつけられすのですが、そこもあっさりです。
第4場:謝肉祭の市(夕景) Fête populaire de semaine grasse
 市場を行き交う人々の中では「乳母の踊り」で初めて力強い演奏を見せますね。「馭者と馬丁の踊り」は色鮮やかで、いかにもストラヴィンスキーらしさを感じます。そして、その後は表現力を増した出し入れの強い演奏になりますね。この楽章が一番表情変化に富んでいる演奏です。

前半を軽やかに、そして第4場に演奏の盛上りを持って来ています。全体としては冷静沈着なペトルーシュカですね。



Pierre Boulez / Cleavland O (1991-3)
 その20年後、ドイツ・グラモフォン時代の録音ですね。オケはクリーヴランド管になります。
まず第一に華やかです。第1場は「謝肉祭の市場」から始り「ロシアの踊り」まで、リズム変化から出される音の色合いが美しく感じますね。
第2場でもCBS盤と比べてpfだけでなく、オケも強烈な表情変化をみせてくれます。ペトルーシュカの揺れる思いが伝わる感じです。
第3場ではムーア人の部屋の様子や動きが感じられる濃い演奏になっています。
第4場は一層のカラフルさが感じられます。鋭い切れ味や音色の良さがストラヴィンスキーらしさを強調していますね。

アゴーギクとディナーミクの振り方が表情豊かな演奏で、わくわくする様なペトルーシュカです。ブーレーズが1947年版を振ったらどうなるかなぁ、と思わず考えたくなります。



・・・・・
ブーレーズでCBS盤とDG盤の比較は聴く前から その違いの方向性は予測が出来てしまいますよね。もちろんここでも前者はクールであり、後者は表現力豊かに纏まりよく。という傾向になります。ただ、CBSの場合はより先鋭的な解釈である事も多いのですが、本盤はそれほど尖っていません。尖っていたら面白かったでしょうね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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