インスタレーションへの流れ Bang On A Can All-Stars の Field Recordings を聴く

このBlogでは超おすすめのBang On a Can(BOAC)です。これは昨年発売の最新盤ですね。もちろん演奏ですから、Bang On A Can All-Stars になります。今更の紹介は省略ですw

Field Recordings / The Bang on a Can All-Stars

ちなみにField Recordingsの意図はジャケットの開きに書いてありますので、一度読んでみて下さい。また、このアルバムはイメージ映像DVD付き(*印の4曲+1曲)です。Liveステージでも流されている様です。

1. Reeling / Julia Wolfe
 ジュリア・ウルフは紹介済み、BOAC設立メンバーですね。
東南アジア系のサウンドが展開されます。ヴォーカリーズを含めて和声はそのもの、エバン・ジポリンの影響?!w テンポアップして進行します。Weather Reportを思い出しますね。そんな感じ。

2. An Open Cage / Florent Ghys
 フランス生まれでN.Y.で活躍中のフローレン・ジーズ (Florent Ghys) はベーシストの現代音楽家、ミニマルやポップミュージックを基本としていますね。
語りと同期する様なベース、対位法的な楽器も時折現れます。BOACらしいサウンドの変奏と対位法の流れに後半は歌が被ります。語りは生活を述べている様ですね。ラップのBOAC的展開かも。

3*. Gene Takes a Drink / Michael Gordon
 マイケル・ゴードンも紹介済み、BOACの設立者にしてJulia Wolfeのご主人です。
典型ミニマルですね。BOACの得意とする処で、映像ととてもマッチします。

4. Fade to Slide / Christian Marclay
 クリスチャン・マークレー(Christian Marclay, 1955/1/11 - ) は米国とスイスの両国籍を持つ現代音楽家で、音楽だけでなくビジュアルも含めた総合芸術家ですね。基本はターンテーブリズム(Turntablism)ですが、所謂DJのスクラッチ音楽ではなくコラージュを用います。
ノイズやドローン、電子音そしてミュージック・コンクレートの音楽ですね。主はノイズでポリフォニー、BOACのもう一つの顔 前衛系です。CDではわかりませんが、ノイズは映像からの音も多用されるインスタレーション系ですね。すごく面白いのですが、これは映像がないのは困ります。

5. unused swan / David Lang
 こちらもBOAC創設メンバーの一人デイビット・ラング、紹介済みです。
無調のスロー旋律に同期する楽器とノイズ(騒音)の打楽器のコントラスト。最後は破壊的な騒音のみ。似た音楽が見当たらないかも。ノイズは打楽器特殊奏法だけでなくテープ(PC)も併用している様です。

6. Casino Trem / Tyondai Braxton
 タイオンダイ・ブラクストン(Tyondai Adaien Braxton, 1978/10/26 - ) はアンソニー・ブラクストンを父親に持ち、前衛エキスペリメンタル・ロック グループ バトルス(Battles)のギタリストでもあります。
ポップな電子音楽です。多少の不協和音がポップさを強調し、リズミカル&コミカルさが曲を形作りますね。楽しさいっぱい。一押しです!!

7*. Hz / Jóhann Jóhannsson
 ヨハン・ヨハンソン(Jóhann Jóhannsson, 1969/9/19 - ) はアイスランドの現代音楽家でキーボード奏者です。楽風は映画音楽からミニマル、そしてドローンやエレクトロニカといったポスト・クラシカル(post-classical)ですね。
これはまさにドローンです。気配は美しい陰鬱さで特殊奏法による多少のノイズ系でもあります。
現代音楽の一つの流れ、Max Richterからのポスト・クラシカルについてはまたの機会に紹介する事になると思います。

8. Seven Sundays / Todd Reynolds
 トッド・レイノルズ(Todd Reynolds, ) はN.Y.で活躍する現代音楽家で、バイオリニストとしてBOACやSteve Reich and Musiciansに登用される事もあります。
R&Bベースの様な歌が歪みながらテープ(録音)で流れて、合わせる様に歪んだ音の楽器がミニマル風に続きます。陶酔的なポストミニマルですね。なかなか面白い!

9. The Cave of Machpelah / Steve Reich
 言わずと知れたビッグネイム、スティーブ・ライヒです。
ドローンですが、ミニマル的な響きがするのは和音(和声)の度数の関係でしょうか。フラットに続くドローンの背景には、音量を絞った打楽器の音色があります。

10*. Maximus to Gloucester, Letter 27 [withheld] / Bryce Dessner
 ブライス・デスナー(Bryce Dessner, 1976/4/23 - ) はN.Y.の現代音楽家でギタリストのミニマリストです。バロックから民族音楽、後期ロマン派から現代音楽、と守備範囲は広いですね。坂本龍一との共演もあります。
ポストミニマルです。単音羅列のミニマルに、映像からヴォイス(語り)が入ります。BOAC委嘱曲です。DVDでは語りのパート以外は真っ黒画面ですが、再生機器の故障ではありませんw

11*. meeting you seemed easy / Mira Calix
 マイラ・カリックス(Mira Calix's real name is Chantal Francesca Passamonte, 1970 - )はイギリスを拠点とする女性現代音楽家。楽風は電子音楽からインスタレーション系へと変化しています。
空港の放送の様なテープ(録音)と映像を背景に、スローな旋律と変奏の無調の楽曲です。テンポが途中で上がり、変奏主体の流れになりますね。再びテープ主体からノイズ風に展開して、スローに回帰します。面白いですね、悪くありません。

12. A Wonderful Day / Anna Clyne
 アンナ・クライン(Anna Clyne, 1980/3/9 - ) はロンドン出身で現在は米国で活躍中ですね。マンハッタン音楽学校(Manhattan School of Music)でジュリア・ウルフに師事しています。室内楽から管弦楽、そしてテープ&電子音楽の両方をこなしますね。
テープ(録音)のアフリカ系の歌を主体として和声が構成されています。歌と同期する楽器、ほぼこの構成のまま平穏シンプルに進みます。挟まれている語りも特徴的です。表題のA Wonderful Dayを感じます。なんだか心に沁みます。

DVDにはCDに入っていない次の一曲が含まれます。
13. Real Beauty Turns / Nick Zammuto
ニック・ザミュート(Nick Zammuto, )はN.Y.のロックバンドZammutoのリーダーでもある音楽家です。
歌の入るポストミニマルです。DVDのクリップとのマッチングはこの曲が一番マッチしています。映像と合わせて観ると、ちょっとコミカルなこの曲の面白さが引立ちますね。映像も笑えます。

今のBang On A Can All-Starsのメンバーは以下ですね。
 Ashley Bathgate - cello
 Robert Black - bass
 Vicky Chow - piano and keyboards
 David Cossin - drums and percussion
 Mark Stewart - guitars
 Ken Thomson - clarinets

試しにYouTubeで観てみる
 なんとField Recordings のLive 12曲を観る事が出来るんですよね。(The Greene Space でのLIVE. 2015年5月13日)
入っていないのが一曲、残念な事に 6. Casino Trem / Tyondai Braxton です。また、演奏はCDの方が俄然良く、このLiveでは各曲の個性と力感に欠ける印象です。


若い世代中心の今の米現代音楽を楽しめて お勧めです。歌や語りが多く入るのも特徴的ですし、DVD収録曲以外でもステージで映像が流される曲があります。ここでもインスタレーション系台頭が伺われますね。イメージDVDがアルバムに付いている事もその象徴ですね。
この春にはロンドンでもField Recordingsコンサートが開かれる様です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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