ツィンマーマン Bernd Alois Zimmermann の オペラ「兵士たち(Die Soldaten)」は 観る? 聴く?!

続けてベルント・アロイス・ツィンマーマン(Bernd Alois Zimmermann, 1918/3/20 - 1970/8/10) の代表作も紹介しちゃいます。
前回・前々回紹介は、初期から中期のコンチェルトを主に並べましたが、それは折衷的音楽時期の作品でコンサートで協奏曲を聴くのに向く感じです。
B.A.ツィンマーマンのお楽しみは、1965年のこの作品以降ですね。コンサートでも取り上げられる1966年の「ユビュ王晩餐の音楽」、1968年の「フォトプトーシス」、そして1969年の傑作「ある若き詩人のためのレクイエム」と進む素晴らしさです。

Die Soldaten / Bernd Alois Zimmermann
 
注:CDはモノラル、DVDはリージョン1 になります


ストーリーは商人の娘マリーが軍人との恋に溺れて、乞食に落ちるまでの話です。明瞭な主題やアリアの存在しないポリフォニーとクラスターと言った強音混沌の現代音楽に、狂気と廃退の舞台、全四幕です。
【第一幕】
 婚約者シュトルツィウスに手紙を書くマリー。片やシュトルツィウスの母親はマリーの手紙を息子に渡しながら不平を言う。軍人デポルト男爵がマリーを誘惑するが父親が断る。デポルトに惹かれるマリー。
【第二幕】
 兵士たちの中でデポルトとマリーの噂が広がり、シュトルツィウスは兵士たちにからかわれる。デポルトの誘惑に負けるマリー、それを見た祖母は嘆きを歌い、マリーからの別れの手紙にシュトルツィウスはデポルトへの復讐を歌う。(シーンは平行して進む)
【第三幕】
 デポルトの友人のマリ大尉とも付き合うマリーを姉シャルロットが叱責する。マリーは若いド・ラ・ロッシュ伯爵の息子とも付き合い、伯爵夫人から注意を受ける。マリーは伯爵夫人の元に預けられる事になる。
【第四幕】
 デポルト男爵はマリーとの縁を切るため猟場管理人に暴漢させる。マリ大尉の部下となっていたシュトルツィウスはデポルト男爵とマリ大尉の食事の際に復讐の毒殺を図り、自らも服毒する。最後は落ちぶれて物乞いをするマリー。出会った父ヴェーゼナーにはそれがマリーとはわからない。
ラストは兵士たちの行進とともに終わる。

個人的楽しみの問題は現代音楽家ツィンマーマンの音を楽しむのか、現代オペラ「兵士たち」を楽しむのかですね。どうしてもオペラよりも音楽になっちゃいますが…
(と言う訳で、映像の配役や演出等に関するインプレは今回ひかえます、また今更新国立劇場の話はしても仕方ないですね)

オペラとして楽しむなら映像(本来は舞台)は当然ですね、一層の狂気を味わえます。演出により多少変わるとしても、この狂気は音楽と演技を合わせた方が迫力です。また字幕(英訳)付きですとストーリーの展開もわかり易いですね。
舞台設定でも三場面同時進行されたり、すでにこの時代からインスタレーション的な展開まで見せます。当初案では12のステージに観客席は回転椅子とツィンマーマンは考えていたそうですが、委嘱元のケルン歌劇場から不可能とされたそうですね。

ツィンマーマンの音楽で言うと、機能和声と無調の折衷的な立場から新たな視線 =引用, コラージュ, ポリフォニー, クラスター, 文章・言葉= への展開はこの曲からですね。
それを楽しむなら、CDの方が映像に邪魔をされない分 有利です。強音パートはまだしも、例えば音列配置的な静音パートなどは映像があると視覚が勝ってBGM的に過ぎてしまいます。
音楽的白眉は、印象的な等拍パルスとポリフォニーの前奏曲と、第四幕ですね。暴漢シーンでの声楽も含めたポリフォニー&クラスターの混沌の大迫力、それと等拍を思わせる軍靴の音を模したコーダからのエンディングは素晴らしいです。^^v

試しにYouTubeで観てみる?
 2014年 5月25日 バイエルン国立歌劇場。アンドレアス・クリーゲンブルク(Andreas Kriegenburg)新制作、字幕無しの低画質ですが全篇 観られます。
主役マリーのバーバラ・ハンニガン(Barbara Hannigan) 、ド・ラ・ロッシュ伯爵婦人のニコラ・ベラー・カーボーン(Nicola Beller Carbone)がいいですね。
以前はバイエルン国立歌劇場の高画質映像配信「staatsopertv.de」で見られましたが、あまりにエロティックな部分もあったのでこの程度の画質でいいかも…w


"引用" はいろいろ仕込まれている様ですが、明瞭なのはジャズ(コンボが登場)やバッハ(マタイ受難曲)くらいでしょうか。もっともストリー自体がベルクのヴォツェック*やルル**の引用っぽい?!…よく言われる事ですがw
 *兵士と浮気した"マリー"をヴォツェックが殺害する
 **恋多き女性ルルが最後は娼婦となり死を迎える
引用とは基本的に違いますね。両者からの展開部分があるかも、と言った感です。特に海外サイトではよく指摘されています。

個人的には映像を見てオペラとして楽しみ、音に浸るのはCDというのがお勧めです。やっぱり素晴らしい作品です。
一味違う おどろおどろしい現代音楽オペラ、是非一度楽しんでみてください。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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