トリスタン・ミュライユ Murail の c'est un jardin secret, ma soeur... を聴く

前回のインプレに続いて、フランスの現代音楽家トリスタン・ミュライユ(Tristan Murail, 1947/3/11 - ) です。数回に渡り紹介済みですしスペクトル楽派の重鎮の一人で著名ですから今更の紹介は割愛です。

c'est un jardin secret, ma soeur... / Tristan Murail



このアルバムは1979年以前、またIRCAMとの協力前の時代で主に室内楽を中心とした作品が集めてあります。初期作品集に近いですね。

Mémoire/Erosion (1976年)
 テープのループに倍音音響の楽器、変奏に特殊奏法と言った 前衛の衰退期の後に現れた表情を見せる楽曲です。途中でループが変化し演奏パターンも表情を変えます。ノイズあり、グリッサンド,トリル,ポリフォニーです。軸に流れるのは空間音響ですが、後年の様に表立っていないのが面白い処ですね。

Ethers (1978年)
 弦楽四重奏にトロンボーンが入ったフルート主役の楽曲です。フルートはバスからピッコロまで使います。マラカスのノイズ、特殊奏法とグリッサンド,トリル,ポリフォニー編成ですが、ドローン的な要素が多く入って来ます。その中に強音パートが見られて、ミュライユらしさが出てきた感がありますね。
 ★試しにYouTubeで観てみる?

C'est un jardin secret, masoeur, ma fiancée (1976年)
 ビオラのソロ曲で、友人の結婚の祝いに書かれています。無調のバイオリン・ソロ曲風で、およそミュライユらしくありませんね。

Les courants de I'espace (1979年)
 オンド・マルトノ協奏曲です。メシアンのトゥーランガリラでお馴染みの電子楽器ですね。ここでも楽風はグリッサンド,トリル,ポリフォニー編成で、Ethersの発展系の様相です。それは静音パートのドローンが明瞭になり、即興風なパートが減っている事でしょう。明確なノイズ感もありません。もちろん強音パートが存在していて、翌年のゴンドワナに繋がる感じがしますね。
やっぱりこの曲が一番面白いです。

この後ミュライユはIRCAMとの協力のもと、代表作であり転機でもあるゴンドワナを作りますね。1976-79年の変化が、前衛の衰退期から空間音響主体にシフトしている事を感じられるCDです。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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