エヴァン・ジポリン Evan Ziporyn の Shadow Bang / Bang On A Can All-stars を聴く

エヴァン・ジポリン(Evan Ziporyn, 1959/12/14 - ) は何と言ってもBang On A Can(BOAC)での活動が印象的な、好きな米現代音楽家?!の一人です。不思議な事に仏グリゼーGerard Griseyにも師事していますね。(グリゼーは米UC Berkeleyで1982-1986の間だけ作曲理論の教鞭をとっていました)

かのBOACマラソンコンサート(1987年)にクラリネットで参加、1992年には Bang on a Can All-stars の創設に携わり、2012年まで在籍して演奏・作曲で活躍していました。
また Steve Reich and Musicians(Steve Reich Ensemble) のメンバーでもありました。バスクラやサックスの演奏者としての活躍も素晴らしいですね。
米国現代音楽ポストミニマルの作風基本はポップ。Jazz 系フュージョンであり、ミニマルであり、民族音楽和声の取り込みあり、編曲や委託作品での活動も多いですね。

民族音楽は特にバリのガムランに傾倒が強く、このアルバムもその方向性です。

Shadow Bang (2001年)
 バリの影絵芝居ワヤンの物語、SangutとDelam兄弟の冒険話、をベースに作られている様です。
楽曲としては#2, #5, #7が10分以上です。
1. Head I
 スピード感のあるフュージョン系音楽です。テーマであり、この後も顔を出します。
2. Head 2/Scene 1
 歩く様なリズム、elec-Guitarの刻む音色やチェロの小刻みな音が定拍からの変化を感じさせますね。I Wayan Wijaによる兄弟二人の語りは英語です。
3. Angkat
 クラリネットの旋律が美しい調性曲です。
4. Ocean
 抑揚や曲調変化のないelec-Guitar他の小さな音が作る静寂幻想風景です。
5. Meditasi/Pesta Raksasa
 バリ風の歌が冒頭入りますが、演奏は打楽器がバリ風な以外はミニマルですね。静的な美しさで、ここでもelec-Guitarが良い気配を作っています。緩くクレッシェンドがかかって、中盤からリズム変化し 1.Headの主題、リズミカルなサックスの主旋律のフュージョンに戻ります。
6. Frogs (Written by – I Wayan Wija)
 Pak Wija による短いVoice performance で、森の音だそうです。
7. Forest/Tari Subali/Quiet Battle/Loud Battle/Priest's Curse
 チェロと歌いによる民族音楽から始まって、その和声とリズムを残しながら徐々に西洋音楽和声を強くして行きます。定拍的で即興的、そして表情豊かな音はポストミニマル感が強いですね。後半は会話を挟んでの反復の強い演奏が現れてクラスター的に変化します。物語の戦いの終盤です。ラストは定拍パルス&ミニマル的です。
8. Tabuh Gari
 フュージョン感の強い中に歌が入ります。西洋和声演奏にバリ和声の歌なのですが、不思議に合い違和感がありません。ジポリンの狙ったラインでしょうね。ラストは1.Headの音に戻って終了します。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  3.Angkat, 4.Ocean, 5. Meditasi/Pesta Raksasa が入ってます

ちなみに BOACのアルバムBig Beautiful Dark and ScaryにもYouTubeと同じ3曲が入っていましたのでライヴ用の組曲の様ですね。

演奏は当然Bang On A Can All-starsで、まさにジポリンのサウンドと合わせてポップな楽しさでいっぱいです。その実、中身はバリ音楽と西洋音楽の融合が見事に成されている感じです。
単なるポップさとは違う米現代音楽の一つの流れですね。
ちょっとWeather Reportを思い出します。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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