サルヴァトーレ・シャリーノ Sciarrino の Sui poemi concentrici I, II, III を聴く

昨日に続いてサルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino, 1947/4/4/ - ) ですが、例によって紹介割愛w
これは基本的に管弦楽曲なのですが、ちょっと興味深い作品ですね。

ライナーノートによればイタリア国立放送からの委託でダンテの「神曲」に合わせて作られたとあります。そのヴァージョンの一つ、コンサート向けの Soloists and Orchestra 版ですね。
原題にある同心円(concentrici)は、従ってダンテの言う地獄が漏斗状に地球の中心部に向かうと言う行を表しているのでしょう。そして、その中に100の詩が詰められていると言うのが世界の文学の最高峰 ダンテの「神曲」ですから。

表題(伊語)の英訳文は On the concentric poems (同心円状の詩) になっていますが、シャリーノ本人によるこの曲の説明文が英訳だけ欠けています。他のパートは伊独英なのですが…


Sui poemi concentrici I (1987)
 チェロとオケの楽曲です。シャリーノの特徴である静と音の出現、そして特殊奏法による構成はお馴染みです。緩い長音のドローン風の中に弦の特殊奏法を主体として切れる様な音が絡みます。まさにシャリーノの世界。47分の中で展開の変化はなく、延々と静的陰的な緊張感が全体を包む感じですね。「地獄篇」と言う事になるのでしょう。

Sui poemi concentrici II (1987)
 フルート、クラリネット、チェロとオケの楽曲です。
「神曲」は3と言う数字で構成されるので、楽器が3つなのでしょう。「煉獄篇」になりますね。全体構成は何も変わりません。管楽器により時折挟まれるフクロウの鳴き声や霧笛の様な音色、そして猛獣の唸りの様な音が特徴的です。流れる緊張感はやや薄れて朝もやの中か、静まる夜の様な静的展開の強さが際立ちます。

Sui poemi concentrici III (1987)
 フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダモーレ(17世紀末の古楽器)とオケの楽曲です。基本になるベースは変わらずドローンですが、ここでは"ピロリロリロ・・・"といったトレモロ(トリル?, 疑似アルペジオ?)の流れが過る様に現れます。そこが三曲目「天国篇」での変化点ですね。ドローンパートには基本的な音の組合せが全曲通して成立している様に感じます。

全曲2h22mを通してのフラットさはこの時期のシャリーノの流れの典型ですね。かなりいけてます。

指揮はピーター・ランデル(Peter Rundel), ベルリン放送交響楽団(Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin)という現代音楽ベストマッチの一つになりますね。
ランデルはギーレン、エトヴェシュに指揮を師事し、ヴァイオリンではアンサンブル・モデルンにも参加していましたね。
ソロパートはensemble recherche のメンバーになります。フライブルクを拠点にする9人のソリストによる現代音楽の独アンサンブルですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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