2015年10月3日 「月に憑かれたピエロ」エカテリーナ・レヴェンタール & アンサンブル・ノマド at 東京オペラシティ ★

爆弾低気圧が去り 秋らしさが出て来た10月の東京。今日はアンサンブル・ノマド 第54回定期演奏会に京王線・初台へ行って来ました。東京オペラシティは近くて助かりますね。今回はリサイタルホール(小ホール)です。
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近年コンサートでの機会が減ったシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ (Arnold Schönberg / Pierrot Lunaire)」、無調の代表作で前衛現代音楽の原点でもあり表現主義の極みですね。この曲は数多くの演奏バリエーションを聴く事で 楽しさが倍増すると思っています。
CDインプレでも今までにレコード時代から含めて20CDの聴き比べを紹介していますが表現は様々で楽しいですね。
http:// シェーンベルク 月に憑かれたピエロ 聴き比べ

今回はシュプレッヒゲザング(Sprechgesang)と演技?!をウズペキスタン生まれでオランダで活躍中の エカテリーナ・レヴェンタール(Ekaterina Levental) 、演奏がアンサンブル・ノマド(Ensemble Nomad) になります。このセットはオランダでも活動実績がある様です。
同じオランダ人のビデオ&アニメーターのクリス・コルメス(Chris Koolmees)による映像付きです。

でも感想を一言で言うと、演技と映像と言う要らない事をやって本質を逃がしてしまったピエロに思えました。
演技に集中してか終始トーキングレベルから変化のない平板なシュプレッヒゲサングは残念としか言いようがありません。

第一部の後半から狂気が現れて来るパターンが多いのですが、演奏もディナーミク不足でシュプレッヒゲサングとの一体感も不足気味でした。弱音パートをもっと強調して強音での切れ味を引き立てて欲しかったですね。
第二部のNo.9「ピエロへの祈り Gebet an Pierrot」の冒頭で "ピエロ!" を叫びます。いつもこれを一つのキーにして聴いていますが、何ともあっさり。ここから詩は異常性を強くして行くのですが、そこからの変化も見えませんでした。
第三部は詩が一番おぞましくなります。そこをあっさりと流されては、この曲と詩の異常性が伝わりませんね。

そして映像です。必要だったのでしょうか。モノクロに赤を交えた月のアニメチック表現に終始します。この映像がI〜XXIの曲の区切りを出していたのにも驚きです。なぜ⁇
赤とモノクロは、衣装にも反映されていて何らかのテーマだったのかもしれませんが。衣装と演技に付いてはよくわからないのでノーコメントです。

映像と演技を排して、本来のこの曲と詩の持つ狂気や異常性を、演奏と一体となった肉声から味わいたかったですね。

<アンサンブル・ノマド>
 木ノ脇道元(fl & picc)
 菊地秀夫(cl & b.cl)
 甲斐史子(vn & va)
 松本卓似(vc)
 稲垣 聡(pf)
 佐藤紀雄(cond)


20151003_EnsembleNomad-PierrotLunaire-03.jpg

パンフレットに歌詞の訳文が付いていました。各パート冒頭部だけですが、狂気は伝わるので嬉しい配慮ですね。ただ、全文ではないので第三部のベルガモへの郷愁が書かれた部分が欠けて、背景にあるものが少々失われています。

ブラボーなし、拍手も早々に途切れました…


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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