デュティユー Henri Dutilleux の チェロ協奏曲&ヴァイオリン協奏曲 他を聴く

アンリ・デュティーユ(Henri Dutilleux, 1916/1/22 - 2013/5/22) は個人的には微妙な立ち位置のフランス現代音楽家です。悪いと言う意味じゃありません。

メシアン(1908年)とブーレーズ(1925年)の間に挟まれていますが、その流れから今に至る前衛系の現代音楽ではありませんね。パリ音楽院(Conservatoire de Paris)で学んでいます。
19世紀末生まれのフランス6人組(オネゲル、ミヨー、プーランク達)の流れを汲んでいる様な美しさや情感を感じますが、調性の薄さなどの技巧を使い より陰的な美しさを磨き上げた音楽です。機能和声の音楽を調性の枠から解放して自由度を生かした聴き易くて好きな楽風の一つですね。
作品は1940年代からになりますが、この当時吹き荒れた十二音技法やセリエルとは当然ながら各別しています。前衛では無いと言う事ですね。

このアルバムではチェロとヴァイオリンの楽曲が年代順に並びます。

チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」 Tout un monde lointain (1970年)
 1970年の作品ですから現代音楽界では"前衛の衰退"に嵌り込んだ時代の作品ですね。五楽章からなる作品で、透明な陰を感じます。リズムも複雑さはありませんが変化に富み、和声も調性からの離脱により不可思議さを増すような奥行きがありますね。表題がピッタリと合うイメージです。モルクのvcの音色も細く相性が良いと思います。

ザッハーの名による3つのストロフ Trois Strophes sur le nom de SACHER pour violincelle solo (1976年)
 ロストロポーヴィチがパウル・ザッハーの誕生日を記念して委託した三楽章のvc独奏曲ですね。10分弱の短い曲で、デュティーユらしい透明感のある美しいチェロ曲です。静かで暗い森と湖の様な、って 何となくわかりますか?… ^^;
コンサートでマリオ・ブルネロあたりがやってくれませんかねぇ。そんな楽曲です。

ヴァイオリン協奏曲「夢の樹」 L'arbre des Songes (1985年)
 チェロ協奏曲から15年経った作品になりますが、大きく曲風が変改している事もありません。やや異なるとすれば、全体的に暗く沈んだ世界から ややパルス的刺激を醸すオケとvnの協奏という展開も見られる事、それに呼応する打楽器での色合に見える変化でしょう。ディティユーの独特な陰的な美しい世界が味わえる事は同じです。四楽章+三間奏の7曲構成です。vnのカピュソン本来は暖色な音色だと思いますが、ここではそれなりに聴かせます。
 試しにYouTubeで観てみる?
  vnは同じルノーカピュソンでトゥールーズ・キャピトル国立管、指揮はソヒエフです


強烈な個性には欠けるデュティユーですが嫌いじゃありませんね。この手の調性感の薄い和声の楽曲となると北欧系の現代音楽が得意としますね。
でも今の時代、コンサートで取り上げればかなり良いのではないかと思いますが。

チェロはトルルス・モルク(Truls Mørk)、ヴァイオリンはルノー・カピュソン(Renaud Capuçon)、チョン・ミュン-フン指揮、フランス放送 フィルハーモニー管弦楽団(Orchestre philharmonique de Radio France) になります。

再発になるのは嬉しい事です。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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