アンナ・ソルヴァルドスドッティル Anna Thorvaldsdottir の Aerial を聴く

Anna S. Þorvaldsdóttir (Anna Thorvaldsdottir, 1977 - ) はアイスランドの現代音楽家で、UCLAサンディエゴ(UCSD)で習い博士号(Ph.D)を取得していますね。活動は米(Lincoln Center's Mostly Mozart Festival 等)のみならず欧州(ISCM World Music Days 他)でも展開されています。まぁISCMが良いとは言いがたい処はありますが…
2012年に"Dreymi" でNCMP(Nordic Council Music Prize)を受賞して注目度が上がったようです。

アイスランドの作曲家ですから4つの管弦楽曲が Iceland Symphony Orchestra により初演されています。良いですね。^^v

作風は暗くて強烈、広大な音の空間を感じさせてくれる空間音響です。統一性が強く、どれも似た風に聴こえてしまうのが気になる処ですが。

2014年リリースのこのアルバムはDGからの注目アルバムになり、アンナ・ソルヴァルドスドッティルのアルバムは初入手です。

1. Into - Second Self (2012)
 打楽器と管楽器の織り成すドローン的なノイズ音楽です。管楽器の音色は行者の吹く法螺貝の様な音も展開しますが、全体として長音の管楽器と弾む打楽器の組合せです。空間音響系ですね。後半はトゥッティ的に音がクラスターとなり大音響から静に転じて終わります。
 Frank Aarnink, percussion, Stefán Jón Bernharðsson, horn, & Sigurður Þorbergsson, trombone
2. (2013)
 ピアノとアンサンブルのエレクトロニクス(入ってない??)、ピアノは打楽器のパルスで電子処理の様な音が超ロングトーンの組合せです。弦楽器やflの凶暴な演奏はボリュームが押さえられてバックグラウンド的に配されます。込入った構成です。かなり面白い!
 CAPUT Ensemble(flute, bass clarinet, piano, percussion, violin I, violin II, viola & cello), conducted by Guðni Franzson
3. Aeriality (2011)
 曲想は上記2. Róの後半と同じですが、終始大音響のオケ作品になります。ドローン系の長音と打楽器のパルスが主役で強烈な暗陰な音を出します。弦のトレモロがバックで緊張感を与えますね。後半では調性感のある重厚な調べが一瞬それに加わります。そしてラストは混沌です。
 Iceland Symphony Orchestra, conducted by Ilan Volkov
試しにYouTubeで聴いてみる?

4. Tactility III-I-II (2013)
 静的に始まりますが、構成は変わりません。ハープとパーカッションに電子処理ですね。ドローンは純粋な電子音なのかライブエレクトロニクス処理なのか、はたまた所謂テープ音なのか… ここで特徴的なのは単音で展開されるハープのピチカート。琴の様な音も出しますね。他の音もハープの特殊奏法でしょう。楽器構成がシンプルなだけに印象に残ります。
 harp & percussion, edited and produced by Anna Thorvaldsdottir
5. Trajectories (2013)
 電子音ノイズにピアノのセットです。ピアノは特殊奏法、弦楽器の様な音も聴こえますが、電子音なのかピアノの特殊技法なのか不明ですね。表情変化の少ないシンプルさで面白いです。
ピアノは同じアイスランド人のティンナ・ソルステインスドウッティル(Tinna Thorsteinsdóttir)で、Helmut Lachenmann, Evan Ziporyn, Christian Wolffと演奏活動をやっています。このBlogでもお馴染みの顔ぶれですね。
 Tinna Þorsteinsdottir and Anna Thorvaldsdottir
6. Shades Of Silence (2012)
 弦楽(vn, va, vc)とハープシコードの楽曲です。この曲だけ色合いが違う感じです。弦楽器の特殊技法が表面に出て、ドローンが消えます。即興的でラッヘンマンあたりの影響を感じますね。東洋的和声を感じられるパートも存在します。
 Nordic Affect on baroque instruments

強烈な陰湿さは現代のペッテション(Allan Pettersson)と言ったところ。これがアイスランドの風景の印象?!
特殊奏法に空間音響系と確かに今の時代の現代音楽ですが、この音圧と暗さは特徴的です。一度聴く事をお勧めします。^^v
他の作品もチャンスがあれば聴いてみたいですね。

アイスランドの現代音楽家はこれまで3人紹介しています。ヨン・レイフス(Jón Leifs)アトリ・インゴルフソン(Atli Ingólfsson)ヘイクル・トウマソン(Haukur Tómasson)、ですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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No title

 初めまして! ちょっとペッテションのとある曲検索してたらたどり着きました。密度が恐ろしく濃く、素晴らしいブログだと思います。私も現代曲は好きだけど、BGMで流す程度でとてもここまでの理解は及ばないや…。ブクマさせていただいて、これから読ませていっていただきますね。

No title

ねこさん、こんにちは 初めまして。コメントありがとうございます。
ねこさんのページ、拝見しました。好みがハッキリと感じられて素晴らしいですね。私の場合は方向性が現代音楽なのですが、そのスタンスはとても勉強になります。
現代音楽以外では、マーラーの5番は昔から溜まっていて今は150枚以上になるかもしれません。
http://goo.gl/CXz21f
好きな事・物は時間が掛かっても、もったいなくありませんね。^^v

No title

今マーラーページ拝見いたしました。と、いうより多すぎて一気に見切れない…すごいですね。こういう風に一つの曲の徹底的な聴き比べは、聴き手側の美学や好みなども徐々に縁の輪郭がはっきりしてきますので、素敵だと思います。
ただ、音楽のカテゴリ分けをもう少し細かくしていただけたら読みやすくてありがたいのですが…音源とコンサートとか、時代やジャンル分けなど…差し出がましいかもしれませんが、あまりに多すぎてページを順に追うのが大変です…

No title

あ、ちょっと書き足りなかったのですが、さっき書いたジャンルでのコンサートというのはテレビ視聴などでのことです。
差し出がましいこと申しまして申し訳ありません

No title

ご意見、ありがとうございます。どうも痛い処を…、いやお恥ずかしい次第です。
当初、音楽に特別特化するつもりも無くサブタイトルがブログ名でした。気が付けば、こんな事に。(汗)
本来なら、カテゴリーもうまく使っておくべきでしたが後の祭りです。
今は検索エンジンから来ていただいた方の少しでも参考になればという事で割り切っています。実際、自分でも何をインプレしたか覚えていません。(笑)
ねこさんの様に見る方に立ったスタンスが人気のブログの必要条件でしょうね。


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1.このblogで言う現代音楽

2.マーラー交響曲第5番 160CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

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