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マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 175CD聴き比べ! [#9 / CD:126-140]

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860/7/7 - 1911/5/18)の交響曲第5番(Symphony No.5)の聴き比べも、今回の15CDで126〜140枚目まで来ました。終盤になって来ましたね。
手元にある第5番は全集やDVDも含めて現在160枚+αなのでもう少しです。^^
今回は昨年の演奏 チョン・ミュン-フンや、本年の演奏になるポール・ダニエルを入れています。


【参考】今回の対象はポポフの㊟一点だけですが
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)

[リスト] 現在 #12回 175CDまで
 #1:15CD
バーンスタイン[x5 ★☆], カラヤン, プレートル[★], 小澤征爾, ジンマン[★], モリス[㊟], ブロムシュテット, ドゥダメル, ドホナーニ, マーツァル[x2]
 #2:20CD
M.T.トーマス[★☆], テンシュテット[x6 ★☆], ベルティーニ[x2], ノイマン[x3], 小林研一郎[x4], ザンダー, シノーポリ, 飯森範親, 井上道義[☆]
 #3:25 26CD
インバル[x4], セーゲルスタム[☆], ノット, ダーリントン[☆], ルドルフ・シュワルツ[㊟], スワロフスキー, レヴァイン, 戸山雄三, ノリントン, ロジェヴェン[㊟], ズヴェーデン, 佐渡裕, 尾高忠明, 若杉弘, ルイージ, ホーネック, ヴィト, シェルヘン[x4 ㊟]
 #4:20CD
ハイティンク[x4CD ☆], ブーレーズ[x3 ★☆], メータ[x3], クーベリック[x3], ショルティ[x3 ★], デプリースト, バルビローリ, バルシャイ[☆], バレンボイム
 #5:5CD アバド追悼
アバド[x5 ★☆]
 #6:14CD
マゼール[x3], ナヌート, テミルカーノフ, ホーレンシュタイン, スウィトナー[☆], 上岡敏之, 井上喜惟, 西本智実, ベシェック, N.ヤルヴィ[☆], アルブレヒト, I.フィッシャー, 堤俊作
 #7:10CD
ガッティ, レヴィ, コンロン, リットン, ファーバーマン, クライツベルク, アブラヴァネル[㊟], フェルツ, 大植英次, マッケラス
 #8:15CD
サラステ[x2 ☆], ギーレン[x2], M.シュテンツ[x2], ジェラード・シュワルツ[x2], ヘルビッヒ[x2], フェドセイエフ, リンキャヴィチウス[㊟], フリーマン, タバコフ, ラート
 #9:15CD 本投稿
カサドシュ, ヘンヒェン, ノイホルト, インキネン, コンドラシン[x2], オストロフスキー, ポポフ[㊟], ミュンフン, マック・カーロ, オラモ, ダニエル, アルミンク, アシュケナージ, ヴァイネケン
 #10:10CD
ゲルギエフ[x3 ☆], ラトル[★☆], ジークハルト, ロンバール, マデルナ[㊟], リーパー, ヒルシェ, 山田 一雄
 #11:10CD
シャイー[x2 ★], スラドコフスキー, シーヨン, ワールト[☆], エッシェンバッハ, シップウェイ, P.ヤルヴィ, ネルソンス[☆], スターン
 #12:15CD
ハーディング, A.フィッシャー[☆], ロト, スヴェトラーノフ[x2], ヴァンスカ, ヤンソンス[x2 ★], ワルター[☆], ミトロプーロス, ケンペ, ロスバウト, パレー, ホーレンシュタイン, ラインスドルフ, アンチェル, 資料的音源(アダージェット)他



ジャン=クロード・カサドシュ, Jean-Claude Casadesus

Orchestre national de Lille
[Forlane] 1989-7


ピアニストのロベール・カサドシュの甥で、ブーレーズに師事したジャン=クロード・カサドシュと 自ら設立したリール国立管弦楽団のマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
癖の無い第一楽章、つづく同展開の第二楽章。でも両者共に表面だけなぞっている様な何となくよそよそしい感じがします。思い入れや作り込みの様なものが感じられない演奏です。
第三楽章
第三楽章スケルツォも取り立てて言うものは無く、というか締まりが無くというか、長さを感じてしまいます。オケの実力も???
第四楽章・第五楽章
アダージェットは弦の音に微妙な不安感があります。これは録音の問題なのでしょうか…
最終楽章も第一二楽章と同じ気配、怪しさと不安感を抱えて進み なんとなく終了します。


各楽器間のバランスも少々怪しい録音の気がしますが、全体的によくわからない眠いトーンのマーラー5です。聴いていて眠く…zzz…




ハルトムート・ ヘンヒェン, Hartmut Haenchen

Netherlands PO
[PentaTone] 2001-3


ヘンヒェン指揮、オランダ・フィルのライブ演奏です。旧東ドイツ出身のヘンヒェンは1985年から2002年の間、同オケの首席指揮者を務めていますね。

第一楽章・第二楽章
第一楽章第1トリオのtpの音が聴こえなかったりしますが、演奏はほどよいアゴーギクとディナーミクで 陰性や重厚性を排した第一部(第一楽章・第二楽章)です。
第三楽章
ここでは処々で管楽器の各パートの鳴りが良くない事が気になりますね。演奏自体は第一部と同じ様な展開ですが、特にスローパートでは間延びした感が拭えません。
第四楽章・第五楽章
素晴らしいのがアダージェットです。柔らかなアゴーギクに透明感のある演奏は やや甘美さがありますが好みですね。繋がり良く最終楽章に入り、コーダを期待させる流れを見せながら上げて行くのは良い感じです。やや速めの展開でコーダを迫力と広がり良くまとめ、アッチェレランドもピシッと決めます。もちろん大ブラボーです。


演奏も録音(SACDらしく)も高音域は透明感と音分離が良いのですが、第一部・第二部に不満が残るのが残念なマーラー第5番です。




ギュンター・ノイホルト, Günter Neuhold

Orchestra Sinfonica dell'Emilia-Romagna "Arturo Toscanini"
[Warner Fonit] 1986-5/9


オーストリア人指揮者ノイホルトとエミリア・ロマーニャ交響楽団による演奏です。ギュンター・ノイホルトがイタリアの同楽団、別名アルトゥーロ・トスカニーニ交響楽団の首席指揮者を務めた最後年の録音です。

第一楽章・第二楽章
荒れて ややまとまりの悪い第一主題はテンポはややスローでアゴーギク、第二主題(第1トリオ)も荒れながら落ち着きが悪いです。それが結果的に第二楽章ではマーラーの意図"嵐のように荒々しく動きを..."になりますねw でも第二主題などはうまくテンポを落としてきれいに演奏して、出し入れの明確な悪くない展開です。それにしてもライヴとはいえ録音が悪いです。
第三楽章
弦楽器がたまに変な音を出し、管楽器のバランスがおかしかったりしますがスケルツォらしさが嬉しいです。長い第3主題部(第2トリオ)もうまく聴かせます。アゴーギクをうまく使って個性的な展開です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットはアゴーギク、ディナーミクを殺してややスロー、無表情ですが、ラストは情感的にしめます。四楽章とラップするような極端なアタッカで流れ込む最終楽章。徐々にというよりも初めから元気な軽快さです。その分、やや中だるみと管楽器は舌足らずの様な不安定さを見せますが、中間部の山場とコーダ前の山場を見事に演じるます。コーダは切れ味よく、アッチェレランドは控えめのフィニッシュです。


録音が悪く かつフラット。それが良さを半減させているのか、はたまた演奏の問題の半減なのか。それは別にしても、全体の曲の流れ(ノイホルトの解釈)は悪くありません。




ピエタリ・インキネン, Pietari Inkinen

Japan PO
[JPO] 2012-4/6, 7


マーラーを得意とするフィンランド人指揮者インキネンが首席客演指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団を振ったマラ5です。

第一楽章・第二楽章
スローだけど、まとわりつく様なクドさの無い葬送行進曲。第1トリオがテンポは緩く入るのは特徴的で、第2トリオを含めて全体緩やかな第一楽章です。第二楽章でも同様に穏やかな演奏、展開部では美しい静寂感さえ感じます。マーラーの意図(指示)とは違う様な…
第三楽章
スケルツォは各楽器の変奏が良く伝わります。そして第二第三主題も優雅に演奏されます。この辺りは録音の良さも手伝っていますね。美しい第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットはまさに静謐、甘美さを避けたクールさです。ただ心地良い暖色系であり、好みから行くともっと細く冷たい感じにしてくれたら最高ですが。最終楽章は第一主題と第二主題が絡みながら緩やかに上げて行くお約束通り、緩急を付けています。中間部(展開部)の山場は必要以上の盛上りを避けて再現部からコーダへ向かいます。山場からコーダは荘厳、ラストのアッチェレランドは落ち着いていますが、ピシッと決めます。


スローで端正・クールで美しいマーラー5番です。録音の良さもあって透明感を感じます。クセは強いのですが、これもありでしょう! 一昔前の録音に比べたらホールに近いですね。




キリル・コンドラシン, Kirill Kondrashin

旧ソ連出身のコンドラシンと言えば、首席指揮者(1960-75年)を務めたモスクワ・フィル(Moscow Philharmonic Orchestra) なのですが、MPOとはこの曲の録音を残していません。ちなみにMPOとの来日でマーラー9番の日本初演(1967年)をしていますね。1978年にオランダに亡命しています。



USSR State SO
[Melodiya] 1974-7


コンドラシン(Кирилл Кондрашин)とロシア国立交響楽団(The State Academic Symphony Orchestra of Russia)のマラ5です。

第一楽章・第二楽章
静粛な弦のパートと派手な管のパートの第一楽章葬送行進曲、第二主題はスローですがメリハリがありバランスが良いですね。第二楽章は第一楽章に続くイメージを残した入りからナチュラルに美しい第二主題へと流れます。コーダからフィニッシュはやや暴れ気味、ラストのティンパニは音が少し外れていますね。
第三楽章
クセの少ないスケルツォから全体的に美しさを感じる楽章ですね。バランスも良く長さを感じさせませんね。コーダもシャープです。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは情感的ですね。ディナーミクの強さがそう感じさせるのでしょうが甘美ではありません。最終楽章は約束通りに緩やかに上げて行き、中間部の山場と後半の山場をコデッタ主題で盛り上げた後、コーダ・フィニッシュでは殊更な盛り上げは避けています。


管楽器が処々で尖っていますが、突出したものは感じません。フィニッシュを除けば悪くないマラ5ですね。





USSR TV and Radio Large SO Moscow
[AUDIOPHILE CLASSICS] 1974


コンドラシンとモスクワ放送交響楽団(チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ)のマラ5。

第一楽章・第二楽章
静粛な中に管楽器が暴れ気味の第一楽章の葬送行進曲、第二主題はややスローで管楽器のメリハリが強い演奏。第二楽章は かなり速い第一主題から緩やかな第二主題へと進み、抑揚・緩急の強い展開。
第三楽章
アクセントの強いスケルツォから 滑らかな第2主題(第1トリオ)へ。アゴーギクとディナーミクは強いですが、第一部に比べると落ち着きがあります。
第四楽章・第五楽章
アダージェットでも抑揚が勝ち、大きな波の様。最終楽章は優雅な第一主題に早口な第二主題が絡み、抑え気味ですが速め。山場は押さえ気味、コーダからフィニッシュへ軽やかに走り抜けます。録音は酷くスカスカです。


でもこれ、実は上の盤と同じ演奏です。録音状態でこんなに聴いた感じが違うと言う事です。
注:Mahler Discography Kaplan Foundation 確認済み (コンドラシンの残したマーラー5は上記の一回だけです)




実はもう一つの所有はこのLYS盤。


なんとモスクワ・フィル(Philharmonie De Moscou)になってます。混乱する様なロシアのオケの名前も含めて困ったもんですねw



アヴィ・オストロフスキー, Avi Ostrowsky

BRTN PO Brussels
[Discover] 1994


ベルティーニやスワロフスキーに師事したイスラエル生まれの指揮者オストロフスキーがブリュッセル・フィルハーモニックを振ったマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
第一楽章はスローで重厚さを殺した葬送行進曲、第二主題もテンポアップはしますが通して清廉です。第二楽章でも同様な展開で、クドさのない淡白な印象です。静音スローのパートは、美しさは感じるのですが 眠くなりますw
第三楽章
スケルツォは華麗さがマッチしますが、やはり長くて厭きますねぇ。ところがコーダは唐突の快速と切れ味! なんでしょう、これは?
第四楽章・第五楽章
アダージェットは澄んだ冷たい空気の美しさです。甘美さがあるのですが静的で悪くありません。最終楽章はテンポを戻して軽快に上げて行く良い展開です。中間部の山場はややクセがありますが暴れ気味に盛り上げて、スローに落とした後 ラストの山場を盛り上げフィニッシュへ。悪くありません!


変則的マラ5です。第三楽章のコーダ以降なら面白いですね。スロー&静音の支配する第一部と第二部の殆どをどう見るかでしょう。コンサートだったら前半眠って後半ご機嫌。(笑)




アレクセイ・ポポフ, Alexei Popov


Kuibyshev Opera SO
[Selectmedia] 1980

popov mahler 5

ロジア人指揮者ポポフが、ロシアのクイビシェフ・オペラ交響楽団を振ったマーラー5番です。両者共に知見がありません。

第一楽章・第二楽章
管楽器が元気な第一楽章、生真面目な葬送行進曲から続く第二主題もテンポアップしません。微妙なスローと"間"のアゴーギクが振られてクセがありますね。第二楽章もスローで不気味なアゴーギク、ギクシャクしてなんだか躓きそうな感じです。
第三楽章
当然ながらスケルツォも変です。各楽器の音のバランスも変なので余計に可笑しいのでしょう。録音の問題かな。でもあまりに変で、長さを感じない ?!
第四楽章・第五楽章
弦の力強いアダージェットを見せたりもします。所謂(いわゆる)情感というものは無いかも。最終楽章はそれなりに一二主題を絡めながら上げて行きます。中間部の山場を盛り上げ、コーダからフィニッシュまで繋げます。この楽章は違和感が少ないです。麻痺した?


とにかく落ち着かない変わりダネのマラ5です。変なモノが好きな貴方に絶対お薦めですw
でも入手が難しいかな… "Heard Before Classical Hits" とかのローカルシリーズ物で、ライナーノーツも入ってません。amazonUSにはストックがありますね。




チョン・ミュンフン, Myung-Whun Chung

Seoul PO
[DG] 2014-5/22-23


チョン・ミュンフンが手兵ソウルフィルとマーラー・チクルスを進める中のマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
重厚さよりも美しさを感じる葬送行進曲、テンポの良い第二主題と王道の第一楽章。録音が良く低音が響きます。第二楽章も同様の展開で荒々しさと美しさのバランスが良いですね。
第三楽章
平均的な解釈で安心して聴けます。その分 意外性が無いのでやや長く感じてしまうかもしれません。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは暖色に感じますが、叙情的ディナーミクは押さえ気味で悪くありません。最終楽章へはアタッカで繋がり、約束通りに第一・第二主題が絡みながら緩やかに上がって行きます。展開部の山場は地味に、再現部の山場からコーダは見事に盛り上げてアッチェレランドもビシッと入ります。


この前年2013年6月のN響との演奏より良いですね。最新の録音で音も良く、安心して聴ける王道的なマラ5です。初めて聴くにはとても向いています、無個性的個性でワクワク感はありませんが。




マック・カーロ, MAK Ka-lok

Russian PO
[HUGO] 1993-10/9,10


マッケラスに師事した香港生まれの指揮者 麥家樂(MAK Ka-lok) が ロシアフィル(モスクワ市交響楽団)を振った馬勒5番です。残念ながらマック・カーロの呼び方も合っているかわかりません。(汗)

第一楽章・第二楽章
朗々と鳴る葬送行進曲は音に釣り合ったスローさ、第二主題もややスローですが広がりを感じる第一楽章です。第二楽章はテンポアップした第一主題から緩やかな第二主題へと基本的に流れ、展開部から再現部も含めて出し入れの切れ味が良いですね。
第三楽章
スケルツォはややギクシャク、第二主題もレントラーっぽくありません。主役のホルンも今ひとつ冴えません。19'40"というこの楽章が長い長い…でもコーダはしっかり締めて来ます。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは美しく甘美、後半の甘ったるさがちょっとクドいですが悪くありませんね。最終楽章はホルンや弦の個々の音のバランスが気になりますが、ここでも押さえる処は巧く盛上げてコーダからフィニッシュを気持ち良く見事に仕上げます。


緩やかなアゴーギクを主体にしますが演奏も展開も何となく怪し気、でもコンサート受けの押さえ処を知っている演奏ですね。




サカリ・オラモ, Sakari Oramo

City of Birmingham SO
[Warner] 2004-10/26,28


フィンランド人指揮者サカリ・オラモが英バーミンガム市管弦楽団(CBSO) の音楽監督を務めた時のマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
緩やかでバランスの良い葬送行進曲、第二主題(第1トリオ)は標準的なテンポアップに繋げて流れの良さを感じます。「いま太陽は晴れやかに昇る」の主題から第2トリオへも標準的に流れますね。第二楽章もマーラーの意図通りに荒々しい入りから緩やかな第二主題へと繋ぎます。その後も第一・ニ主題を落差を見せながら入れ替え展開する王道ですね。
第三楽章
木管のスケルツォ、弦のレントラー、ホルンもバランスよく入り安心して聴けますね。第2トリオ(第三主題)をマーラーの意図通りでスローさを強調しています。
第四楽章・第五楽章
アダージェットも当然の流れで、適度なスローと甘美さです。10分と言うのは今の時代の標準でしょう。個人的にはもう少し速い方が好きですが、昔の(メンゲルベルグのを聴いています)様にあっという間のテンポはないでしょう。第五楽章も第一・ニ主題の反復で絡みながら登ります。後半はディナーミクを効かせて山場を期待通りに盛上げ、コーダを華々しく展開すると ラストは見事なアッチェレランドで駆け抜けます。


徹底した保守本流のマラ5ですね。本道・本流が好きな人にはたまらないでしょう。演奏も各楽器の(録音)バランスも悪くありません。一度コンサートで聴いてみたいです。




ポール・ダニエル, Paul Daniel

O National Bordeaux Aquitaine
[Actes Sud] 2015-1


エイドリアン・ボルトやオペラを得意としたエドワード・ダウンズに師事したイギリス人指揮者 ポール・ダニエルが現在音楽監督を務めるフランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団(ONBA)を振ったマーラー5番です。本年1月の録音になりますね。

第一楽章・第二楽章
第一楽章は押さえ気味の葬送行進曲から第二主題(第1トリオ)はスロー、そして第2トリオでも穏やか。続く第二楽章の第一主題もマーラーの意図ほどの荒々しさはなく、第二主題のエモーショナルを感じます。展開部から再現部でも第一主題の再現的で通して印象は穏やかです。
第三楽章
この展開ですと華やかなスケルツォや第二・第三主題の織り合わせがマッチする楽章になるのはわかりますね。なだらかで落ち着いていますが、長さを感じる事はありません。
第四楽章・第五楽章
この演奏にあった静的透明感の美しいアダージェットです。最終楽章はややディナーミク不足の前半ですが、展開部の山場を華やかに迎えて後半の山場からコーダはしっかりと締めて華麗にフィニッシュします。


緩やかで女性的、繊細な優しさ美しさを感じる特徴的なマラ5です。悪くありませんね。ジャケットが特徴的で縦長の豪華なデジブック(DVDタイプ?)になっていますね。




クリスティアン・アルミンク, Christian Arming

New Japan P
[fontec] 2004-11/19,20


DG(ドイツ・グラモフォン)社長を父に持つオーストリア人指揮者アルミンクが音楽監督就任 2年目の 新日本フィルを振ったマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
メリハリを強めた葬送行進曲ですが静音パートが弱く、続く第二主題もやや締まりに欠ける第一楽章。第二楽章も歯切れが良くない出だしで、展開部もティンパニが崩れています。主題間のバランスが悪く、かつモタツキを感じる第一部です。
第三楽章
シャープさが欠けます。弱点の金管 特にtpは今ひとつ、主役のhrも冴えません。三つの主題が絡み合う後半の再現部もコーダもモッサリです。
第四楽章・第五楽章
魂の抜けた様なよそよそしいアダージェットでvnの音色がギスギスしています。最終楽章も印象は同じです。コーダもバランス崩れ。えっ、ブラボー??!!


聴き直しても結果は同じ、ダメですねェ。「ねぇねぇ大丈夫? 具合悪くない?」 みたいな体調不良のマラ5です。(笑)
  



ウラディーミル・アシュケナージ, Vladimir Ashkenazy

Sydney S
[EXTON] 2010-5/20-22


説明も不要なウラディーミル・アシュケナージはユダヤ系ロシア人ピアニストにして指揮者ですね。アシュケナージがシドニー交響楽団の首席指揮者時代(現:音楽監督)のマーラー5番です。

第一楽章・第二楽章
第一楽章 葬送行進曲は管楽器の鳴りも録音も良く構えの大きさを感じます。第二主題も適度なテンポアップで音の広がりが良いですね。演奏自体は正攻法です。第二楽章もアップテンポの序章・第一主題からスローの第二主題、その後の展開部から再現部まで音と抑揚のマッチが良く安心して効く事が出来ますね。
第三楽章
軽快と言うよりも重厚で流れる様なスケルツォから入る第三楽章、第二主題レントラーも同様で どちらかと言うと荘厳的な展開になります。第三主題でのホルンも朗々と鳴りますね。(一人怪しいホルンが居る様ですがw) コーダまで長い楽章をしっかり聴かせます。
第四楽章・第五楽章
アゴーギクとディナーミクを大きく振り、波が引いては押し寄せる様な甘美さの強いアダージェットです。ちょっとやり過ぎ?! 最終楽章は二つの主題は響く様に変奏されながらコーダを目指します。山場からコーダは期待以上に応えます。(笑)


変化球はありません。正攻法でメロディーライン強調のベテラン アシュケナージらしい勇壮荘厳なマラ5。「まいったか!?」って感じ。コンサートだったら大爆演と言う事でしょう。




クリストフ・ヴァイネケン, Christoph Wyneken

Landesjugendorchester Baden-Württemberg
[BAUER] 2007-11/10


ドイツの指揮者ヴァイネケンとバーデン=ヴュルテンベルク青年管弦楽団(Baden-Württemberg Youth Orchestra)によるマーラー5番です。ヴァイネケンはこのオケLJOとの活動でBruno Frey 音楽賞(Prize of the Provincial Academy Ochsenhausen)を受けているそうです。
ヴィネケン?かもしれませんが、残念ながら両者共に知見がありません。WynekenはMusashino Music Academy in Tokyo(武蔵野音大?)に客員教授として来日経験もあるそうです。

第一楽章・第二楽章
慎重さを感じる、と言ったらユース・オケの先入観でしょうか。葬送行進曲は平坦、第二主題はやや荒れ気味で元気、やっぱり強音パートが光る第一楽章です。第二楽章は強烈な序章と第一主題はキレがありますが第二主題はおとなしく…かと思いきや静的美しさで聴かせてくれます。ユースとしては なかなか侮れない第一部かもしれません。
第三楽章
入りのスケルツォでは流石に音の揃いに崩れが見えてしまいます、特にhrは厳しいですね。第二主題は安全運転です。静音パートはおとなしく、強音で元気、と言った流れです。その後現れる第一主題では破綻をきたしませんね。元気なパートは聴かせてくれます。特にコーダは適度に荒れて締まりも良くユースらしいパワーを味わえます。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは静的美しさで悪くありません。Wynekenの指揮は今の時代の標準的な情感表現程度のディナーミクです。第五楽章、ここでも処々でhrが怪しいですが前半を何とかこなして山場に辿り着くと元気を取り戻します。その後は静音パートもうまくまとめ、水を得た魚の如くのコーダとフィニッシュです。何年か前のPMFオケの最終日コンサートを思い出しましたね。


これがユース・オケの楽しさですね。元気な若々しさと慎重な静音に違和感はありません。展開はごく標準的です。コンサートだと若さの爆発が体感出来ます。
ユースと言う事を抜きにしてしまうと、見通しの良くない第5番ですが…







まだ残していますが、そろそろ始めに聴いたものを聴きなおすタイミングかもしれません。これはレビューではなくインプレッションですから個人的な感想になりますが、聴き込む事でまた違った印象が生まれているかもしれませんね。ただあまり有名な盤は素人が個人的な感想を書くのは気が引けますw


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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