アルゲリッチ Argerich の Carte Blanche / ヴェルビエ音楽祭2007年 を聴く

2007年7月、スイスの夏を飾るヴェルビエ音楽祭(Verbier Festival & Academy) ライヴですね。今やその人生が映画(DVD)化もされてお腹いっぱい更に大活躍のマルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)、そしてメンツを見れば即わかる仲間達とのお馴染みのパターンです。それも今回はアルゲリッチ本人が共演者と演目共にチョイスしたそうです。いずれも過去に演奏を残している楽曲ばかりですね。
聴く前から想像がつく様な世界なのですが、懲りずに入手してしまうのはどうしてでしょう ?!

ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番 Op.70 No.1『幽霊』  
 vnをR.カピュソンに変えると、同じ2007年のルガーノですね。いかにもアルゲリッチのセットによる演奏で、pfが煽る様な戦闘的演奏が楽しいですね。緩徐楽章はやや退屈でキレキレのパートの方が楽しいですね。いつもの様に後ろからアルゲリッチの視線が二人に注がれているのが浮かびます。ラクリンのvnはもっと刺激的でも良い様な気がします。
今ひとつスキッとしない感じは何でしょう。

 ・ジュリアン・ラクリン(Vn)
 ・ミッシャ・マイスキー(Vc)
 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)


シューマン:子供の情景 Op.15
 今回の目玉の様ですね。クライスレリアーナもそうですが、この手の曲は昔〜聴きましたが今や聴かない曲なのでコメントが出来ません。小曲の集まったこの曲で聴き知れた旋律は7.トロイメライTraumereiなのですが、ドビュッシーのベルガマスク / 月の光の様に好みの演奏が結びつきません。
と言う訳で、フゥ〜ン?!って域をを超えませんでした。

 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)

シューベルト:ロンド D.951
 アルゲリッチ以外ではまず聴く事の無いSchubert / Grand Rondeau。 アレクサンドル・ラビノヴィチ、そしてフレイレとのデュオも有った様な…
作品自体が古く単調な曲に感じてしまいます。で、可もなく不可もなく的としか感じられないのが残念です。駄耳の証?

 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)
 ・ラン・ラン(Pf)


ラヴェル:マ・メール・ロワ(ピアノ・デュオ版)
 実はラン・ランはあまり好みではありません。まぁ、それは置いといて…
この曲はミハイル・プレトニョフやアレクサンダー・モギレフスキー、変わった処では指揮者チョン・ミョンフンとの演奏もあり得意のヴァリエーションですね。個人的に好みの楽曲です。
ラヴェルらしい透明感と微妙な美しさがとても生きていますね。1. 2. での静寂、3. でのディナーミクと小刻みな鍵盤の音切れの良さ、4. の幽玄的な響きもアゴーギクを効かせて際立たせます。そして美しい5. で再びエモーショナルな響きで終えます。
聴き終われば、ラヴェルらしい美しさの中にやっぱりアルゲリッチの切れ味が加味された独自の世界を感じます。

 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)
 ・ラン・ラン(Pf)


シューベルト:アルペジオーネ・ソナタ D.821
 実際にはアルペジオーネ(チェロ+ギター÷2 みたいな楽器)で弾かれる事の殆ど無いSchubert / Sonata for Arpeggioneですね。チェロ版ではマイスキーとの録音がありますが、今回は個人的に好きなバシュメットのヴィオラです。
アルゲリッチとバシュメットの組合せはやっぱり良いですね。朗々と鳴るバシュメットのvaにアルゲリッチのpfが絡むと、艶々として音色が会話の様に弾んでいるのが明確にわかります。緩急出し入れの阿吽の呼吸はアルゲリッチのデュオの最大の楽しみですよね。それが味わえる一曲、だからアルゲリッチの音楽祭物を買う訳です。

 ・ユーリ・バシュメット(Va)
 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)


バルトーク: ヴァイオリン・ソナタ第1番 Sz.75
 言わずと知れたクレーメルvnとの名演がある訳ですが、今回は手兵?のR.カピュソンですね。クレーメルの透明感とは異なりますが、この楽曲は二つの楽器の勝負ですね。
調性感の薄い旋律がフラットに 時に激情に展開されて行きます。現代音楽と言うには古いですが、バルトークらしいディナーミクとアゴーギクが最大限駆使される楽曲です。機能和声を超えた音楽が二人の表現の自由度を解放した様な伸びやかさを感じます。
絡む、と言うよりもピッタリと相手に付いてスピード変化・揺さぶり に合わせて勝負する、といった感じです。カピュソンも良く、主導権を握っているかの様です。特に第三楽章は最高です。ライヴで聴いたら音の衝撃と緊張感が素晴らしいでしょうね。

 ・ルノー・カプソン(Vn)
 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)


ルトスワフスキ: パガニーニの主題による変奏曲
 フレイレとの演奏を思い出しますね。演奏時間は ほぼ5分と短い楽曲ですがパガニーニの24のカプリースのNo.24を使っているので、何とも旋律・技巧が強烈です。
二台のピアノの超絶的な演奏を充分に楽しめます。音楽際向き、アンコール向きです! 楽しさいっぱいですね。

 ・マルタ・アルゲリッチ(Pf)
 ・ガブリエラ・モンテーロ(Pf)


リリー・マイスキーのために「ハッピー・バースデイ」(アンコール)
 Happy birthday to Lily Maisky! との声の後に演奏されます。説明の必要有りませんね。「Happy Birthday to You ピアノ変奏曲」ですw
最後に拍手がショボく終わるのはご愛嬌??

 ・ガブリエラ・モンテーロ(Pf)

ベートーベン、シューマン、シューベルト、普段はコンサート以外ではまず聴かないのですが、演奏によっては楽しめますね。
まぁ、何か新しい試みがあるわけでも無いのですが… だからこそ "クラシック" !!??
CD2が良いです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA


ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

 kokotonPAPAのブログ  ホームページtop  メールtop



1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 160CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

カテゴリ
個人的お奨め度*
★   こんなもん?
★★  悪くないね
★★★ 最高です!
☆   +0.5
お友達ブログ
kokotonPAPAカウンター
unique-access