ジャチント・シェルシ(Giacinto Scelsi) の Collection Vol.6 (フルート曲集) を聴く

ジャチント・シェルシ(Giacinto Scelsi, 1905/1/8 - 1988/8/9) は、このブログでもお馴染みのイタリアの現代音楽家です。'70年代の倍音の音響を重視した作風が特徴ですね。「共同作業」でのヴィエーリ・トサッティ(Vieri Tosatti)との関係は、日本の佐村河内守 問題の様に全くのゴーストライターでは無かったので展開が違ったのでしょうか。

一般的に有名な「一つの音を聞き込む」構想は '50年代になって倍音と類似周波数の音のうねりとして進化し、その作曲のピークは'70年代に迎えますね。そこには作曲のベースとなった点描的な気配は残されていません。
このアルバムはフルート曲で、1950年代と1976年の作品が集められていますのでとても興味深いです。ちなみにグリゼーやミュライユは'70年代にシェルシの元に師事しています。

Maknongan (1976年) バス・フルートの曲です。法師の吹く法螺貝の響きの様な音色で、強音や即興的な要素はありません。緩く深く流れる様な音の響きはシェルシらしいシンプルさです。

Pwyll (1954年) フルート曲で、やや即興的で動機的なフレーズが挟まれる中で展開して行きます。ドビュッシー、ヴァレーズ、ベリオ、武満、らの音楽との関連が述べられています。

Hyxos (1955年) フルートと打楽器の楽曲です。東洋的、それも日本的な響きを持った曲です。シンプルで深遠な音色と響きでシェルシらしい曲風です。3パートからなる構成です。

Quays (1953年) フルート曲ですが、Hyxos と似た曲調で日本の笛の音色と旋律に近い楽曲です。こちらの方が少しペースが早く旋律変化も見せて、所謂コンテンポラリー的になります。その意味では、Pwyll との中間的な感じですね。ちなみにシェルシのフルート曲の処女作です。

Tetratkys (1959年) 4パートからなるフルート曲です。即興的な色合いが強いです。一つのベース音、キー音?、を元に旋律を作り回帰を繰り替えす2ndパートが特徴的ですが、全体は20世紀コンテンポラリー的で単調さを感じます。やや退屈な…

Maknongan (1976年) 一曲目と同曲のオクトバス・フルートによる演奏です。この曲の持つ不思議な響きは低音の籠った様な鳴りがとても生きて来ます。露骨に倍音の展開も見せますね。

やっぱり'70年代の Maknongan が圧倒的に面白いです。独特な音響音楽で、この曲はチューバ、コントラバス、バスサックス、バスクラ 等、様々な低音域楽器で演奏されていますね。
試しにYouTubeで観てみる?
バスクラver.になります





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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