Michael Gordon の ディストピア Dystopia & Rewriting Beethoven's Seventh Symphony を聴く

マイケル・ゴードン(Michael Gordon, 1956/7/20 - ) は米現代音楽家で、なんと言っても Bang on A Can の創設者の一人として著名ですよね。ちなみに同じくBOAC創設メンバーの Julia Wolfe は奥さんです。
N.Y.アンダーグラウンドロックからYele大での教育を経てきましたね。作風はトータリズムとポストミニマル、ポップカルチャーです。
もちろん楽風も違い、欧州エクスペリメンタリズムとの直接的接点はありません。

このアルバムはLiveの管弦楽曲になりますね。とても興味深い2曲です。

Dystopia:本人の弁を借りれば、ロサンジェルスからインスピレーションを得て、美か醜悪か、熱狂か混沌かといった感性を、調性と不協和音の間で表したそうです。そもそもディストピア(Dystopia)の意味がユートピア(Utopia)の反語「暗黒世界」ですからねぇ。
全体としては多国籍和声の騒々しさ、ポップカルチャー的なトータリズムで調性感はしっかりとしていて華々しいです。中盤からは、音数の少ない幽玄なポストミニマル展開やポリフォニック・ポリリズム、弦楽ノイズも挟みます。大きなおもちゃ箱みたいな展開で、聴きづらいアヴァンギャルドでは決してありませんね。コーダ?はミニマル色が強くなって登り詰める様にクライマックスを迎え、いきなり終了します。
演奏は Los Angeles Philharmonic, 指揮 David Robertson になります。

Rewriting Beethoven's Seventh Symphony :ベートーベンの交響曲第7番の各楽章のエレメントをモチーフにして作られた約21分になりますね。
曰く「一楽章は野蛮とも言える出だしの和音、二楽章はスパイラルアップする別世界的なイメージ、三楽章は背後にあるものを全面に押し出して、四楽章はメインテーマを使って」だそうですが、あの古典で退屈なほど派手派手な交響曲をどうしたかと言うと…ポストミニマルに料理されています。
Part1は一楽章の出だしはそっくりで、不気味な弦の下降ボウイング付きですw これだとベートーベンの7番じゃないの?って思う人がいるかも的です。それをミニマルの様に続けて、そこにバイクの音の様な響きを加えています。このパターンはM.ゴードンらしさですね。
Part2は緩徐テーマがミニマル風に繋がります。機能和声と不協和音の間を流れる怪し気な調性感、そして最後はポリフォニックに展開して行きます。この変化もゴードンらしさで、なかなか面白いです。
Part3は第三楽章のどこを基本にしているのかは不明ですが弦楽主体のポストミニマルです。ここでもラストに向けてゴードンらしく陶酔的に上げて行きますね。
Part4はPart3に続いて下げながら細かい弦の響きに代わり、その中に第四楽章の主題が変奏されて現れます。例によってクレシェンドでラストを迎えます。以上、全てアタッカで繋ぎ目なくスルーで演奏されますが、ドイツ・ボンでの演奏だから聴衆の反応は今ひとつ。予想は大ブーイングかと思いきや、まぁそこまででもないようです。
それにしてもベートーベンを弄った楽曲をドイツでやるとは流石です。あの国はそう言う事には敏感ですからねェ。
演奏は Bamberger Symphoniker, 指揮は日本でもお馴染み Jonathan Nott です。
試しにYouTubeで聴いてみる?



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA


ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

 kokotonPAPAのブログ  ホームページtop  メールtop



1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 150CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

カテゴリ
個人的お奨め度*
★   こんなもん?
★★  悪くないね
★★★ 最高です!
☆   +0.5
お友達ブログ
kokotonPAPAカウンター
unique-access