現在進行形の現代音楽:Afiara Quartet の Spin Cycle を聴く

Afiara Quartet の Spin Cycleが5/12に配信開始されたのでさっそく聴いてみました。
作曲者(Kevin Lau, Laura Silberberg, Rob Teehan, Dinuk Wijeratne)、演奏者Afiara Quartet、リミックスのDJ, Skratch Bastidが役割分担をするコンセプト作品で、全カナダ編成のクラシカル&ポップ系現代音楽です。

各曲 [1.String Quartets]-[2.Remixes]-[3.Composer Responses] という3ステージになります。
[1.String Quartets] 原曲の弦楽四重奏曲(二・三曲構成)でカナダの若手現代音楽家四人に委託しています。inspired by popular themes とあり 前衛ではなく機能和声です。
[2.Remixes] DJ スクラッチ・バスティッドによるリミックスです。皿回し,打楽器(ドラムsynth.?)&電子処理で一気にラップ&ポップなDJ.Quintetに化けます。
[3.Composer Responses] 作曲者がそれを受け、弦楽のadditional対応して完成度を上げます。ここでDJとAfiara Quartetの実演DJ.Quintetになりますね。

1) Two Pop Songs on Antique Poems [Dinuk Wijeratne]
 ディヌク・ウィジェラトネは指揮者・ピアニストとしても活躍するスリランカ生まれの現代音楽家です。
S.Q.はメランコリックでちょっとマリピエロを思わせるような処もあり、特に一曲目は楽しいです。アフィアラ弦楽四重奏団の演奏も悪くありません。初めて聴くとRemixの変化が大きく、Responseは単に延長上に感じます。

2) Transcendence [Laura Silberberg]
 トロント大で作曲の博士号(Ph.D.)を取得した女性現代音楽家ローラ・シルバーベルグの作品です。
S.Q.はロマン派風な情感ある楽曲で一曲目は美しい弦楽四重奏曲です。Remixは二曲目のコーダに被せる様に入って繋がり感があります。これが基本の様です。Responseは弦楽とのバランスが良くなりますね。スクラッチも効果的です。

3) Infinite Streams II [Rob Teehan (1983 - )]
 ロブ・ティーハンはカナダJuno Awardsに最年少27歳でノミネートされ、Composer for Film and Televisionと評価される現代音楽家ですね。
ピチカート主体の一曲目、美しい緩徐的二曲目、ポップな三曲目、民族音楽和声も交え特徴が出ています。Remixは三曲目のメロディラインを生かしたスクラッチの効いたポップ系で面白く、Responseでティーハンが弦楽に力感を加えて更にワンアップしています。

4) String Quartet No.3 [Kevin Lau (1982 - )]
 ピアニストとしても活躍する中国系カナダ人現代音楽家ケヴィン・ラウによる作品です。
このS.Q.は切れ味があり、一部調性感の薄さや奏法の色付けで現代音楽らしさも見せます。これは生のS.Q.で聴いてみたいですね。Remixは原曲の複雑さを生かしきれていませんが、Responseでラウが弦楽主導の刺激的な味付けに作り上げます。

個人的には 1),2)はありきたりなS.Q.、面白いのは 3),4)です。

3ステージ構成はわかりましたが、DJ起用は今更ですし 似たような四曲を並べる理由も不明です。
でも そこに新しい視線が隠れているのかもしれません。
いずれ 現代の先端音楽の一つをリアルタイムで楽しめるのは嬉しいですね。
試にYouTubeでちょっとだけ覗いてみる?

ちなみに明後日 5/23にトロントのRoyal Conservatory of MusicでSpin Cycle初演予定です。

実はこれには4th stageが控えています。来年2016年3月、Kevin Lauの楽曲をトロント響と声楽5人がDJ & Afiara Quartetと共演します。このプロジェクトがどこへ向かっているのか興味深いですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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