Bang On A Can All-Stars の Big Beautiful Dark and Scary を聴く

Bang on a Can の話が出たところで、そのバンドである Bang on a Can All Stars です。BOACから1992年に生まれた今の時代の現代音楽の演奏ユニットで、前衛クラシックのみならず、ジャズ・ポップ・ロック・実験音楽・等々ジャンルレスのsextetです。
編成はvc, b, pf, perc, g, cl の6楽器で もちろんBOAC設立の3人、Michael Gordon(マイケル・ゴードン)、 David Lang(デイヴィッド・ラング)、Julia Wolfe(ジュリア・ウルフ)、の楽曲も演奏しています。

2CDを作曲者ベースで紹介します。

01. Julia Wolfe - Big Beautiful Dark and Scary
 まずはBOAC創設者3人が並びます。ウルフによる表題曲は弦楽トレモロがリードするハイテンポな定リズム曲ですね。ポストミニマルでクロノスあたりが得意としそうな楽曲です。もちろん楽器編成は異なりますが。

02. David Lang - Sunray
 雨音の様な弦のピッチカートと単音の組合せで終始するラングらしい明瞭感のある楽曲です。時折ボウイングによる強音パートが現れるのも特徴的。

03. Michael Gordon - For Madeline
 pfの高速ミニマルを底流にドローン系の音を組み合わせてあり、ほとんどがそのリズムで展開されるゴードンの曲です。最後にpfが強音の旋律になって現れて展開を見せてくれます。
試しにYouTubeで観てみる?

04. Evan Ziporyn - Shadowbang
 エヴァン・ジポリン(1959/12/14 - )はクラリネッティストでオリジナルBOACマラソンメンバーでもあり、All-Stars創設メンバーですね。Shadowbangは同名アルバムから三曲のpicupで、[I.Angkat]はミニマルで入り、ジャズのフュージョン系と言った楽風に変化します。後半はフュージョンそのものといってもいい感じです。[II.Ocean]は一転してラング的な音の並びに静的で音数の少ないミニマル系、続く[III.Meditasi, Head]でやや厚めの音になりながら、最後はロック風に大きく変化していますね。ジポリンらしい幅広い楽風の曲で、ミニマルの音色と緩いリズムの中にバリ/ガムランの傾倒も感じられます。ちなみにジェラール・グリゼー(Gérard Grisey)にも師事していますね。

05. David Longstreth - Instructional Video, Matt Damon, Breakfast at J&M
 Dirty ProjectorsのギタリストDavid Longstrethによる小曲3曲です。ポップミニマルでとてもわかり易い[Instructional Video]、ベースとチェロのスローなボウイングが響く中にピアノ、打楽器が入ってアンサンブルになる面白い楽曲[Matt Damon]、一二曲の中間とでもいう楽風の[Breakfast at J&M]です。
試しにYouTubeで観てみる?

06. Conlon Nancarrow - Four Player Piano Studies(arranged by Ziporyn)
 このブログでもおなじみのコンロン・ナンカロウ(Conlon Nancarrow、1912/10/27 - 1997/8/10) のプレイヤーズピアノ曲Study 2a, 3a, 3c, 11, の四曲を前記ジポリンが編曲した楽曲です。
全てジャジーなピアノ曲なのをsextet版にした訳ですから驚きですが、これもあり的な楽曲になっています。
Study 2aはデキシー、Study 3aはブギウギ、Study 3cは変則4ビート、そしてStudy 11は8ビートのフリージャズ、です。下記YouTubeでオリジナルと聴き比べてもらえば、これがBOACの楽しさの一つと思えるのではないかと… 
試しにYouTubeで観てみる?
ちなみに強烈なブギウギplayer pianoのNancarrowオリジナルStudy 3aもどうぞ!


07. Louis Andriessen - Life - Part I~IV
 ルイ・アンドリーセン(1939/6/6 - )はオランダ人現代音楽家で、セリエルから始まりジャズやミニマル等の激しい変移を見せますね。ライフは4パートからなりますね。
[Part I: Wind] はポストミニマルの前衛で、ジャズとクラシックの中間的立ち位置。[Part II: Couple] は、音数の少ない不協和音単音点描的なミニマル。[Part III: In the distance] は、打楽器ノイズ系ミニマル? そして[Part IV: Light] は、静的な中にギターが際立つフリーインプロビゼーション的で徐々にクレシェンド、と顔つきが異なる4つのポストミニマルが並ぶ楽曲です。

08. Kate Moore - Ridgeway
 オランダ在住のオーストラリア人現代音楽家のケイト・ムーア(1979 - )は、上記Wolfe, Lang, Gordon, Andriessen, に師事しています。まさにBOAC向き!?音楽家ですね。
強烈な反復からミニマルへ、そして美しい旋律とクラスターの混在。ポップベースの前衛ミニマルで、BOACの魅力全開。興味深いケート・ムーアですね。

米現代音楽を聴く時に欠かせない前衛系ポストミニマルの世界を見るなら必須のBOAC all-starsですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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2.マーラー交響曲第5番 150CD
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