フランク・ザッパ Zappa の現代音楽、「Prophetic Attitude」「The yellow shark」を聴く

フランク・ザッパ(Frank Vincent Zappa, 1940/12/21 - 1993/12/4) 、は現代音楽家と言うよりも政治色の強いロックギタリストのイメージですねぇ。ジャズ化を経て1980年代中盤から電子楽器シンクラヴィア(Synclavier)を携えて現代音楽にも手を染めるわけですが。
個人的には、中高生時代にクリームやM.ブルームフィールドをコピっている頃にいた興味の薄いアメリカのプログレ・ロック?くらいのイメージしかありませんでしたね。

■ Prophetic Attitude
このアルバムで言えばマニエリスムでもなく、単に16曲からなる機能和声のウィンド・アンサンブルですね。ましてや前衛でも表現主義でもありません。
初めはちょっと聴いて 放っておいたのですが、再度聴くとバロックから後期ロマン派、はたまた民族音楽までの和声を展開していますね。フーガなどもきっちりと約束事を守っているようです。そう思うと一つのアルバムでこのバリエーション、かつメロディラインを持った楽曲で並ぶのは面白さが感じられます。それは全曲通して小気味良く小洒落たリズムと旋律で統一され、激情的・感傷的な展開がないからかもしれませんね。
まぁ単純にルネッサンス的クラシックの室内管楽曲なのかもしれませんが。

ちなみに英文のライナーノーツにはマイルスやジミヘンなどの音楽家の話、揚句にはダリまでが出てきますが、比較対象の相手が大き過ぎですね。ザッパの音楽遍歴から考えているのでしょうが、無理がある様に感じてしまいます…??

演奏は Le concert impromptu になります。Zappaの没後にJean-Michel Bossiniが Wind Quintet 用にして指揮しています。

誰か遊びに来た時などに地味にかけておくと瀟洒な気配で良いかもしれません。そんな感じです。
やっぱりアンサンブル・モデルンとの共演やイエロー・シャークを先に出すべきだったかなw




■ The Yellow Shark
と言う事で、現代音楽でのZappaの代表作にして遺作ライヴ録音(1992年9月)になります。
"Intro"は空間音響系で、残響音の中に管弦楽の緩急の流れが現れます。残響音の主役は様々な打楽器群であり、それに管弦楽が共鳴する感じです。この"Intro"だけザッパが指揮して、後をランドールに引き継ぎます。
19曲のバリエーションは広く、調性感の強い上記「Prophetic Attitude」的な楽曲から前衛までで構成されます。実際"Uncle Meat"両者に収録されていますね。
"Time Beach II" は小刻みな管楽器アンサンブルによる音の並びがリズム感よく出て来て面白いですね。調性は有りませんが、旋律は存在するので楽しさがあります。
"III Revised" は一転して弦楽によるシャープな楽曲です。切れ味鋭いという感じですが、長音の組合せであり即興的ではありません。アタッカで続く"The Girl in the magnesium dress" ではピアノ・ギター・打楽器群になり、各楽器の小刻みな音で構成されますが旋律的な並びはありません。
"Food Gathering In Post-Industrial America, 1992" は再びZappa登場です。ここでは朗読とサイレンが入り、様々な道具によるミュージック・コンクレートと特殊技法を交えて雑音の組合せが展開されます。これが一番奇抜でしょうか。コンクレートはオモチャのピストルとか他の曲でも色々出て来ます。声楽+おしゃべり有りのお遊び曲としては"Welcome To The United States"もありますね。また "G-Spot Tornado"ではコミカルダンスと民族音楽系の組合せもあります。その他 無調のピアノ曲もあり、いろいろやってる感じです。
前衛系音楽としては、音列配置でも即興性でもないので聴いていて辛い感じはありません。ただ、現代音楽の基本である作曲理論や技法については不明で これと言った新たな方向性が見えるかと言うとそう言った事では有りませんね。
採譜係も居たほどの譜面にこだわったザッパとしてはやや不思議に思えます。

Peter Rundel 指揮、Ensemble Modern とバリバリの独前衛環境で演奏・録音されています!

試しにYouTubeで見てみる?
同ライヴのフル版として見る事が出来ちゃいます!! 必見w




現有の二枚ですが、これだけで事足りる訳では無いのかもしれませんが当面はいいでしょう。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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