不運の北欧現代音楽家 Arvid Klevenアルヴィド・クレーヴェン の Lotusland・他 を聴く

30歳で夭逝した不運な北欧現代音楽家クレーヴェン(Arvid Kleven 1899/11/29 - 1929/11/23)は、ノルウェーのフルート奏者・作曲家ですね。Philharmonic Society(現オスロ・フィル)のフルート奏者だった時にパリとベルリンに作曲の勉強に訪れています。その楽曲は当時のノルウェーでは受け入れられていない表現主義音楽でセンセーションを、Skogens søvnでは特に、起こしましたね。1920年代、クレーヴェンの死まで、その音楽はノルウェーらしからぬ現代音楽として酷評され黙殺されました。

楽曲順が作曲年代順になっていないのは、アルヴィド・クレーヴェンの批判に晒された作曲家人生と合わせて考えると残念です。いずれも一楽章形式です。

1. 交響的幻想曲 Symfonisk fantasi (Symphonic Fantasy), Op. 15 (1926年):1926年2月15日にPhilharmonic societyで初演されました。フランス印象主義がベースで調性の薄い陰鬱でスローな表情を見せます。そしてその中に衝撃的な音塊が突現します。今の時代に聴けば調性感も残されてコントラストのある面白い楽曲なのですが。コンサートでは良さそうな感じです。
 
2. 眠れる森 Skogens søvn (The Sleeping Forest), Op. 9 (1923年):Philharmonic societyによる初演後に惨憺たる悪評を受けた楽曲です。入りはLotus Landに似た印象主義的な美しい流れですが、半ばから展開は音量が上がり僅かに不安定さが増します。全体としては美しい旋律をもった印象的な楽曲ですね。
適度な不協和音は、今の時代なら何の不釣り合いさも感じさせません。ストラヴィンスキーの春の祭典が、その10年前1913年ですから、これが拒絶される時代の北欧であったと言う事なのでしょう。
「ロータスランドから一変してたアヴァンギャルドさはドイツ表現主義に変化している結果」と評される事があったそうですが、全くそんな感じはありません。

3. 蓮の国 Lotusland, Op. 5 (1921–22年):ドビュッシーの影響を受けていると言われ、フランス印象主義的です。当時のノルウェーでは大きなインパクトを与えたそうですが、今聴けば北欧を感じさせる美しさの楽曲ではないかとさえ感じてしまいます。フルートの調べがドビュッシーらしさを演奏しますが、それは本人がフルート奏者であったからかもしれませんね。いずれ機能和声内の楽曲です。

4. シンフォニア・リベラ Sinfonia Libera in due parte, Op. 16 (1927年):最後の管弦楽曲で、渡独時に書かれたものです。当時のドイツではシェーンベルクが教鞭をとり、ベルクがヴォツェックWozzeckで名声を築いていた時代です。この曲では入りから曲調はドイツ音楽的重厚さです。後期ロマン派と現代音楽の折衷的な様相の楽曲になりますね。それまでの楽曲と比べて印象主義的様相から決別しているのは明白ですが、まだ調性感は強く旋律は存在しています。北欧的では有りませんが、拒絶されるほどの違和感があるとは思えません。ただ約20分の中に変化に乏しい感じはしますね。

現代音楽は作曲家の年代を追って聴くと面白さが増して楽しめますね。このアルバムも3→2→1→4 の順で聴く方が楽しめると思います。

指揮は現代音楽ではお馴染みのスザンナ・マルッキSusanna Mälkki、スタヴァンゲル交響楽団Stavanger SOの演奏になります。
 
1950年代以降、北欧で現代音楽が取り入れられる中、再評価されたのは嬉しい事ですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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