クラウス・ヒュープラー Klaus Karl Hübler の 5 Stücke für Maria を聴く

ダルムシュタットでもお馴染みのドイツ人現代音楽家 クラウス・ヒュプラー(Klaus Karl Hübler, 1956年 - ) はブライアン・ファーニホウに師事していますね。ポスト・ファーニホウの一人とも言われています。
と言う事は、新しい複雑性の現代音楽家であり、音の強弱や音色と言ったパラメーターの細分化で演奏者はその譜読みが極端に難しくなるのが特徴です。本人自らも"隠れた作曲のヴィルトゥオーソ a hidden compositional virtuosity" と言っていますね。
vnソロ曲でさえ四段となる事も有る様です。新しい複雑性は楽曲自体が超々絶技巧と言う訳ではなく、基本は譜面表現ですね。ファーニホウの攻撃性とは裏腹な、静的・少音の曲風である事がヒュプラーです。
ジャケットも"新しい複雑性"ですねw
クラウス ヒュプラー CD

病魔に冒されて1991-1995年は活動を休止したり、あまりの困難性に 日本でもお馴染みのシルヴァン・カンブルランが指揮を放棄したりと、話題は豊富ですね。

今更の紹介にはなりますが、現在楽曲入手が難しい音楽家の一人かもしれません。
本アルバムは題名の通り 2000年に癌で亡くなった妻Maria Hüblerに捧げられています。

Sonate für Violine (1978)
 バッハの無伴奏ヴァイオリン, パルティータのシャコンヌにインスパイアされて作られた6曲構成の楽曲です。David Alberman(vn)のソロで、52分(CD1枚)に及ぶ長い曲です。細かい反復を基本とした1.Preludio、先鋭的ながら調性感(Bach感?)の強い2.Fuga、ロングボウ中心で幽玄な3.Recitativo、フーガ的な音階変化と反復の4.La partenza、刺激的な即興性の小曲5.Il dolore、長い反復を挟みながら静冷で細く切れ上がるvnが美しい6. Fantasia。特にラストは秀逸です!
ヴィルトゥオーソ系のヴァイオリニストのコンサートは面白そうですね。機会があれば是非行ってみたい楽曲です。
Desunt / Pantagruelisch (für Alt, Violoncello und Klavier) (1999)
 声楽とチェロ、ピアノによる楽曲です。フランソワ・ラブレーの書いた『ガルガンチュワとパンタグリュエル』の話が出来ます。曲は静的で音数が少なく、声楽部も違和感が有りませんね。
□ Chansons sans paroles (für Klarinette in B, Violoncello und Klavier) (1978)
 クラリネットが主役のチェロとピアノ曲です。極端に音数は少なく静的、空間系でもありヴァンデルヴァイザーの気配も漂います。
試しにYouTubeで聴いてみる?

Hörsermon / Klitterung (für Sprecher, Violoncello und Klavier) (1998-99)
 声楽があって、再びラブレーRabelaisとフィッシャートFischartの話が出て来ます。話に近いシュプレッヒゲサングがメインでチェロとピアノが付きます。シェーンベルクの"月に憑かれた…"の様な狂気はありませんが、ヒュープラーらしい静的展開に潜む狂気を感じますね。
□ Lamento, Scherzo ed Arioso (für Viola) (1978)
 ヴィオラのソロ曲です。静的で細かい音の響きのLamento、ピチカートで跳ねる様なScherzo、スローで幽玄なArioso。ヒュプラーらしさが楽しめます。vaってチェロに近い音も出せて本当に良い楽器ですよね。

好きなアルバムの一枚です。おすすめ。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA


ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

 kokotonPAPAのブログ  ホームページtop  メールtop



1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 150CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

カテゴリ
個人的お奨め度*
★   こんなもん?
★★  悪くないね
★★★ 最高です!
☆   +0.5
お友達ブログ
kokotonPAPAカウンター
unique-access