サルヴァトーレ・シャリーノ の Complete Piano Works をダメリーニで聴く

イタリア現代音楽のビッグネームの一人 シチリア出身のサルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino, 1947/4/4 - )、2005年以来の2011年来日中止は残念でしたね。
楽風は静音からの音の出現に、特殊奏法、反復とパルス、そして引用といった技法を展開するのが特徴的ですね。MUSIC Vを用いた電子音楽も手がけていますが基本的には生楽器で、pfでは高速アルペジオや疑似アルペジオも特徴的です。

これは現代音楽の難解ピアノ曲を弾く事で有名なマッシミリアーノ・ダメリーニMassimiliano Damerini(pf)によるピアノソナタをメインとしたアルバムです。
ポリーニと問題を起こしたV番は入っていませんがw

Piano Sonata I(1976年), II(1983年), III(1987年), IV(1992年)
 シャリーノの特徴と変化が一番出ているのがソナタシリーズですね。
I番はショパンのノクターン#2とラヴェルの夜のガスパールからの引用の繰り返しなのですが、グリッサンドや高速アルペジオに終始します。知らなければ引用とは思わないかもしれません。高音から低音へ、縦横無尽に鍵盤の上を疾走する音楽です。ラストは再び無音からの連音の出現になります。
II番では夜のガスパールで覆い尽くしますが、基本的にはI番と同じく静音(無音)からの音の出現です。よりインパクトが強くパルスになりますね。ここでも知らなければ夜のガスパールからの引用だと気が付く人は限られるでしょうね。パルス&高速アルペジオな展開です。後半ではトーンクラスターが交わりますね。
III番も高速アルペジオなのですがポリフォニー的な音の展開です。高速点描即興暴力的wな楽曲です。前衛ピアノのイメージに合う演奏? 山下洋輔的ピアノと言ったら失笑を買うでしょうか…とにかく強烈です!
IV番は定拍のトーンクラスターの強烈な音から入ります。III番からの繋がりを感じながらも独特の定拍・拍子と和音に聴こえる疑似アルペジオの強打音が支配する新しい展開です。弱音パート ゼロのハードセッションで、ある種 陶酔域の世界ですね。
III・IV番を続けて演奏したら、次は調律が絶対必要でしょうね。(笑)
試しにYouTubeでSonata IIIを見てみる?

Perduto in una città d'Acque(1991年) は静音で超スローなアルペジオの展開が中盤まで続き、中盤以降はそこに短い高速アルペジオが少し混じります。基本超スロー、この曲だけですね。ピアノソナタとこの曲が約10分の楽曲です。

Anamorfosi(1980年) は美しいメロディラインをもつ曲です。時折不協和音が混じりますが、ドビュッシーやラヴェルを思わせる楽曲で、この曲だけが調性を感じます。

Prelude(1969年) を含めて、その他は5分に満たない小曲が並びます。プレリュードはデビュー当時の楽曲で、本来は不確定性の楽曲ですが録音で聴く限り不確定パートがわかるはずも有りません。Sonata I番の様に高速アルペジオだけに徹底してはいません。それに揺らぎを加えた様な音の渦です。
他4曲はソナタの年代に添った様な音楽になりますね。

特にピアノソナタはヴィルトゥオーソ前衛系のピアノ曲の一つの方向である事は間違いなく、徹底性が楽しいですね。
もちろん弦楽四重奏やオーケストラも楽しいので、そのうちまた。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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