グレン・グールド Gould のシェーンベルクSchoenbergピアノ作品集をマウリツィオ・ポリーニPolliniと聴き比べ

久々に聴く現代音楽の古典、アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schönberg, 1874/9/13 - 1951/7/13)のピアノ曲の全曲ですね。無調〜十二音技法では、個人的にはヴェーベルンのピアノ曲と比べて表情が有り聴き易いな、っていつも思っています。
今回はグレン・グールド(Glenn Gould)のpfで聴いて、最後にマウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini)と比べてみます。

□ 3つのピアノ曲 Op.11 (1909年)
調性感は残りつつも、後期ロマン派から新しい無調への音楽感を覗かせている静的な楽曲です。柔らかなピアノタッチが陰鬱で美しい旋律を聴かせています。普通に聴ける最後期の作品かもしれません。
□ 5つのピアノ曲 Op.23 (1920-1923年)
無調から12音技法への進化途中の作品と言われていますね。当然の音列配置で点描的です。シェーベルクはもっと無表情に弾くのではないかと勝手に想像するわけですが、ここでは美しさを感じる様なグールドのピアノが光りますね。
□ 6つのピアノ小品 Op.19 (1911年)
年代が前後しますが、この曲で完全に無調になったと言われるピアノ曲です。しかし現在の現代音楽に比べると調性は無い物の美しさは残っていて、それが調性感を生んでいる様です。十二音技法の様な縛りが無いからかもしれませんが。
□ ピアノ組曲 Op.25 (1921-1923年)
この中の I. Prelude が十二音技法で書かれた初めての作品と言われています。ヴェーベルンに比べると単調さは少なく聴き易いですが、全曲通して束縛感があり息苦しいさは拭えません。十二音技法〜セリエリズムが早々に幕引きとなったのがわかる気がします。
□ 2つのピアノ曲 Op.33a&b (1928 & 1931年)
美しさとリズム感の2曲です。心地良さを感じる様なグールドのピアノが味わえますね。今の時代に聴くと調性では無いと言っても旋律感は残されていて、楽曲として楽しめるのは事実です。

グールドのCDは再発を繰り返しているわけですが、また本年5月に出ますね。



以前レビューした もう一つの有名録音であるポリーニ盤ですが、こちらはよりディナーミクとアゴーギクを強く取ってダイナミック&ハードに演奏します。ロマンチックなタッチのグールドと、激情的なタッチのポリーニ。エモーショナルなグールドと、ヴィルトゥオーソなポリーニ。
柔のグールドか、はたまた剛のポリーニか?
明確に違うこの二つの録音を聴けば、とりあえずシェーンベルクのピアノ曲はOKではないでしょうか。個人的にはポリーニはやや疲れて飽きが来る感じがしますね。コンサートには向いています。



超絶技巧系のピアノが好きで、現代音楽ファンならポリーニじゃないのか?! って思うでしょ。そんなに単純じゃないですよね、好みって。
ちなみにグレン・グールドはこれ以外にはまず聴かないんですけどねw

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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はじめまして

どうも。初めてコメントします。
仰るとおり、シェーンベルクのピアノ曲は、順を追って聴くと、時代の流れを聴くようで面白いですね。

私は、ポリーニのクリスタルのようなタッチで聴いて初めて、難解な作品25の組曲を楽しむことができました。
そして、こちらの記事を拝読し、グールドがシェーンベルクにおいては柔派であると知って、目から鱗が落ちました。
なにぶん私は、モーツァルトのソナタでの彼の解釈にアレルギー反応を起こして以来、グールドの音楽を食わず嫌いしてきたので。
今度、シェーンベルクでのグールドを、聴いてみたいと思いました。

シェーンベルクに関しては、内田光子の演奏もポリーニに比肩する重要性を持っていると思います(録音しているのは作品11と19だけですが)。
内田さんはシェーンベルクの音楽から、誰よりも明確に、ロマン派の叙情性を引き出すのに成功しているからです。
併録のヴェーベルンの変奏曲でさえ、彼女の手にかかるとロマンティックな響きがして、面白いと思いました。

こんにちは

Lake-Lokiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
現代音楽の場合、聴いてその音楽を純粋に心地良く楽しむのは難しいかと思います。
その変遷や考え方、技法と言った指向性を味わうのも一つかと。
そう言った意味では年代を追って聴くと良くわかって楽しいですね。

内田光子さんのアルバムでは、なんと言ってもOp.42の協奏曲が出色の出来かと思います。ブーレーズ/クリーブランド管と繰り広げられる鬩ぎ合いはスリス満点ですね。
ただ、Op.11, 19 他を含め機能和声からの脱却時代の楽曲ですので、どの様な演奏が"好き"かは個人の判断が大きいのではと思います。特にこの様な楽曲では。

いろいろな演奏者で聴き比べると、楽しさはいっそう増しますね。
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