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モートン・フェルドマン(Morton Feldman)の代表作「コプトの光」聴き比べ | M.T.トーマス、M.ギーレン、P.ルンデル


モートン・フェルドマン
(Morton Feldman、1926/1/12 - 1987/9/3)
東海岸の米前衛音楽を代表する「ニューヨーク楽派」一人で、J.ケージに触発されてセリエルでも機能和声でもない前衛実験音楽を作った音楽家ですね。
図形スコアや、6時間を超える様な静的無表情な流れの印象でしょうか。演奏者による図形スコア読譜の自由度の大きさからケージに続く"偶然性・不確定性"の前衛として欧ダルムシュタットでも好評を博しています。その後は表現主義的楽風を経て、静的長大化がフェルドマンの印象を深くしていますね。後年にはそこからも離れて短く細かい作風を迎えます。

自らスタイル変化を続けたと言う意味からも前衛現代音楽家だったのかもしれませんね。


コプトの光
(Coptic Light, 1986年)
晩年の代表作で、長大さからは脱却して細かい音の構成になっています。
コプトとは絨緞のコプト織り物の事で、ここでは細かい音で構成された音の織物がモチーフとなり反復で構成されます。もちろんフェルドマンですから変化は小さく抑揚はより小さく、流れるがごとく最後まで続きます。例によってラストはやや展開が変化していますね。テンポが少し乱れる様に不規則に収束します。





マイケル・ティルソン・トーマス M.T. Thomas
  (ニュー・ワールド交響楽団, 1995年)
米現代音楽も得意とするM.T.T.による世界初録音になります。元々はニューヨークフィルの為に書かれたそうですが、ここではM.T.T.が創設した若手のオケによる演奏ですね。



優しい旋律の反復が微妙な変化で流れる様に続きます。抑揚を抑えてクールな音色で、淡々と織りなされて行きます。スコアの微妙な変化だけが表情付けです。テンポは他2CDよりスロー、その浮遊感がたまりませんね。一貫して変化を押さえているのはフェルドマンの意図の反映でしょう。まるで呼吸している様です。




ミヒャエル・ギーレン Michael Gielen
  (南西ドイツ放送響, 1997年)
本年3月に亡くなったギーレン。現代音楽擁護者としても知られていて、米現代音楽も振っています。ちなみに本CDはブルックナー8とのカップリングで、ギーレンお馴染みの調性音楽と現代音楽の組合せですね。



少し速く、僅かにアゴーギクを振っていますね。そして単純な流れの中に、キラキラとした音色を感じます。浮遊感と言うよりも深遠。ラストは緊迫感があります。ギーレンらしい煌めきと幽玄さが感じられる流れになっていますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?




ペーター・ルンデル Peter Rundel
  (バイエルン放送響, 2002年)
アンサンブル・モデルンの指揮者としても活躍した通り、現代音楽を得意とするピーター・ランデル(とも読まれます)が Musica Viva Festival でバイエルン放送響(BRSO)を振ったコプトです。



フラットで織が少ない様なシンプルさを感じます。少し抑揚は付けていますね。8分辺りから表情を変化させ、微妙な間の取り方も変えながら空間音響的に展開させています。残り9分くらいからは、より揺らぐ感じです。もちろん冷たい静的さは変わりません。




フェルドマンらしさを感じる瞑想的なM.T.T、自らのカラーを魅き立たせた幽玄なギーレン、欧州前衛色を与えた空間音響的なP.ランデル、と言った風です。個人的オススメはルンデルの空間音響でしょうか。

上質なBGM、そんな具合で聴いても良いですね。




♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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非公開コメント

最近、聴きました!

どうもご無沙汰しています。お元気でしょうか。

最近、ティルソン・トーマス指揮ニューワールド・シンフォニー演奏の方のCDを聴きました。いやあ、これは素晴らしい曲ですね。神秘的な雰囲気と、フェルドマンにしては劇的進行を感じるところが良かったです!

お久しぶりです

こちらこそご無沙汰しております。
おっしゃる通り、神秘的で終わるだけでなく展開感もあって
素晴らしい曲だと思います。
M.T.T.は出たばかりのベルリオーズ「ロミオとジュリエット」
があるのでこれも早々にインプレしようと思っています。
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