マリピエロMalipiero の Complete String Quartet を聴く

以前も紹介しているイタリアの現代音楽家 ジャン・フランチェスコ・マリピエーロ(Gian Francesco Malipiero, 1882/3/18/ - 1973/8/1) は、マデルナやダラピッコラが師事してますが前衛的な方向性は強くありません。
イタリア的な旋律を残した機能和声、ドビュッシーの影響から独自の和声、そして無調へと変化しますが、聴き易いと思います。

その中でも、この弦楽四重奏曲は個人的にもお薦めです。上記の楽風変化が如実に聴いてわかるのも楽しみです。

□ String Quartet No.1 (1920) は機能和声の楽曲でモンテヴェルディとヴィヴァルディ校訂者のイメージの楽曲です。情熱と悲しみ、美しさと冷たさを持ち合わせたイタリア的な美しい楽曲で、個人的お気に入りの一曲になります。
この曲の演奏は以前紹介したブルネロの方が良いと思いますね。
□ String Quartet No.2 (1923) は一番の延長線にある様な主題と流れです。僅かですが機能和声からの広がりを感じますね。
□ String Quartet No.3 (1931) は調性の広がりを目指し始めている事を感じられます。No.1-2に並ぶ曲風ながら僅かですが新たな和声を展開しています。
□ String Quartet No.4 (1934) からは更に和声の変更が感じられて来ます。主題はマリピエロのもつ美しさですが、展開にはドビュッシーの影響を感じさせる独特の和声展開が見られます。背反的とも感じられる二つの顔が見られますね。
□ String Quartet No.5 (1950) 前作から16年、和声の展開は一つに融け合う様に落ち着きを見せています。そして その中には機能和声からの脱却も見えてきますね。
□ String Quartet No.6 (1947) 入りからいきなり調性感の薄い展開になり、処々でその感が強まっています。年代から行けばNo.5よりも早くの完成なのですが、調性からの脱却感はこちらの方が明らかに高いです。前停止を挟んで曲調を変化させるのも特徴的です。
□ String Quartet No.7 (1950) ここでは年代通りにNo.5に回帰する展開なのですが、楽曲全体がやや混沌として来ている感じがします。調性感の薄いパートはその感が明瞭です。
□ String Quartet No.8 (1963/64) 前作から14年後、完全に無調化された弦楽四重奏曲になります。とは言え十二音技法でもセリエルでもないので、旋律を残しながら調性の自由度を最大限広げた楽曲になります。それまでにあった明確な主題は存在しませんが、美しい流れはそのままです。

演奏は Orpheus String Quartet 。イタリア的でありながら 全曲通して透明感ある冷たさと、エモーショナルなメランコリックさがすばらしく、kokotonPAPAお奨めの弦楽四重奏曲集です!
特に弦楽四重奏第一番は名曲と呼んでいいと思いますね。^^v
試しにYouTubeで聴いてみる?




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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