エディソン・デニソフ の Works for chamber orchestra を聴く

旧ソ連出身で、後年亡命した 現代音楽家 エディソーン・ヴァシーリイェヴィチ・デニーソフ(Edison Vasilievich Denisov, 1929/4/6 - 1996/11/24) は、ソ連時代にヴーレーズ, シュトックハウゼン, を研究し反体制派と目されました。その作品はダルムシュタットにも紹介されていますね。
このCDでは1980年代の作品が集められて 時代背景から言えば前衛の衰退以降ですが、打撃的な強音やエレクトリック処理はありません。前衛というよりもセリエルの延長系多様性で、音の組合せから旋律は存在していますので安心して楽しめます。

1. Concerto For Two Violas, Harpsichord And String Orchestra(1984) は、表題通り室内楽になります。
本人曰く"The music of this piece is slow and gentle, melodic in conception and free in development" と紹介していますので、この文にある通りの楽曲です。ただ、slow and gentle かと言えば、そう単純ではありません。ヴィオラ二基は激しいバトルを繰り広げますし、時にスローというよりも飛翔といった感じもします。それは一部グリッサンドの弦楽器の絡みがワルキューレを思わせるからかもしれません。
キーはDと言っていますが、調性感は薄い楽曲です。全体的に不安感、幽玄、流麗なこの曲が一番良いですね。

2. Chamber Music For Viola, Harpsichord And Strings(1982) は、独特の和声でC-minorを基調に転調を繰り返します。本人は dodecaphonically (十二音技法的) と紹介していますね。流れは上記と同じく、緩やかさをベースに時に強音パートが現れます。打音的な展開はありません。

3. Variations On The Theme Of Bach's Chorale 'Es Ist Genug' (1986) はお馴染みのチェリスト:バシュメット(Yuri Bashmet) の依頼で書かれたピアノとヴィオラ曲を、室内楽に改編したヴァージョンです。ベルクのヴァイオリン協奏曲にも引用されたバッハのコラールがベースになっていますが、不協和音が挟まれて不安定さが強調されています。中半は調性感は薄く、その主題は消えて転調を繰り返している様ですね。後半で再び変調されたバッハの主題が戻ります。高揚感の無い新バロックとでもいうべき楽曲です。

4. Epitaph For Chamber Orchestra(1983) は一転して、管楽器と打楽器の対比になります。無調の管楽器群が陰的音階を絡みながら演奏し、ピアノと打楽器がインパクト的に交わります。1960-70年代に逆行したかの様な展開で、逆に古さを感じますね。



1. 2. 3 曲目のヴィオラには今井信子さんが入っています。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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