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ピエール=ロラン・エマールで聴く「バルトーク:ピアノ協奏曲集」E.P.サロネン指揮 サンフランシスコ響


Bartók Piano Concertos
Pierre-Laurent Aimard: pf
(San Francisco Symphony, Esa-Pekka Salonen: cond.)
ベラ・バルトーク(Béla Bartók, 1881-1945)はピアノ協奏曲を三曲残しています。(厳密には第三番は最後が未完で補筆完成版)
今回は "仏のピアニスト/北欧の指揮者/米オケ" と言うグローバルセットで聴いてみましょう。

バルトークの知られる曲を年代で見ると、「青髭公の城」が1911年で「オケ・コン」が1943年、初期の民族音楽の時代と米亡命後晩年期の激しさの時代です。

一方ピアノ協奏曲は、第一・二番が1926年と1931年で中間期、第三番は1945年の最晩年期です。中間期の薄い調性から新古典主義への一・二番がどう表現されるかがポイントでしょうか。





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1. ピアノ協奏曲第一番 (1926)
バルトークが自らの為に書いた曲で、ピアニストとしてこの時期活躍が多かったそうです。緩徐楽章を挟んだ三楽章で自らのpfで初演を行いました。
第一楽章】 一瞬ストラヴィンスキーのバレエ曲を思わせます。pfは和音の連打が飛び跳ね強鍵的な演奏で、オケもそれに負けない強音パートで応えるパワプレーのアレグロです。構成は新古典主義的ですが、民族和声や一部不協和音が絡んで微妙な調性に感じます。
第二楽章】 ここでもpfは和音連打、一楽章をスロー静音にした様な流れで調性はいっそう不安定感を増して来ます。途中で暗鬱なスケルツォも現れ民族和声の舞踏になります。
第三楽章】 第一楽章回帰的です。打楽器を含めてよりアグレッシブになってpfは技巧性を増しています。主導機が変奏されて楽器間を行き来して、pfがそれに絡みます。かなり諄いですw


2. ピアノ協奏曲第二番 (1931)
バルトークに言わせると"聴きやすい協奏曲にした"とかw ここでも緩徐を挟んだ三楽章で、自ら初演をこなしています。
第一楽章】 相変わらずpfは和音連打で、オケは派手な鳴りで対峙します。オケはやや反復が増えたかもしれませんが、pfの高速アルペジオはかなり厄介そうです。派手で諄い鳴りですが調性が明確な動機・旋律が増えて新古典主義の色合いが濃くなっています。
第二楽章】 第一番と大きく変わりました。幽玄な弦楽奏から入りpfも落ち着いたアルペジオで応えます。打楽器もそこいるのですが控え目です。途中prestoになりpfが高速アルペジオで疾走しますが、ラストは主部の弦楽奏で静の幽玄さに。コントラストの付いた素晴らしい緩徐楽章になりました。
第三楽章】 第一楽章回帰的に暴れます。とにかく鳴らして怒涛です。調性感と新古典主義傾向は強まり、何処か米フィルムミュージック風でもあります。


3. ピアノ協奏曲第三番 (1945)
奥さん(Ditta Pásztory-Bartók)の為に米国で書かれた曲で、その録音も残されているそうです。ラスト17小節は補筆になります。基本構成は一・二番と同じですが…
第一楽章】 大きく変化して、クセのある強い連打音で飛びまくるパートが抑えられています。変わって調性感が強まり、心地良い動機(旋律?)の反復・変奏が登場です。新古典主義と言うよりも新ロマン主義の様相になりました。民族和声や調性の薄さはありません。
第二楽章】 いかにも緩徐楽章で、個性は消えて印象派に鞍替えしたシューマンの様な感じです。(僅かな不協和音をpfに残しつつ)
第三楽章】 ここでもpfは走りつつも明瞭な旋律で構成されます。個性は極薄まり、どこかバルトークっぽいかな?!、と言った感じになりました。



バルトークの音楽変遷がわかるピアノ協奏曲三つです。
聴き疲れのパワーと微妙な調性感第一番、より新古典主義に向いた第二番、調性回帰の新ロマン主義第三番、です。個人的には諄い一番が好きですが。

pfはとにかく叩きますから、エマールにはピッタリなのではないかと言う感じです。オケも華やかな鳴りで応えています。ただ全体的には程良くまとまった演奏の印象にはなりますが。
個人的にはブーレーズDG盤(3オケ, 3ピアニスト)をオススメでしょうか。



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