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マレク・ジャンダリ(Malek Jandali)の協奏曲集「CONCERTOS」モードと機能和声


CONCERTOS
マレク・ジャンダリ(Malek Jandali, b. 1972)
ORF Vienna Radio Symphony Orchestra, Marin Alsop: cond.
先日"シリア交響曲"をインプレしたシリア系米現代音楽家のジャンダリ
今回協奏曲二曲ですが、1.には "all women who thrive with courage (勇気を持って成長するすべての女性)"、2.には "in memory of all victims of injustice. (不当な扱いを受けたすべての犠牲者を追悼して)"、と もちろん"シリア人道支援活動家"としてのスタンスが盛り込まれます。

演奏はウィーン放送交響楽団、指揮は2019年から主席指揮者を務めるマリン・オルソップ。1.のヴァイオリンはレイチェル・バートン・パイン(Rachel Barton Pine)、2.のクラリネットはアンソニー・マクギル(Anthony McGill)です。

米の指揮者であるオルソップはジャンダリのシリア人道支援をサポートしているそうで、この録音もその一環だとか。
オルソップと言えばバーンスタインや小澤さんに師事し、数々のオケの主席指揮者を務めて来た女性指揮者の草分けでしょう。(今の時代に性別での記載は不自然かもしれませんが…)
特にボルティモア交響楽団の音楽監督(2007-2021, 現桂冠指揮者)に就任してその地位を確たるものとしましたね。





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1. ヴァイオリン協奏曲 (2014)
  I. Allegro moderato - II. Andante - III. Allegretto
派手なスクリーンミュージック風、そこにvnが中近東モードを利かせた旋律で入り込みます。その機能和声とモードのコントラストがジャンダリらしさで、違和感は無く幽玄さを感じさせます。
各楽章は古典的な配置になっていますが、楽章内での変化が大き目で対比には乏しいかもしれません。
第一楽章は17'強と他の楽章の倍の長さで後半のカデンツァが聴き処、技巧パートも含めてソロvnのパインは鋭いキレキレさと豊かな音色が素晴らしいです。


2. クラリネット協奏曲 (2021)
  I. Andante misterioso Più mosso - II. Nocturne: Andante - III. Allegro moderato
7年後の作品で楽章配置はやはり古典的ですが、全体印象は1.の強音"ドン・シャン的"な出し入れ表現がやや薄まり、表現力により深みが感じられる様になりました。
それはI.・II.のアンダンテが1.のそれよりも幽玄さとモードと機能和声のフィット&ミックスが進化したからだと思われます。(1.-IIはかなり機能和声寄りです)
ソロclのマクギルは低音域から高音まで使って表現力を魅せます。特にアンダンテのパートでその効果を出していますね。もちろんIII.後半のカデンツァは技巧的です。



今の時代のクラシック音楽ですね。所謂(いわゆる)前衛性は無く、米フィルムミュージックをベースにモードを配置した機能和声のコンチェルトです。
個人的には もし10年前に聴いていたらインプレを残す事にならなかった音楽かもしれません。時代の変遷を強く感じるこの頃です。

二つの楽曲7年の変化は、モードと機能和声の関係でしょう。1.ではコントラストで2.ではミスクチャーと言うやや異なる表現になって来ています。

演奏も素晴らしくオケもソロもジャンダリの音楽を理解している濃い表現力を感じます。米オケならともかくオーストリアのオケの演奏と言うのも今の時代の反映でしょうか。
いずれ一聴していただきたいですね。




1.の"A short documentary film"です


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