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ジモン・ガウデンツ(Simon Gaudenz)指揮/イェナ・フィル「マーラー 交響曲 第5番」の危険なアプローチ


COMPLETE SYMPHONIES
(Jenaer Philharmonie, Simon Gaudenz: cond.)
独イエナを拠点とするイェナ・フィルハーモニー管弦楽団とその音楽監督を務めるジモン・ガウデンツ(b. 1974)のマーラー5です。残念ながら両者知見がありません。

今回はマーラー5のみのインプレになりますが第4番とのカップリングで、両曲の前に現代音楽(A.L.Scartazzini)を前奏曲風に配置しています。実はそこに大問題を抱えている訳ですが。

またタイトルは "交響曲全集 Vol.1" (英: COMPLETE SYMPHONIES)とあってこれからマーラーチクルスを進める様です。







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1. 第一部
?…荘厳に鳴らすファンファーレから静スローに微細な揺さぶりの葬送、第一トリオは激しさは少し低めにスロー気味に、第二トリオも哀愁度は弱めです。
第二楽章第一主題は少し速めで力感を込め、第二主題は哀愁を強めにと一楽章トリオの再現化を避けた提示部です。展開部"烈-暗-明"コントラストは付けていますが、あまりに教科書的で逆に見晴らしはあまり良くありません。
保守的な第一部ですが聴き処(ポイント)を絞りづらい印象です。また何であれ冒頭の処理は話になりません。


2. 第二部
スケルツォ主題は優美な演舞曲風に少し鳴りを太めに、レントラー主題はテンポをキープしつつ軽妙洒脱さを強調します。約束通りですね。
第三主題主部の主役オブリガートhrは朗々と鳴らして弦楽と絡み、変奏パートもピチカートのテンポ変化を生かしています。短い展開部をアップテンポで締めくくるのもこれまた約束通り。コーダも含めて流れがほぼ予測通りにやって来る教科書の様なスケルツォ楽章になっています。


3. 第三部
第四楽章主部は静美でやや速めですがハープの音色が強いですね。強音パートは厚く、中間部は繊細さを、とクールと甘美の両者をみせるアダージェットです。
第五楽章第一主題は少しテンポを抑え気味に鳴りを良く、第二主題でテンポを戻し、コデッタ主題は優美さです。展開部は徐々に上げるのではなく強く入って落ち着かせて最後を締めるパターン、再現部山場からコーダはテンポと力感を徐々に上げて大きく鳴らし、フィニッシュはアッチェレランド利かせて走り抜けます。約束通り仕様ですねw



標準仕様のマーラー5で '吊るしのスーツ' みたいな印象かもしれません。誰でも安心で失敗なし、でも何処かにちょっとしたお洒落さや遊び心が欲しいと言った感じでしょうか。

ただとんでもない問題が一つあって、第一楽章冒頭に前曲のフェードアウトが残されて被っています。チャレンジャブルなタクトは歓迎ですが、あくまでこの曲の中でお願いしたいです。(第四-第五楽章アタッカのパロディだとしてもNGですね)




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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