エヴァン・ジポリン(Evan Ziporyn)の「Frog's Eye」米NY現代音楽
Frog's Eye
(Evan Ziporyn, b.1959)
(Evan Ziporyn, b.1959)
本ブログではお馴染みの米現代音楽家でバスクラ奏者のE.ジポリン。米現代音楽組織 "Bang On a Can" (以下BOAC)創立時から長く活動(1987-2012)を共にし、Bang On a Can All-Starsの共同創設者でもありました。
今回は2006リリースの古いアルバムですがジポリン初の管弦楽作品集で、当時はガムランとミニマルがバックグラウンドです。
1.はスティーヴ・ライヒの反復と、3.はジェルジ・リゲティのロングトーンとの関連を示唆していて、四曲トータルでは "an inadvertent symphony"(うっかりした偶然の交響曲) を構成するのだそうです。
演奏はボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト(Boston Modern Orchestra Project)、指揮は創設者のギル・ローズ(Gil Rose)です。
2, はアン・ハーレー(Anne Harley, sop)、4.はジポリンが得意のバスクラで参加しています。
今回は2006リリースの古いアルバムですがジポリン初の管弦楽作品集で、当時はガムランとミニマルがバックグラウンドです。
1.はスティーヴ・ライヒの反復と、3.はジェルジ・リゲティのロングトーンとの関連を示唆していて、四曲トータルでは "an inadvertent symphony"(うっかりした偶然の交響曲) を構成するのだそうです。
演奏はボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト(Boston Modern Orchestra Project)、指揮は創設者のギル・ローズ(Gil Rose)です。
2, はアン・ハーレー(Anne Harley, sop)、4.はジポリンが得意のバスクラで参加しています。
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■1. Frog's Eye, for orchestra (2002)
心地良い短旋律の反復変奏でリズミカル、どこかモードの気配を漂わせてカノンや輪唱でもあります。その流れが続くあたりは確かにライヒかもしれませんが所謂(いわゆる)ミニマル感とは少々異なります。
それは複雑に旋律が絡みあって混沌へと変化する事にありそうです。(ラストはライヒっぽいですがw)
それは複雑に旋律が絡みあって混沌へと変化する事にありそうです。(ラストはライヒっぽいですがw)
■2. Ornate Zither and the Nomad Flute, for soprano & wind ensemble (2005)
緩徐曲で、交響曲とするならアレグロ楽章です。やや跳躍音階の美しく神秘的な流れにsopが浮かびます。管楽器の厚い音色とシンプルな旋律がフィットして、弦楽奏が無い事を逆手に取っていますね。
■3. War Chant, for orchestra (2004)
旋律感は極低く雲の様な音塊が蠢く空間音響系です。ジポリンのイメージからは遠い音楽で、確かに欧エクスペリメンタリズムの様相ですね。
途中でミュージカル風やジャズ風のアレンジも挟んでNYカルチャーらしい表情変化もしっかり付けていますし、後半多用される下降音階のグリッサンドも面白いです。
途中でミュージカル風やジャズ風のアレンジも挟んでNYカルチャーらしい表情変化もしっかり付けていますし、後半多用される下降音階のグリッサンドも面白いです。
■4. Drill, for bass clarinet & wind ensemble (2002)
バスクラ協奏曲風です。動機の反復変奏と言うジポリン得意の楽風でこなれた様相、類型動機を奏でる楽器間での絡みが複雑化して行きます。パターンとしては1.で使われている技法と言う事になるでしょう。交響曲なら1.と4.でアレグロ楽章?!
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全曲試聴可能です
BOAC絡みのポストミニマル米NYポップ系現代音楽です。約20年前にもなりますが、今聴いても十分に楽しめると思います。
楽曲間で方向性をかなり変化させているのも"試み"の意図を感じますし、確かに交響曲構成にも思えます。(3.はスケルツォの代わりに空間音響系?)
米現代音楽の一端を明確に味わえるアルバムで、"オススメ"です!!
楽曲間で方向性をかなり変化させているのも"試み"の意図を感じますし、確かに交響曲構成にも思えます。(3.はスケルツォの代わりに空間音響系?)
米現代音楽の一端を明確に味わえるアルバムで、"オススメ"です!!
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