fc2ブログ

『マーラー 交響曲 第9番』«ネット配信» サイモン・ラトル指揮 ロンドン交響楽団 2023年8月27日 プロムス56


London Symphony Orchestra
Simon Rattle
(cond.)
BBCプロムス2023から五日前(日曜)のS.ラトル/LSOのマーラー9 です。ラトルはLSO音楽監督最後のシーズンですね。もちろんBBCの配信になります。


▶️ BBC RADIO 3 (配信期間は一ヶ月です)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 9


Proms2023-RattleLSO-Mahler9.jpg
[Live at Royal Albert Hall, 27 Aug 2023]


第一楽章
序奏から第一主題は緩徐を生かした穏やかさ、第二主題でも変化は控え目に、反復も広がり重視で抑えて第三主題も派手ですがコントロールされます。展開部前半の"暗-明-烈"の流れも抑えの効かせたメリハリです。もちろん鳴らしては来るのですが。
厳しさを見せつつもコントロールされた第一楽章です。

第二楽章
主部主題は音の刻みを強く ちょっと角張ってややスローに、逆に第一トリオはジェントルな響きでいかにもレントラー風です。第二トリオは緩やかにこの曲のベースと言えるターン音型を奏でます。緩いアゴーギクも効果的です。微妙な一手間が造るラトルらしさでしょう。

第三楽章
主部主題はクリーンな厳しさ、第一トリオは軽妙さで繋ぎます。中間部(第二トリオ)はターン音型をやや速めに静に鳴らし、緩やかなアゴーギクで気持ちを添えて来ます。ラストはpiù strettoですがしっかりコントロール。

第四楽章
主部主題は美しい弦楽奏に広げ、fg動機後もあまり音厚を上げず感情を抑え気味。第一エピソードは緩やかに上げますがやや淡白に感じます。ここではもう少しスローのアゴーギクが欲しかったかも。コーダのラストは微妙なアゴーギクを入れています。
最終楽章としてはやや速めのテンポになっているのが残念かもしれません。


ラトルの手の内にあるマーラー9です。王道を基本に巧妙なアゴーギクとリズムでの色合い付けされています。気になるのは感情移入の薄さでしょうか。
激しさや哀愁も全てしっかりコントロールされてこの曲らしい感情の揺さぶりはやや弱いかもしれません。全体(特に最終楽章)が速めと言う事もあるでしょう。

第一楽章の後の全体チューニングはやめて欲しいですねェ。せっかく鎮めて終わった一楽章が台無しです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

カレンダー
08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます