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ハイナー・ゲッベルス(Heiner Goebbels) の「Surrogate Cities」と言う滅裂


ハイナー・ゲッベルス
(Heiner Goebbels, 1952/8/17 - )
活躍幅の広いドイツの現代音楽家ですね。演出家でもあって舞台からインスタレーションの方向性まで包括し、ジャンルを大きく跨ぐ活動にもなっています。音楽祭の芸術監督も務めますね。
一般的にはジャズ系の印象が強いかもしれませんが、個人的にはアルフレッド・ハースとのDuoがすぐに浮かびます。(次回インプレ予定です)


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Surrogate Cities
(Junge Deutsche Philharmonie, Peter Rundel: cond.)
五作品からなる「代替都市」と言うタイトルにあるように都市現象、そのサイズや物語、を表現する試みだそうです。とは言えそこは前衛アプローチですから明瞭に判断できる様な視線や構成ではありません。サンプラーやノイズと言った技法やTEXT引用から、現代都市としてのポジティブなイメージだそうです。よくわかりませんがw

演奏はペーター・ルンデル指揮、ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団です。(Jocelyn B. Smith vocals, David Moss vocals)
ステージではビデオクリップやダンサーと言ったインスタレーション演出ver.もある様で、ラトルBPOが一部のパートをダンスを取り入れて "a dance project" として取り上げていますね。







1. Suite For Sampler And Orchestra
タイトルにある通りサンプラーデータを使っていますが、それが簡単に 'これ' とはわかりません。エレクトロニクス音はわかりますが。
入りは無調の対位的スタンスでオケの楽器が対峙、そこにvoiceが絡みます。無調と調性の狭間にいる様な旋律も存在し、単純反復や即興的な技巧も散在していますね。民族音楽和声あり美しい後期ロマン派動機あり、激しい出し入れ表現や特殊奏法やノイズ、空間音響ももちろん含まれてきますね。要はなんでもありです。

ありとあらゆる技法あらゆる表情表現を駆使しています。調性や無調、多様性と言った事で括る事が出来ません。あえて言うならテクニカル・コラージュとなるかもしれません。ただここまで多種多様だと統一感に欠けて何の音楽?!と感じてしまうかも…


2. The Horatian
3パート構成です。I.は激しい強音パートで入ってきますが、フィルム・ミュージック風の明瞭さ。そこにsopが都市をテーマにしたTEXTを歌います。II.でも変化率は低く流れはキープされて強音が支配的です。III.は緩徐パートで美しいバラードですが取り留めがありません。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  "II. So That Blood Dropped to the Earth"です
  sopは本CDと同じですがより冴えていますね


3. D & C
LIVEではこれが冒頭曲になった様ですね。ここでもうるさい強音で導入部が開始されます。微妙な調性感で絡みますが反復やトゥッティが入ってきて1.の別冊の様な印象で後半は米管弦楽のドンシャン様相です。


4. Surrogate
弦のトレモロで入って来ますが、これも一つのパターンの様ですね。その後は例によって激しい音のやりとりをメインに進みます。それまでの曲の何処かのパートの様で、voiceが入ります。正直なところ飽きますがw


5. In The Country Of Last Things
voiceの語りが主役です。



まずいったいこれは何の音楽なのだろう???と言う印象です。

メインの1. は全体的にゴチャゴチャで音楽が主役と言うよりも舞台音楽の様に他に主役がある音楽に感じます。
それ以外は調性のフィルム・ミュージック風でドンシャン的派手さがあるので米オケあたりが好むかもしれません。個人的には…




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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