『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» ウラディーミル・ユロフスキ指揮 ベルリン放送響 2022年9月13日
ウラディーミル・ユロフスキ | ベルリン放送交響楽団
(Vladimir Jurowski | Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin)
(Vladimir Jurowski | Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin)
主席指揮者を務めるユロフスキとRSBの2022-23シーズン開幕のマーラー5ですね。独Deutschland Radioからの配信です。
Mahler Symphony No. 5

[Live at Philharmonie Berlin, 13 Sep. 2022]
■ 第一部
やや緩めのファンファーレ、主部葬送はスローで緩やかに、第一トリオも激しさよりも主部とのコントラスト、第二トリオでも軽さがあり極端に哀愁に落とし込みません。
第二楽章第一主題はほどほどの激しさで拗さ抑えめ、第二主題の哀愁も少し色合いを深めて第一楽章のパロディ化を避けています。展開部の"烈→暗→明"のコントラストも深彫りしませんね。ディナーミク・アゴーギク共に浅めです。
重厚さを回避してスッキリ見晴らしの良い第一部です
第二楽章第一主題はほどほどの激しさで拗さ抑えめ、第二主題の哀愁も少し色合いを深めて第一楽章のパロディ化を避けています。展開部の"烈→暗→明"のコントラストも深彫りしませんね。ディナーミク・アゴーギク共に浅めです。
重厚さを回避してスッキリ見晴らしの良い第一部です
■ 第二部
スケルツォ主題はスローに緩やか、レントラー主題も同じ流れでややコントラストと優美さが弱くいです。ここは優雅な舞踏曲が欲しいですね。
第三主題主部はオブリガート・ホルンが若干詰まり気味、変奏部の変化は弱めです。展開部は締まりをつけますがスローが気になります。再現部もスロー軸、でもコーダでは鳴り良くしっかり締めています。
スローのアゴーギクが足を引っ張って優美さ軽快感不足のスケルツォ楽章です。
第三主題主部はオブリガート・ホルンが若干詰まり気味、変奏部の変化は弱めです。展開部は締まりをつけますがスローが気になります。再現部もスロー軸、でもコーダでは鳴り良くしっかり締めています。
スローのアゴーギクが足を引っ張って優美さ軽快感不足のスケルツォ楽章です。
■ 第三部
第四楽章主部は静美でスロー甘美に落としません。そしてトリオから回帰ではアゴーギクで感情を上げていますね。印象は濃いめのアダージェットかな?!
第五楽章第一・二主題の絡みは標準的、コデッタ主題も優美さを歌います。展開部も変化球なしのテンションアップで進み、再現部冒頭三主題も抑えてコントロールです。後半からコーダはタメを作ってテンポアップ、締めた演奏で決めるとフィニッシュはビシッとアッチェレランドです。
最後は王道の最終楽章になりました。
第五楽章第一・二主題の絡みは標準的、コデッタ主題も優美さを歌います。展開部も変化球なしのテンションアップで進み、再現部冒頭三主題も抑えてコントロールです。後半からコーダはタメを作ってテンポアップ、締めた演奏で決めるとフィニッシュはビシッとアッチェレランドです。
最後は王道の最終楽章になりました。
重厚や興奮を回避した軽量で明るいマーラー5です。ともすると重心を下げた演奏になりがちな曲ですが、この表現もありかと。
気になるのは主題のスロー化で、どうしても間延び感が付いて周りますね。そこが上手く処理できていたら、面白いマーラー5になっていたと思います。
気になるのは主題のスロー化で、どうしても間延び感が付いて周りますね。そこが上手く処理できていたら、面白いマーラー5になっていたと思います。