fc2ブログ

マーリン・ボング(Malin Bång) の「Works for Orchestra」欧実験前衛音楽の残映


マーリン・ボング
(Malin Bang, b. 1974)
スウェーデンの女性現代音楽家ですね。2012年のドナウエッシンゲン音楽祭(Donaueschinger Musiktage)で若手音楽家としての印象が強かったのですが今や中堅となりました。一時期はドイツに活動拠点を置いていましたが、今はスウェーデン(ストックホルム)に戻り創設者の一人でもあるCurious Chamber Playersの在籍作曲家も務めています。

B.ファーニホウ、G.グリゼー、P.マヌリ、と言ったビッグネームに師事していてアンサンブルや管弦楽、フィールドレコーディングを含むエレクトロニクス系の楽曲を得意としていますね。
方向性は特殊奏法のノイズそして即興的混沌、過去の演奏では電気掃除機が登場したりとかもあってパフォーマンスも見せていますね。
楽風はバリバリの欧エクスペリメンタリズム!!



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧




管弦楽作品集
(演奏:下記ヴァリエーション)
本ブログでは個別楽曲で何回かインプレしているボング、実は本アルバムも過去の録音のピックアップ構成になります。テーマのある新作録音を期待したいですね。

演奏陣は豪華版です。これを見ただけでも聴いてみたくなります。
1. WDR Sinfonieorchester, Ilan Volkov: cond.
2. SWR Symphonieorchester, Uli Fussenegger: cb, Jonny Axelsson, perc. , Peter Rundel: cond.
3. SWR Symphonieorchester, Pascal Rophé: cond.
4. Klangforum Wien, Enno Poppe: cond.







1. avgår, pågår for symphony orchestra (2014)
特殊奏法のノイズですね。それらが時に即興ポリフォニー的に、時に空間音響的に表現されます。聴き慣れた前衛で少し時代を感じるのが正直なところでしょうか。


2. ripost for amplified contrabass and amplified objects with symphony orchestra (2015)
波打ち際の効果音??からいきなりポリフォニー炸裂、そして静とノイズのコントラストに入ります。特殊奏法オンパレードのノイズサウンドです。


3. splinters of ebullient rebellion for symphony orchestra (2017/2018)
これは2018ドナウエッシンゲン音楽祭のCDと同じですね。その時のインプレをここで再度残して起きます。

『溢れる特殊奏法のノイズ、そして即興的混沌、所謂(いわゆる)音楽ではありません。"グリグリギギギイィィィ"、でもこれがドナウエッシンゲンでしょう。少しボリュームを上げて、混沌の音の中に自分を置いてみる。そんな楽しみ方がピッタリ来ますね。師である上記三人よりもラッヘンマンの方向性かと。中間部で現れる手回しオルゴールの静的で美しい旋律が色合いを添えています。全体構成も良く楽しめますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  2018年のドナウエッシンゲン音楽祭の映像そのものです!!
  数々の特殊奏法を見る事ができます

 』


4. irimi for sinfonietta (2012)
ノイズ混沌の一番古い楽曲ですね。当時はまだこの世界にワクワク感があったのが脳裏に残っています。



完成度の高いノイズ系前衛ですが、20世紀後半に行き詰まった欧エクスペリメンタリズムポスト・セリエルの生き残りか残像か、その再確認になりました。

可能性を見せるのは最も新しい3.の中間部の展開で、ここは他の曲にない流れがあります。さて、この先のボングが何処へ向かうのでしょう? そこに興味が尽きませんね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

カレンダー
07 | 2022/08 | 09
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます