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"マーラーだけどマーラーじゃない"「NO TIME FOR CHAMBER MUSIC」コレクティフ9(Collectif9)



NO TIME FOR CHAMBER MUSIC
("Collectif9", strings nonet)
マーラーの室内楽トランスクリプションですね。交響曲単位とかではありますが、これは楽章や歌曲の一部を抜粋して構成した9曲細切れ版です。

カナダの弦楽九重奏団コレクティフ9による演奏で、編曲はメンバーのベルタン=マギ(Thibault Bertin-Maghit)によるもので、8.だけフィリップ・エルサン(Philippe Hersant)によるものです。

弦楽九重奏団の編成はストリング・クァルテットx2 + コントラバスの9名ですね。







1. 自然の音のように [第1番] - 2. 狩人の葬送 [第1番] - 3. 葬送行進曲 [第2番] - 4. レントラー [第2番] - 5. 僕の胸の中には燃える剣が [さすらう若者の歌] - 6. 葬送行進曲 [第5番] - 7. 告別 [大地の歌] - 8. カロ風の葬送行進曲 [第1番] - 9. ドン・ファンの幻想 [若き日の歌 第1集]

1.から2.はアタッカで繋がり「グーチョキパーで何作ろ」の短調主題に入ります。ここではクレシェンドで主題強調、テンポ変化を付けて面白い流れを作りますが"マーラーの交響曲ではないですね" と言うだけでしょうか。

3.は緊張感ある主題は再現されていますが、弦楽だけでは無理があります。このパターンならオリジナルを聴いた方が素晴らしさを味わえるでしょう。6.も明らかに奇妙なリズムに変換していますが、それ以上でも以下でもない印象でオリジナルを越えられません。どうせなら緩徐のメヌエット風にするとか…

8.は交響曲第1番の主題をコラージュや転調して一番面白い曲ですが、それなら1.と2.はいらないでしょうね。出し入れが弱いのですが、それでもこの8.がベスト・トラックでしょう。


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  PVかMVですね。絵があると少し面白い?!



"マーラーだけどマーラーじゃない"です。流れは二つ、曲に割と忠実なパートと自由に組んでいるパートです。

マーラーを聴いていればいずれ中途半端に感じます。オリジナルを知らない方が楽しめるかも!
なるほど、だからタイトルにマーラーがいないんですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





仏現代音楽家エリック・タンギー(Eric Tanguy) の「管弦楽作品集」



エリック・タンギー
(Éric Tanguy, 1968/1/27 - )
多作家で知られるフランスの現代音楽家ですね。ホラチウ・ラドゥレスクやジェラール・グリゼーらに師事していて、アンリ・デュティユーの招聘でタングルウッドにも登場、その他の招きも多い様です。ダルムシュタットにも出ていますね。無調混沌的な前衛ではありません

知られる処ではロストロポーヴィチに委嘱されたチェロ協奏曲第二番では仏で2001年初演の後、翌年には小澤征爾さんとボストン響でカーネギー・ホール公演を行いました。
佐渡裕さんや諏訪内晶子さんもタンギーの作品を取り上げている様ですね。



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Orchestral Works
(Jyväskylä Sinfonia, Ville Matvejeff cond.)
タイトル通り管弦楽と協奏曲のアルバムで、近年作品がメインとなっています。
1.はモーツァルトの同タイトル曲と合わせて弾く事を前提に委嘱され、2.はシベリウス生誕150年に作られたオマージュ作品。3.は2003年に新たに改訂された技巧曲です。

演奏はヴィッレ・マトヴェイェフ指揮、ユヴァスキュラ・シンフォニア。クラリネットはピエール・ジェニソン(1)、ヴァイオリンはユーリア・プシュケル(3)になります。







1. Clarinet Concerto (2017)
無調ではないのですが、調性の中の特定の音階を使っているのか独特のモード的な音楽です。ポリフォニーと言うよりもモノフォニー、金管と打楽器の音の出し入れが強くドンシャン的です。クラリネット・ソロもノコギリ音型の様な旋律を立て続けに吹き切るのが特徴的で、かなり吹きっぱなしで疲れそうです。


2. Matka (2015)
1.の緩徐パートと似ています。緩徐ですが打楽器と金管が元気に鳴らします。例によってギザギザ音型が縦横無尽に張り巡らされていますね。1.では無かった明確な反復・変奏がラストで登場しています。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Vahan Mardirossian指揮、Orchestre de Caenの演奏です
  中盤以降の派手さが特徴ですね



3. Violin Concerto No. 2 (1997, rev.2003)
明らかに古い年代の作品に聴こえます。動機の反復・変奏を主体にしていて、1.の独特の調性やモード感はありません。ドンシャン的な打楽器と金管の元気さは同じですが。
ただvnはかなりの技巧を要求しそうですね。プシュケルはかなり歯切れ良く鳴らしています。



跳躍音階を含むギザギザ音型?が独特な調性かモードの面白さを感じさせますね。曲構成はメリハリが強くドンシャン的な鳴りの明快さです。

その面白さは近年の様で、古い3.は平凡な動機の反復・変奏と言った凡百に埋もれそうな楽曲になります。と言う訳で "1. クラリネット協奏曲" が聴きどころですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ヤコブ・クルベアのチェロで聴く北欧現代音楽『Remembering』ノアゴーとサーリアホ



Remembering (Jakob Kullberg, vc)
Composer: Per Nørgård and Kaija Saariaho
本ブログではお馴染みの二人の北欧作曲家の作品をデンマークのチェリストが演奏する北欧セットのチェロ協奏曲アルバムです。
(Kullbergの日本語表記は北欧風にクルベリなのか英語風にクルバーグなのか、例によって厄介ですね)

ペア・ノアゴー(b.1932)は、"無限セリー"で知られるデンマークの現代音楽家の重鎮。
カイヤ・サーリアホ(b.1952)は、今やフィンランドを代表する女性現代音楽家。

作品年代的には少々古く、ノアゴー(1, 3)は1980年台でセリエルである無限セリー以降で前衛の停滞が叫ばれた時代。サーリアホ(2)は21世紀に入ったばかりで調性回帰になった時期ですね。

演奏はBBCフィルハーモニック(1,2)とシンフォニア・ヴァルソヴィア(3)、指揮がマイケル・フランシス(1), ヨン・ストルゴーズ(2), シモン・ビヴァレツ(3)になります。



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1. Between, Cello Concerto No.1 (1985)
一楽章は不協和音の様な調性を崩したvcの動機?がぎこちなく現れ、そしてより調性に近い弦楽オケの音色からフルオケの厚い音とクラスター的ポリフォニー協奏となります。
二楽章は緩徐楽章で、流れは不協和音的な幽玄さ。ただ何処か音の跳躍と点描的でセリエルを感じさせますね。
三楽章の入りは二楽章の延長の様な流れ、そこから一楽章にの様なソロvcが前面に出て時折クラスター的な音塊が顔を出します。この音塊と生き残りセリエルの対比が面白いですね。後半に唐突に現れる弦のグリッサンドからのポリフォニーも興味深いです。


2. Notes on Light, for cello and orchestra (2006)
緊張感ある静的幽幻さ、調性感ある動機の反復・変奏、そんなI.。小刻みな旋律が絡み合うII.でも反復・変奏は明確ですね。III.ではI.に少し強音パートを加えて、IV.は神秘的な緩徐パートで静的神経質なロングトーン構成になります。V.はその流れに旋律が入って、いずれ今の時代に繋がる調性軸足の幽幻さを聴く事が出来ますね。


3. Remembering Child, Viola Concerto No.1 (1986)
  adapted for the cello by Jakob Kullberg (2013)
クルベア本人によるトランスクリプションでカデンツァは本人版を入れているそうです。二楽章形式ですね。
一楽章は派手な華やかな音色でスタート、そこから神秘・幽幻さに流れを持っていきます。そして出し入れの強さが印象的ですね。二楽章は緩徐で入りますが緊張感はキープされ、クラスター的な強音パートが突然現れるのもノアゴーらしいですね。
1.にあったセリエルを感じさせる点描的な表現はありません。それはそれで面白かったのですが。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  オリジナルのヴィオラ版ですが、雰囲気は伝わるかと
  CDよりも少し速くて腰が高い印象です。CDの方が好みですね




出し入れを生かすノアゴー、静を軸とするサーリアホ。共通するのは調性基軸の幽幻・神秘と言う多様性現代音楽です。

かつての前衛全盛から見るとあまりに機能和声寄りですが、その行き詰まりを超えて生き残った現在のクラシック音楽の一つの姿でしょう。ベストトラックは "3.Remembering Child" ですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ベルリン・コンツェルトハウス2021 ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」をNHKプレミアムシアターで観る


カール・マリア・フォン・ウェーバー のオペラ「魔弾の射手」ベルリン・コンツェルトハウス初演200周年記念公演です。COVID-19で無観客の舞台でした。

何と言っても今回はスペインの前衛集団"ラ・フラ・デルス・バウス, La Fura dels Baus"を率いるカルルス・パドリッサによる演出と言う事になるでしょうね。(パドリッサは同グループの創設者の一人で舞台監督です)

200周年としては本オペラのアリアを含むアルバム「ウェーバー 作品集」が事前にリリースされていますね。インプレ済です。



オフィシャルにMVです



演出
かなり異質ですね。オケはピットではなくステージに配置、カメラがステージに入って撮っているので舞台の位置関係が客席目線ではなく、閉じた空間の様な不思議な印象を受けますね。客席も映りませんから余計です。

ヴィジュアル以外は手堅く、ストーリーの置き換えの様なものは採用していません。今の時代らしく時代考証を中途半端にしている程度です。序曲でスマホで自撮りのシーンなども出て来ますね。

舞台・衣装
白い幕が取り囲む様に何ヵ所にも垂れさせて、そこへプロジェクション・マッピングやレイザー光を大々的に使っています。それが閉空間の様な舞台に見せているのでしょう。"ラ・フラ・デルス・バウス"と思われるパフォーマンスも入ります。(エンヒェンの犬のパフォーマンスをやったのは誰でしょう? 妙に上手かったw)
衣装は何となく時代に合わせている感じはしますが、今の時代らしく"それなり的"ですね。

配役
女性陣】アガーテ(ド・ビック)がこの舞台の主役でした。伸びやかなsopが素晴らしく、役柄にフィットした表現力も感じられましたね。
エンヒェン(プロハスカ)は個人的には一番期待していたのですがsopでは実力を魅せてくれました。アガーテの陰に対してエンヒェンの陽を上手く対比させて、いずれこの二人のシーンが白眉でしたね。

男性陣】マックス(ブルンス)とカスパール(フィシェッサー)は特に印象に残るものは感じられませんでした。
男性陣ではメインキャスト以外の、クーノー(ハヴラタ)とオットカール(ティモシェンコ)、隠者(ファヴェイツ)が堂々とした役に合っていましたが、女性陣から主役の座は奪えませんでしたね。
ザミエル(ヘンチェ)は短い語りだけで歌いませんから対象外でしょう。

音楽
まずは有名な序曲ですが、少し抑え気味に感じましたね。それ以外はオケパートではメリハリを、歌唱パートは抑え目と基本的イメージです。


舞台のヴィジュアル効果を最大限発揮した作品ですね。客席を無視する事でしか成立しない手法で、COVID-19を逆手に取った上手さです。ラストもしっかり盛り上がりました

とは言えそれ以外は手堅くアヴァンギャルドさはありません。前衛性を見せてくれたら素晴らしかったと思います。配役は女性陣二人が良かったですね。



<出演>
 ・マックス(射撃の名手の猟師):ベンヤミン・ブルンス [Benjamin Bruns]
 ・アガーテ(マックスの恋人):ジニーン・ド・ビック [Jeanine De Bique]
 ・クーノー(アガーテの父):フランツ・ハヴラタ [Franz Hawlata]
 ・カスパール(悪魔に魂を売った猟師):クリストフ・フィシェッサー [Carlus Padrissa]
 ・エンヒェン(アガーテの従姉妹):アンナ・プロハスカ [Anna Prohaska]
 ・隠者:ティル・ファヴェイツ [Tijl Faveyts]
 ・オットカール(領主):ミハイル・ティモシェンコ [Mikhail Timoshenko]
 ・ザミエル(悪魔):ウォルフガング・ヘンチェ [Wolfgang Häntsch] =歌いません=

<合唱> ベルリン放送合唱団
<管弦楽> ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団
<指揮> クリストフ・エッシェンバッハ [Christoph Eschenbach]
<演出> カルルス・パドリッサ [Carlus Padrissa]


収録 : 2021年6月17~19日 ベルリン・コンツェルトハウス (ドイツ)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マルッキ/ヘルシンキ・フィルの バルトーク「管弦楽のための協奏曲 | 弦楽器, 打楽器とチェレスタのための音楽」



Concerto for Orchestra | Music for Strings, Percussion & Celesta
(Béla Bartók, 1881-1945)
Helsinki Philharmonic Orchestra, Susanna Mälkki: cond.
BISレーベルがリリースするヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団と常任指揮者スザンナ・マルッキのベラ・バルトーク第三弾、"弦チェレとコンオケ" ですね。CDのカップリングでもコンサートでも人気の二曲です。

既リリースの "青ひげ公の城" と "中国の不思議な役人" が良かったので今回も期待値は大です。

近年の指揮では主席客演指揮者を務めるロサンゼルス・フィルとのマーラー5番で素晴らしい演奏を披露したS.マルッキ。
彼女は若い頃から好きな指揮者の一人で、現代音楽好きとしてはアンサンブル・アンテルコンタンポラン(Ensemble InterContemporain)の主席指揮者を務めてくれたのも嬉しかったですね。







1. 弦楽器, 打楽器とチェレスタのための音楽 (1936)
第一楽章はフーガ主題を幽幻神秘な静からクレシェンドで昇る訳ですが鬱な印象を強く表現しています。第二楽章は二つの主題に明確な明るさと華やかさを付けています、第一主題はどうしてもショスタコーヴィチ色を感じますが。
第三楽章は得意のアーチ構造で、主部と第一トリオを鬱に奏でて中間部では煌めきを強調したコントラスト付けです。第四楽章は跳躍音の少ない七つの主題で、スッキリとした流れを作ります。テンポ変化を際立たせるディナーミクも効果的ですね。
落ち着きつつも明瞭な "鬱・明・鬱・明" 構成の弦チェレです。



2. 管弦楽のための協奏曲 (1943)
第一楽章は序奏をスロー静からディナーミクと出し入れの強さで表現。第一主題はショスタコーヴィチ色を強く、第二主題では哀愁を強調とハイコントラストです
第二楽章主部の木管群は不気味な演舞のスケルツォ、トリオのコラールは穏やかに対比を作っていますね。第三楽章は第一楽章序奏に似た表現に神秘的なトリオが絡み、第二トリオでは濃厚に奏でて彫りの深い印象を作ります。
第四楽章ショスタコーヴィチ引用パートの "Intermezzo" はリズミカルでtbや木管の色付けも明瞭でこの曲のベストパートになっていますね。
第五楽章主部の慌ただしい弦も、中間部の金管も派手やかなプレストで軽快です。
強い表現力を見せるコンオケになりましたね。



強めのディナーミクにアゴーギクも振って濃厚表現の"2.コンオケ"が特徴的です。 例えばフリッツ・ライナーの様なクールでスッキリとた表現とは全く異なります。

"1.弦チェレ"も完成度は高いですね。(ライナーも"弦チェレ"では濃厚です。そう言う曲ですね)



【ご参考】7人の指揮者で聴き比べる "管弦楽のための協奏曲"


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ジョン・ケージ(John Cage) の「Electronic Music for Piano」



Electronic Music for Piano (1964)
John Cage, 1912-1992
J.ケージはあまりインプレを残すつもりはないのですが、前回M.フェルドマンをインプレした際にこのマイナーな曲が浮かんだので…
(他にも前衛最盛期のリーダーのP.ブーレーズ、K.シュトックハウゼン、もですね)

静音の中に音数の少ないpfが続くのが前回インプレのフェルドマンとの共通点です。実際にはケージらしく演奏パートを奏者が選べたり、楽器を選べたり(pfと電子楽器を使う事だけが条件)、ミュージック・コンクレートで周辺音も入ったりします。いずれ不確定性の音楽です。

今回はpfとLive Electronicsで、演奏はチーロ・ロンゴバルディ(Ciro Longobardi, pf)、アゴスティーノ・ディ・スキピオ(Agostino Di Scipio, Live Electronics)です。



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[I.] 4-7, [II.] 8-13, [III.] 22, 23, 26, 30, 31, 37-39, [IV.] 55, 56, 53, 54, 57, 60-64, 66-68, [V.] 45, 41-43, 51, 52, [VI.] 69-84, [VII.] 30, 31x4 (Coda)

I.は全体の基本となるpfの音数の少ない単音と残響、そして特殊奏法。II.は少しボリュームが上がってノイズが入り、III.では特殊奏法とライヴ・エレクトロニクスがメインに、IV.は電子ノイズを含む強音パルスと静音の対比です。

V.では明らかにライヴ・エレクトロニクスが強く、VI.は残響を生かします。最後のコーダ、ここだけなぜ古典音楽の名称を使ったのか?!、は信号音の様な点描的な音の羅列ですね。

ライヴ・エレクトロニスクの詳細は不明ですが、挟まれるノイズは間違いないでしょう。またスコアを捲る様な環境音も入っています。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  part IV ですね



古い前衛で楽曲の面白さは無いと言って良いいでしょうね。1960年代前半は前衛全盛で、曲そのものよりもどんな技法を使っているかが重要な時代でした。

この曲でいえばパートと楽器の自由選択とミュージック・コンクレートによる偶然性と言う事になるでしょうか。こんな前衛の時代もあったなぁ…なんてウイスキーでも飲みながら懐かしさを聴くのも一興かと。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





モートン・フェルドマン(Morton Feldman)『ピアノと弦楽四重奏』高橋アキ/クロノス・クァルテット



Piano & String Quartet
(Morton Feldman, 1926-1987)
Aki Takahashi: pf, Kronos Quartet
図形譜や静的長尺音楽、それがフェルドマンの印象でしょうね。基本的にはJ.ケージ(1912-1992)に出会って偶然性・不確定性の "chance music" のエクスペリメンタリズムを欧州に放った一人でしょうか。(欧エクスペリメンタリズムの雄:P.ブーレーズの一つ下の年齢ですから、前衛現代音楽全盛期に生きた一人です)

今回はその静な長尺化と室内楽を主とした後期の作品ですが、1h20mですから程々です。数時間かかる楽曲も多かった時期ですから。インプレすると単純なコメントしか書けないとは思いますが…w

ピアノはフェルドマンとの関係性が高い高橋アキさん、弦4はクロノスSQと言うこれ以上望めない演奏者です。



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ピアノと弦楽四重奏 (1985)
静的な単純音階のpfアルペジオの"主題"?が淡々と長々と繰り返され、二音反復の薄い弦楽が寄り添います。もちろんその主題の変奏を挟むわけですが、流れに於ける変化度は極めて低いです。よく聴くと変化量は有るのですが、そう聴こえない様にされているでしょうね。(たまに三度の2音が現れますが)

時折、僅かに音色に厚みを見せたりとかはありますが、パートと言える様な構成変異はありません。そして、その静で音密度の低い流れが1h20m続きます。調性的な印象ですが、あまりに音数が少ないので無調なのかわかりません。


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Mireia Vendrell del Álamo (pf), Ekkehard Windrich and Johannes Haase (1, 2 vn)
  Yuko Hara (va), Esther Saladin (vc) の2020年のLIVEです



典型的な後期のフェルドマンの作品ですね。長尺で変化度の少ない静的な音世界です。

基本は単純音階の反復・変奏ですからミニマルと言えばそうなのですが、誰もフェルドマンをミニマリストとは呼ばないでしょうねw
他にも長尺曲に興味がある方は、カイホスルー・ソラブジ(Kaikhosru Sorabji, 1892-1988)を聴くのもオススメです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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