アダム・フィッシャー/デュッセルドルフ交響楽団 の「マーラー 交響曲 第2番 "復活"」
アダム・フィッシャー Ádám Fischer
(Düsseldorf Symphony Orchestra, 2019/4/3-8 Live rec.)
(Düsseldorf Symphony Orchestra, 2019/4/3-8 Live rec.)
兄フィッシャーが首席指揮者(2015-)を務めるデュッセルドルフ響とのマーラーチクルスの第2番"復活"ですね。第5番では素晴らしい演奏を披露してくれたので期待は高いです。
ソプラノはトゥンデ・サボーキ(Tünde Szabóki)、メゾソプラノはナディーネ・ヴァイスマン(Nadine Weissmann)、合唱はデュッセルドルフ市楽友協会合唱団です。
ソプラノはトゥンデ・サボーキ(Tünde Szabóki)、メゾソプラノはナディーネ・ヴァイスマン(Nadine Weissmann)、合唱はデュッセルドルフ市楽友協会合唱団です。
アダム・フィッシャーは2020年に二枚の "復活" をリリースしていますね。もう一枚はグスタフ・マーラー・フェスト・カッセル祝祭管弦楽団とのアルバムで、次回比較インプレ予定です。
(CDはこちら)
■ 第一楽章
落ち着いた第一主題から抑えた葬送行進曲へ、優しさの第二主題、コデッタは興奮を避けています。
展開部は朝日が登る様な静けさ、第一主題回帰で一瞬力を込め、鎮めた行進曲風に。コラールの山場は抑え気味で、再現部は提示部より色合いが濃いですね。通して抑えて静の印象が強いです。
展開部は朝日が登る様な静けさ、第一主題回帰で一瞬力を込め、鎮めた行進曲風に。コラールの山場は抑え気味で、再現部は提示部より色合いが濃いですね。通して抑えて静の印象が強いです。
■ 第二楽章
主要主題は優雅で静かなメヌエット風、トリオでも三連符の刻みは静的です。厚めになる回帰では約束通りにテンポとボリューム感を上げて、主部最後の回帰は静のピチカートです。
■ 第三楽章
主部は抑えた揺らぎの様な『子供の不思議な角笛』で、中間部もその延長に管楽器が瞬間的に明るく乗って来る感じ。コーダもしっかり押さえ込んで炸裂させません。
■ 第四楽章
主部アルト「原光」も鎮めて、中間部も変化を最低限にして静的流れの統一です。
■ 第五楽章
提示部派手ですが落ち着いた第一主題、穏やかなhr動機、第二主題の木管はクールに音を並べます。最後の動機群でも華やかですが興奮は回避ですね。
展開部"死者の行進"は整列的な行進曲になって進み暗転。
再現部のhrが静空間に響き緊迫感が上がると、合唱の"復活"が遠いバンダの音色の中に現れます。hr・合唱・tpと神聖な流れを作り、アルトの "O glaube, Mein Herz" は厳か、男声合唱もsop/alto重唱も冷静と言う不思議さです。とにかくほぼ最後のここまで静に抑え込んでいます。残るはラストの合唱だけ…
ここにフォーカスされていましたね。盛大に"Sterben werd' ich, um zu leben! ..." のラスト山場を作り上げフィニッシュします。
展開部"死者の行進"は整列的な行進曲になって進み暗転。
再現部のhrが静空間に響き緊迫感が上がると、合唱の"復活"が遠いバンダの音色の中に現れます。hr・合唱・tpと神聖な流れを作り、アルトの "O glaube, Mein Herz" は厳か、男声合唱もsop/alto重唱も冷静と言う不思議さです。とにかくほぼ最後のここまで静に抑え込んでいます。残るはラストの合唱だけ…
ここにフォーカスされていましたね。盛大に"Sterben werd' ich, um zu leben! ..." のラスト山場を作り上げフィニッシュします。
ラスト集中型のマニアックなマーラー2ですね。心配になるくらい静かな流れに徹し、最終楽章再現部のラストのみ大きく鳴らします。ここまで極端に引っ張るなら、ラストはもっと+αの驚愕が欲しいかも。
この流れの代表は "鉄板マーラー2" バースタイン(DG盤)ですが、これはもの凄い緊張感の静とラスト炸裂になっています。
この流れの代表は "鉄板マーラー2" バースタイン(DG盤)ですが、これはもの凄い緊張感の静とラスト炸裂になっています。