エヴリン・グレニー(Evelyn Glennie) の「Concertos for Mallet Instruments」煌めきは "マレット協奏曲" です
Concertos for Mallet Instruments
エヴリン・グレニー (Evelyn Glennie, b.1965)
エヴリン・グレニー (Evelyn Glennie, b.1965)
人気のイギリス人女性パーカッショニストですね。すぐに聴覚障害という話が出るわけですが、実力で今はその部分にあまりスポットが当たらなくなっているかもしれません。
今回は現代音楽家三人によるマリンバ等 鍵盤打楽器の協奏曲を取り上げています。特に3.では一般的に使われる木琴系(シロフォン, マリンバ)と鉄琴系(グロッケンシュピール, ヴィブラフォン)の四種が使われていますね。1. 2.はマリンバ協奏曲です。
オケはジャン・トレル(Jean Thorel)指揮、香港市室内管弦楽団(City Chamber Orchestra of Hong Kong)になります。
今回は現代音楽家三人によるマリンバ等 鍵盤打楽器の協奏曲を取り上げています。特に3.では一般的に使われる木琴系(シロフォン, マリンバ)と鉄琴系(グロッケンシュピール, ヴィブラフォン)の四種が使われていますね。1. 2.はマリンバ協奏曲です。
オケはジャン・トレル(Jean Thorel)指揮、香港市室内管弦楽団(City Chamber Orchestra of Hong Kong)になります。
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アレクシス・オルリッチ
(Alexis Alrich, 1955 - )
(Alexis Alrich, 1955 - )
米女性現代音楽家でミニマルをベースに中国・東南アジアの音楽、すぐにガムランが浮かびます、を取り入れています。米・ラテン音楽も包括しますが、機能和声の音楽です。
■ Marimba Concerto (2004)
三楽章の協奏曲で調性音楽、各楽章の冒頭に民族音楽が顔を出すのは面白いですね。オケ・パートがかなり強く、そこを掻い潜る様にグレニーのマリンバが出現します。時に各楽器とのデュオにもなりますね。
民族音楽に軸足があれば興味深かったのですが、基本は音の張りが強い新古典主義。フィルム・ミュージック的に聴こえ、音楽的には新鮮さは見当たりません。グレニーのパートももう少し前面に出てくれると嬉しいと思います。カデンツァがないのも残念ですね。
★試しにYouTubeで観てみる?
同メンバーでの演奏です。CDよりメリハリはこちらが上?!
配置はともかく、マリンバも音の前面に出ていて安心感があります
三楽章の協奏曲で調性音楽、各楽章の冒頭に民族音楽が顔を出すのは面白いですね。オケ・パートがかなり強く、そこを掻い潜る様にグレニーのマリンバが出現します。時に各楽器とのデュオにもなりますね。
民族音楽に軸足があれば興味深かったのですが、基本は音の張りが強い新古典主義。フィルム・ミュージック的に聴こえ、音楽的には新鮮さは見当たりません。グレニーのパートももう少し前面に出てくれると嬉しいと思います。カデンツァがないのも残念ですね。
★試しにYouTubeで観てみる?
同メンバーでの演奏です。CDよりメリハリはこちらが上?!
配置はともかく、マリンバも音の前面に出ていて安心感があります
カール・ジェンキンス
(Karl Jenkins, 1944/2/17 - )
(Karl Jenkins, 1944/2/17 - )
イギリス人(ウェールズ)音楽家で、クラシックを学んでいましたが卒業後はジャズロック系のミュージシャンでした。そんな方向性が作曲にも反映されていると面白そうなのですが、そうは問屋が…w
■ La Folia (2004)
美しいロマン派的な優しさと古典派の様な構成の楽曲で、旧来のクラシック音楽ですね。流れもマリンバが旋律を奏でると、オケはホモフォニックに追従します。マリンバは殆ど演奏しっぱなしです。
美しいロマン派的な優しさと古典派の様な構成の楽曲で、旧来のクラシック音楽ですね。流れもマリンバが旋律を奏でると、オケはホモフォニックに追従します。マリンバは殆ど演奏しっぱなしです。
ネッド・ローレム
(Ned Rorem, 1923/10/23 - )
(Ned Rorem, 1923/10/23 - )
ピューリッツァー音楽賞を受けた事もある米音楽家ですね。シカゴからフィラデルフィアで学び、ジュリアードを卒業しています。半音階を使いますが、スタンスは前衛拒否ですね。
■ Mallet Concerto (2003)
7パートの協奏曲です。やっと調性の薄さを生かした楽曲の登場です。もちろん軸足は調性なのですが、半音階を使った浮遊感が幽玄さと神秘を感じさせてくれます。ソロ楽器選択もスローの中でヴィブラフォンの響を、小刻みなパートではグロッケンシュピールのキラキラした音で、と楽器の特性と表現を使い分けられていますね。
グレニーの演奏が前面にあって技巧性も見せ、カデンツァも短いながら配されています。楽曲の表情変化も豊かで、本アルバム中では出色の演奏と楽曲で楽しめます。
7パートの協奏曲です。やっと調性の薄さを生かした楽曲の登場です。もちろん軸足は調性なのですが、半音階を使った浮遊感が幽玄さと神秘を感じさせてくれます。ソロ楽器選択もスローの中でヴィブラフォンの響を、小刻みなパートではグロッケンシュピールのキラキラした音で、と楽器の特性と表現を使い分けられていますね。
グレニーの演奏が前面にあって技巧性も見せ、カデンツァも短いながら配されています。楽曲の表情変化も豊かで、本アルバム中では出色の演奏と楽曲で楽しめます。
3.だけが不協和音を生かした神秘的な "今の時代のクラシック音楽" で、他2曲は本ブログ守備範囲外でした。
グレニーの演奏の魅力を引き出したのは3.ですね。N.ローレムの曲だけで構成したら楽しいアルバムになったと思います。
グレニーの演奏の魅力を引き出したのは3.ですね。N.ローレムの曲だけで構成したら楽しいアルバムになったと思います。