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ヤン・ロバン(Yann Robin) の「Vulcano | Art of Metal I and III」暗と烈



ヤン・ロビン
(Yann Robin, 1974/2/12 - )
フランスの現代音楽家でマルセイユ国立音楽院でジャズに触れています。パリに渡って作曲とアナリーゼを学び、J.ハーヴェイ他に師事、その後IRCAMでの関係を構築してソフトOmaxの開発にも携わりましたね。


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Vulcano・Art of Metal I and III
室内楽集です。注目は "Art of Metal"で、コントラバス・クラリネットの協奏曲です。本来なら木管のクラリネットを金属製にしたメタル・コントラバス・クラリネット(mcb-cl)を使い、III.にはエレクトロニクスでIRCAMも入っていています。当然Omaxを使っていますね。mcb-clのアラン・ビヤール(Alain Billard)はY.ロバンとの協調関係がある様です。

演奏は前衛ではお馴染みのスザンナ・マルッキ指揮(当時主席指揮者), アンサンブル・アンテルコンタンポランで、初演も2008年アゴラ・フェスティバル(Agora Festival, IRCAM関連フェス)で同メンバーにより行われています。(本録音は, I: 2008年, III: 2009年)







1. Vulcano (2010)
  for ensemble of 29 musicians
旋律ではなくロングトーンや単音反復です。その音の出し方にアゴーギクとディナーミクを与えて表情を変化させています。その両者を強調すると狂気の様なパワープレイになりますね。強音構成時はトリル・トレモロも登場しポリフォニカルになります。流れは暗く蠢くダーク・アンビエントから激烈混沌までスロー静とファスト烈を繰り返す36'です。それが"Vulcano, 火山島"なのでしょうか?! 面白いのですがこのパターンは類型性がある事、そして少し長く感じますね。


2. Art of Metal I (2008)
  for metal clarinet contrabass and ensemble of 17 musicians
いきなりの強音炸裂即興的ポリフォニーの混沌から入り、1'で収まるとダークなアンビエントです。反復も含めてこれがロバンの基本構成の様です。mcb-clはスラップタンギングを多用しますが、フィットしていますね。暗いパートでのこの楽器の相性は当然ながらピッタリです。


3. Art of Metal III (2008)
  for metal clarinet contrabass, ensemble of 18 musicians and electronics
ここでも入りは強音炸裂混沌です。その後もパターンはI.とあまり変わりません。ライヴ・エレクトロニクスなのかIRCAMの参加もよくわかりません。ただ 極端な"烈と暗"の対比よりも強音軸足の即興的ポリフォニーの気配を強く感じます。(実際にはラストの様な明確なホモフォニーパートもありますが…)

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  同メンバーによる演奏の抜粋です




明瞭な旋律・動機が存在しない烈と暗が交錯する"音塊"です。反復や調性感が強く、何処かで聴いた様な多様性の前衛現代音楽です。

静と烈のコントラストとポリフォニーは"ありげ"な気配を作ってしまいますから、そこがポイントかもしれません。少しでもバックボーンのジャズ色が入っていたらより楽しかったかも。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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