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注目の若手指揮者 クラウス・マケラ の『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» パリ管弦楽団 2020年12月9日

24歳にしてパリ管の音楽監督に就任したマケラが振るマーラー9です。映像付きの配信で、これを見逃す手はありませんね。

パリ管のマーラーはコンサートでもCDでもwebLIVEでも相性が悪いのですが、さてどうでしょうか。


クラウス・マケラ | パリ管弦楽団
(Klaus Mäkelä, b. 1996 | Orchestre de Paris)
フィンランドの若手チェリスト/指揮者ですね。既にスウェーデン放送響の首席客演指揮者を務め、日本でも都響とシベリウスを披露してデビューを果たしています。今シーズンよりD.ハーディングの後を継いでパリ管の芸術監督に就任、つい先日の公演からの映像付きLIVEが仏ARTEのウェブサイトより配信されています。


▶️ ARTE (配信期間は1年!! 2021年12月8日まで)





«ネット配信»
マーラー 交響曲 第9番

9dec2020KlausMäkelä-Mahler9
[Live at Philharmonie de Paris, 9 Dec. 2020]


第一楽章
第一主題は少し揺さぶりで色濃く、第二主題は鬱に感情を込めています。反復からのピーク第三主題も抑えを効かせながらも締まりが良いですね。展開部前半は序奏・引用・第三主題のコントラストが見晴らし良く鳴らされて、中盤は静のパートを美しく、後半の葬送の経過部は珍しい少し速めで面白いです。鐘も変わっていますね。再現部は微妙に揺さぶりを入れて、コーダはスローに美しく。堂々と聴き応えある楽章になりました。

第二楽章
主要主題は軽妙からのリズム強調で見晴らし良く、第一トリオはテンポアップでシャキッと流れを変えて来ます。第二トリオは緩やかに落ち着かせて、主部回帰では激しさに緩いアゴーギクで光らせます。見事ですね。

第三楽章
主要主題は速めで締まり良く、副主題(第一トリオ)が軽妙に現れてコントラストが良いですね。引用を絡めて進んで流れが煮詰まると、中間部(第二トリオ)でスローにチェンジペース。出来ればもう少し優しさが欲しかったかも。でもターン音型は最終楽章後半の鎮まりをしっかり表現して感動的に盛り上げて、ラストは約束の"più stretto"です。

第四楽章
主部は穏やかさで緩いディナーミク、fg動機後も音厚を殊更に上げる事はしませんが、もう少し滑らかな静が個人的好みです。第一エピソードはスローで鎮めて入り緩やかに上げて行く王道ですがピークは抑え気味です。第二エピソードも入りは静の透明感から一回目の山場で感情を溢れさせて来ます。後半のターン音型からコーダは約束通りにスロー静に鎮めますが、この楽章の流れは個人的に今ひとつフィットしません。


王道に個性を鏤めたマーラー9です。基本を尊重しながら、細部にアゴーギクを当てはめて完成度を上げています。最終楽章が良かったら素晴らしかったでしょう。

パリ管の#1vnがマケラの左手タクトにディナーミクを協調させているのがわかりますね。なんだか良い感じじゃないでしょうか。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





クリスティアン・リンドベルイ(Christian Lindberg)がtbを吹かないアルバム「Steppenwolf」



クリスティアン・リンドベルイ (Christian Lindberg, b. 1958)
今や三つの顔が並立するスウェーデンの音楽家になっちゃいましたね。以前はスーパー・トロンボーニストの顔が一番で、その後A.ペッテションの曲などの指揮者として名を馳せ、今や現代音楽家としての活躍が多くなって来ました。

好きな音楽家の一人で、もちろんコンサートも行っています。今回は近年力を入れているリンドベルイの作曲と指揮のアルバムです。


 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧


Steppenwolf, Tales of Galamanta & Peking Twilight
管弦楽集ですね。タイトル曲の「Steppenwolf, 荒野のオオカミ」ヘルマン・ヘッセの小説 "Der Steppenwolf" を元にしたヴィオラ協奏曲で、テーマは三つの楽章のタイトル(下記)に繋がっています。作曲スタンスがA.サッリネンと似ていると言う指摘もある様です。曲は似ていませんがw その他二曲を含めて北欧・東欧からの委嘱作品で、これからも委嘱が増えそうな音楽ですね。

演奏はデンマークのオーデンセ交響楽団(Odense Symphony Orchestra)で、1.のヴィオラはラファエル・アルティーノ(Rafaell Altino)です。







1. Steppenwolf, concerto for viola and orchestra (2010-11)
I. No Man's Land - II. Soothing Empathy - III. Searching for Light
第一楽章は幽玄・神秘的なアンダンテから入って、途中(第一トリオ?)で明るさを見せる流れです。第二トリオは速いテンポのvaが牽引します。第二楽章も幽玄・神秘から明るさへの流れはキープされてリンドベルイの基調なのかもしれません。第三楽章は祝典的な動機(序奏)から入ってスケルツォ風。軽快さがありますが、vaが少し不安定的な旋律を奏でてバランスを取ります。
いずれもクライマックスはありますが、絶頂的大音響は避けている曲調です。vaのカデンツァは極短く、技巧よりも音域の広さを生かしたスコアになっている様です。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Liveの第一楽章、vaは同じくアルティーノです
  観客の方の動画の様で音と映像は???ですがw



2. Tales of Galamanta (2013-14)
1.よりは明瞭な出し入れがあって、強音パートが増えている感じです。また一部ポリフォニーの様な流れも出現し、民族音楽和声を感じるパートも出てきます。明らかに複雑化して構成が変化しているのが分かりますね。


3. Peking Twilight (2010-12)
神秘・明るさの基調の上に少し混沌を混じえています。その作曲技法バランスが1.と2.の中間的ですね。金管楽器を生かしているのはリンドベルイらしさでしょうか。神秘・美しさ・混沌のバランスが心地良く、この曲の方が2.よりも個性的に思えますが…



今の時代のクラシック管弦楽で、神秘的で美しく心地よい調性の音楽がベースです。ベストトラックは3.でしょうか。

年代による楽風の変化も認められるので、もう少し聴いてみたいですね。オッ、目の前に新譜がありますねw




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ベートーヴェンへの賛歌『ルートヴィヒを探して | Searching for Ludwig』マリオ・ブルネロ、ギドン・クレーメル


Searching for Ludwig
Gidon Kremer, Mario Brunello, Kremerata Baltica
興味深いアルバム、alphaレーベルらしい?、が出ましたね。

ベートーヴェンは定期コンサートでぶつからない限り 今やほぼ聴かないのですが、二人のチェリスト/現代音楽家マリオ・ブルネロとジョヴァンニ・ソッリマの名前があると視線が向いてしまいます。

そもそもはM.ブルネロとクレメラータ・バルティカがベートーヴェンの生誕250周年を祝うドイツの "Kronberg Festival" 共演で意気投合、南米ツアーを前に1.-3.を録音する事で出来上がったそうです。タイトルも「Searching for Ludwig」で決まり、ラスト一曲はG.クレーメルのチョイスになるベートーヴェン・トリビュートアルバムですね。

ブルネロは1.はチェロですが2. 3.は指揮者、クレーメルは4.でvnの弾き振りです。







1. ‘Muss es sein? Es muss sein!' (レオ・フェレ, 1916-1993)
仏音楽家でシャンソン歌手でもあるフェレの曲で、この曲だけvc, strings, perc. の編成ですね。他は弦楽奏曲(弦楽オーケストラ)です。
 陰鬱で濃厚なブルネロのvcソロから入ります。1'半くらいからフェレの語りが刺激的に加わると打楽器も入って、弦楽奏が音の厚みを加えて進みます。攻撃的なシャンソン、鮮烈さを加えて戦場の様に流れます。フェレの"Ludwig!!"の叫びが印象的です。中間部(トリオ)でvcソロが現れて、最後はフェレの叫びで終わります。


2. 弦楽四重奏曲 第16番 Op. 135 弦楽合奏版 (ベートーヴェン)
アレグロから優美さの流れを作りますね。展開部では切れ味を見せてコントラストは良いです。ヴィヴァーチェも延長線上にあってシャープに、トリオでもあまり流れに変化を付けません。四楽章形式になっていて全体としては古典色の強さが残ります、唯一の楽章を除いては。個人的興味はそのマーラーに影響を与えたとも言われる、第三楽章の緩徐のロマン派の様な流麗さですね。この時代ならメヌエット的でしょうから。ブルネロはその対比を意識していると思います。(近いタイミングでマーラー10の弦楽奏を指揮していますから)


3. Note Sconte (ジョヴァンニ・ソッリマ, 1962-)
唸る様な前衛的弦楽奏を背景にして、ベートーヴェンの動機と思われる旋律が奏でられます。パートにより小編成の古典弦楽奏になり、強弱のメリハリを明確に付けたベートーヴェンらしさを強調するかの様です。現代音楽と古典の邂逅の様な流れであって欲しかったのですが、冒頭パート以外はほぼ古典展開でガッカリ。ベートーヴェンが好きな方は新たな旋律・動機が楽しめるかもしれません。そうなると前衛的な色付けが邪魔?! 要は中途半端感が足を引っ張っているかも…


4. 弦楽四重奏曲 第14番 Op. 131 弦楽合奏版 (ベートーヴェン)
7楽章の名曲ですね。聴き処の一つ、第一楽章を繊細で美しい緩徐表現で入るのはクレーメルらしさでしょうか。第一楽章がアレグロではないのもこの曲の特徴ですね。メインの第四楽章は見事にメヌエットの変奏曲になっていますね。全体的には古典を尊重した軽妙な室内楽に仕上げている感じですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  クレーメルの脳裏に浮かんだというバーンスタイン/VPO(弦楽)の演奏です
  晩年の1981年で濃厚な弦楽奏曲になっていますね。これは一聴に値します!




ベートーヴェンの後期弦楽四重奏二曲は当然のごとく古典ですが、2.の第三楽章のロマン派の先取りの様な美しさが前後楽章や4.から異彩を放っています。

現代音楽二曲では、1.のフェレは尖った流れが魅力的で、3.のソッリマはベートーヴェンへのトリビュート感が強い古典楽風でした。1.以外アルバム全体としてはベートーヴェンで、旧来のクラシック音楽ファンの方に受け入れられ易い感じです。個人的興味は1.だけでしたが…w

クレーメルとブルネロの共演が無いのは寂しいですね。ソッリマは今年(2020)の来日がcovid-19で中止になりましたが、来年2月に一部延期なので来て欲しいです。(チケット所有なのでw)




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





B.A.ツィンマーマン の『ヴァイオリン協奏曲 | フォトプトシス | ヴォーカルシンフォニー版"兵士たち"』



ベルント・アロイス・ツィンマーマン
(Bernd Alois Zimmermann, 1918-1970)
20世紀の古い前衛の現代音楽家としては本ブログ一押しのB.A.ツィンマーマン。まさに現在の多様性前衛現代音楽の魁・源流で、全盛期はセリエルの大波に飲み込まれてしまいました。生まれるのが20年早すぎましたね。楽風変遷等は下記 "現代音楽CD(作曲家別)一覧" からどうぞ。


 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧



Violin Concerto | Photoptosis | Die Soldaten Vocal Symphony
B.A.ツィンマーマンのCDは収録曲がかなりの確率でダブって困ります。特に2.Photoptosisは代表作で多々入っています。このアルバムでも初めて聴くのは3.だけですね。その原曲の前衛オペラの傑作 "兵士たち" はもちろんインプレ済です。

商品解説には "第二次世界大戦後のドイツ音楽界を代表する作曲家" とありますが、いくら再評価が上がったとは言えそれはないでしょうねェw

演奏は主席指揮者を務めるハンヌ・リントゥ(Hannu Lintu)/フィンランド放送交響楽団(The Finnish Radio Symphony Orchestra)です。







1. ヴァイオリン協奏曲 (1950)
新古典主義でメリハリある調性楽曲ですが、オケはシャープではありますが、やや控え目に感じますね。もう少しツィンマーマンらしい反復を印象付けして欲しいのと、pfが鳴り響いても良い様な気がします。メインとなる緩徐楽章の第二楽章ではもっと繊細幽玄であって欲しいですね。
リーラ・ジョセフォウィッツのvnも暴れますが、キレキレ激烈とまでは行きません。ツィンマーマンですから全体もっと鮮烈な方が好みですね。この曲は狂気を感じても良いくらいですから。


2. フォトプトーシス (1968)
録音も多い管弦楽代表作です。Dの背景ロングトーンを鎮めつつ、各楽器を鬱に被せて来ます。流れがハイになって呪われた渦の様な流れに炸裂の色付けが入り、コントラストが付きますね。引用パッセージからは静のパートになってラスト3'の混沌は凄いです!!
やっぱりツィンマーマンの代表作らしい今に通じる傑作でしょう。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  2019年のJukka-Pekka Saraste(cond.) WDR Sinfonieorchesterです
  こちらの方がカラフルです。このセットはマーラーでも見事ですね。



3. 兵士たち-ヴォーカルシンフォニー版 (1957-1963 ??)
混沌、等拍パルス、反復、引用、跳躍音声と言った後期の傑作オペラがコンパクトに味わえるのが素晴らしいです。跳躍音階の強い歌唱パートも7名の歌い手がシャープでキレているのが嬉しいですね。この曲の楽しみ方は二つかと。オペラの抜粋で聴くならば、ストーリーを確認してどこを聴いているのかを準備しておくと十分楽しめます。もう一つはツィンマーマンの音楽として聴くのもあり、なので素直に聴いてもOKです。

とは言え、この曲はやっぱり全曲版もしくは映像付きで一度楽しんでいただきたいですね。



今回ヴァイオリン協奏曲は今ひとつですが、後の二曲はB.A.ツィンマーマンの後期楽風を味わえます

いずれも今の時代ならorでも?映える多様性の前衛現代音楽ですね。やっぱり素晴らしいです!!




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





フランク・ペーター・ツィンマーマン「マルティヌー/ヴァイオリン協奏曲、バルトーク/無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」新古典主義の流れ



Martinů : Violin Concertos
Bartók : Sonata for Solo Violin

(Frank Peter Zimmermann, vn)
今やドイツをと言うよりも欧を代表するヴァイオリニストの一人、F.P.ツィンマーマン。今回リリースしたのは、19世紀後年生まれの東欧の近現代音楽家二人をフィーチャーしたアルバムです。

ボフスラフ・マルティヌー(Bohuslav Martinů, 1890-1859)はチェコの音楽家で、パリに出た後、ナチス進行で米に渡っています。今回の二曲はパリ時代と全盛期の米時代に分かれていて、キャラクターが異なる面白さが味わえそうです。
ベラ・バルトーク(Béla Bartók, 1881-1945)はハンガリーのビッグネームですね。亡くなる前年の米時代の作品ですから新古典主義でしょう。

1930-40年代の作品ですから、欧州では十二音技法が確立され前衛エクスペリメンタルの隆盛前夜になります。その本流となるセリエルの基礎「メシアン:音価と強度のモード (1949)」がすぐに出現します。当時の米ではその流れを感じる事は少なかったでしょう。

協奏曲(1. 2.)の演奏は主席指揮者のヤクブ・フルシャが振るバンベルク交響楽団です。



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1. マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲第1番 (1933)
アルバムでは第2番が先になっていますが、いつもの様に年代順に1番を先に聴きます。
 華やかでストラヴィンスキー風の祭典的主題が現れる一楽章。派手で切れ味良いvnが現れて、僅かに民族音楽的な和声も感じます。アンダンテは民族音楽ベースの緩徐楽章で、東欧ローカルの音風景が伝わりますね。第三楽章もそうですが、全体的には民族和声をベースに舞踏的な歯切れ良さです。vnもしゃしゃり出ずに切れ味良く、です。


2. マルティヌー:ヴァイオリン協奏曲第2番 (1943)
10年後の作品です。派手で陰影が強く、vnも幽玄神秘ながら押し出しの強い音色を奏でる第一楽章。この時点で新古典主義(新ロマン主義?)の様相を感じますね。vnが表に出て来て技巧を見せるパートも多いです。第二楽章では古典の様な動機が明確に現れていて、執拗なvnの反復も出て来ます。第三楽章は重心の低い出し入れの強い主題が支配的、ラスト前にカデンツァが待っています。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Julia Fischer(vn), Czech Philharmonic, David Zinman(cond.)です
  こちらの方がオケの表情が豊かですね



3. バルトーク:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ (1944)
バルトークで浮かぶ暗く幽玄な音世界ではありませんね。一音一音を際立たせて明瞭に鳴らす方向性が感じられます。動機も調性の薄さは皆無で押し出しの強さです。バルトークだと思って聴くと???的でしょう。ただ、技巧性も高くてシャープな曲ですからツィンマーマンのvnを聴くなら一番良いでしょうね。

唯一、第三楽章だけは以前のバルトークらしい幽玄さを聴かせてくれる緩徐楽章になっていて嬉しいです。ツィンマーマンのvnがもう少し暗く鬱に鳴らしてくれるとより好みなのですが…w



バルトークは新古典主義、マルティヌーは民族和声主体から新古典主義へ個性を変化させ、この時代の前衛ではないメインストリームのクラシック音楽を味わえます。

今の時代でも米オケが好みそうな出し入れの強さと明快さのコンチェルト。ソロ曲はF.P.ツィンマーマンらしい明瞭な音色でvn技巧を聴かせてくれますね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ウラジーミル・マルティノフ(Vladimir Martynov) の『ユートピア交響曲 (UTOPIA)』ミニマルとマニエリスムの美しさ



ウラジーミル・マルティノフ
(Vladimir Martynov, 1946/2/20 - )
ロシア前衛音楽の推進者の一人ですね。モスクワ音楽院で習い、初期は十二音技法やセリエルのスタイルだったそうです。その後、ロシア前衛のグバイドゥーリナやシュニトケ達と顔を合わせています。ロシア民族音楽への傾倒から民族音楽学者となって、宗教への興味も持つ様になり、ロシア正教会聖歌を学びながら米ミニマル音楽を統合するマルティノフの楽風を構築していきます。


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UTOPIA
London Philharmonic Orchestra (Vladimir Jurowski, cond.)
この作品は2005年の交響曲 "シンガポール:地政学的ユートピア" と言う作品のリメイク版になりますね。当時の駐ロシアのシンガポール大使Michael Tayからのシンガポールを祝う為の委嘱作品だったそうで、老子の"老子道徳経"を元にユートピア思想を描いているそうです。

演奏はロシア生まれのウラディーミル・ユロフスキが主席指揮者を務めるロンドン・フィルハーモニー管弦楽団です。他に合唱・ヴァイオリン独奏・語り手(speaker)が入りますね。







1. ユートピア交響曲 (2019)
2part構成です。手拍子と合唱の反復から入るのが面白いですね。すぐわかるのは機能和声のミニマルもしくはポスト・ミニマル音楽だと言う事です。音の響きは確かに宗教曲の和声を感じるものがあります。米ミニマルや同じく宗教とミニマルを合わせせたA.ペルトとはまた異なるミニマル路線を感じますね。

殆ど変わらない、歌詞は変わっていきますが、曲調がどんどんと楽器数も増えながら音の厚みを増して行きます。ありげなパターンではありますが、陶酔的でどことなくケチャの様でもあります。中間部(トリオ)の様な変化がやって来ますが、変化は小さいですね。一部露骨にグラス風のミニマルになるのが面白いです。

大きな変化は合唱に替わってvnの反復も出て来ると英語の語りがアジテートして合唱団が追従するパートですね。その後は曲調の変化があります。"part II"は平和で美しく穏やか、まさにユートピア。陶酔的なミニマルではなく、主役は反復からメロディーラインの美しさとなります。ミニマルと言うよりもマニエリスムの楽曲でしょうか。捻くれた心が洗われる様ですw


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  全曲聴く事が出来てしまいますw



明るく陽気で賛歌的なミニマルの"Part I"と、美しく穏やかなマニエリスムの"Part II"です。前衛性はゼロですね。

"Part II"の様な美しい調性旋律に普段は興味は湧かないのですが、通して聴くと心が穏やかになる気がします。一度YouTubeで聴いてみてはどうでしょうかw




テーマ : クラシック
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