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フレンチのマーラー:アレクサンドル・ブロック/リール国立管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第7番 "夜の歌”」


アレクサンドル・ブロック, Alexandre Bloch
(Orchestre National de Lille, 2019 rec.)
フランス人指揮者A.ブロックが2016年から音楽監督を務めるリール国立管を振ったマーラー7ですね。フレンチのマーラーはどうでしょうか。




マーラー 交響曲 第7番



第一楽章
序奏のテノールホルン主題はかなり強い揺さぶりを感じますね。木管の行進曲動機も緩やかですが揺さぶりが強いです。提示部hrとvcの第一主題は雄々しく、第二主題は一転緩やかに感情を表現、コデッタの行進曲は切れ味鋭く とメリハリが強い流れです。展開部は動機や主題を刺激を与えて変奏、tpからの第二主題が光の中に出現、山場からは管楽器を太く鳴らします。再現部は第一主題を派手に鳴らして、コーダはうるさい位の下降音階動機の反復です。アゴーギク&ディナーミクの出し入れの強い第一楽章になっています。

第二楽章
序奏のhrも力感を感じますね。主要主題は行進曲らしくhrとvcの掛け合いも何処か緊張感があり、チェロの第一トリオも濃い色合いで、中間部(第二トリオ)はobの哀愁ですがもう少し細くてもいい様な。揺さぶりで"夜の歌"らしい穏やかさより緊張感の楽章になっています。

第三楽章
主部の動機群は各楽器が陰影強く絡みカオス風です。obの中間部ではvn動機とのコントラスト付けが良いですね。この楽章は陰影の強さが混沌さを上手く表現しました。少々うるさいですがw

第四楽章
主要主題はvnと管楽器が緩やかで穏やかなアゴーギクですが少し音厚が高く、この曲のキーであるギターとマンドリンが少し弱いのが残念です。中間部では穏やかな入りから強い揺さぶりを掛けて来ます。これはいけませんね。

第五楽章
主要主題の金管の派手さはピッタリ、パッセージはキレキレです。パウゼ後の第一エピソード(メリーウィドー)は速めでリズミカルです。第二エピソード(メヌエット)は軽妙から太く、その後は二つのエピソードをディナーミクを効かせて派手に変奏します。コーダは祝祭曲の様な派手さです。



太い鳴りと流れのマーラー7です。アゴーギクと強音側ディナーミクで濃厚でくどさを感じる流れは、個人的なこの曲のイメージとは異なります

フレンチ・セットなのでもっと洒脱な"夜の歌"を期待したのですが、期待は外れましたね。これだと第6番あたりをやったらピッタリかと、そんな感じです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





バラ・ギスラドッティル(Bára Gísladóttir) の「HĪBER」ノイズ系前衛コントラバス



バラ・ギスラドッティル (Bára Gísladóttir , b. 1989)
コペンハーゲンを活動拠点とするアイスランドの若手(31歳)女性現代音楽家でコントラバス奏者です。元はヴァイオリンがベースだった様ですが、アイスランド芸術アカデミーで作曲とコントラバスを学んでいますね。その後作曲はミラノ音楽院、デンマーク王立音楽院でも習っています。IRCAMには行っていない様で、エレクトロニクスをどこで学んだかが不明ですが…


 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧



HĪBER Bára Gísladóttir; Cb./B
タイトルは冬眠(もしくは冬)だそうで、8パートのエレクトロニクスとコントラバスの楽曲ですね。

今回は北欧の前衛音楽を得意とするレーベル"DaCapo Records"からの初リリースです。リリースノートには暗い雰囲気のサウンドスケープと紹介されていて、8パートはそれぞれ1'〜11'程度の小曲です。演奏はもちろん本人のソロ・アルバムです。







HĪBER
1. SUĪ - 2. VĒXŌ - 3. NO AFTERLIFE THANKS - 4. HER PALMS FACED DOWN FOREVER AFTER - 5. TVÍHIRTA - 6. CUSP DAY - 7. GRAVIS - 8. FISTS CLENCHED

エレクトロニクス処理されたコントラバスのノイズ系ですね。ライブエレクトロニクスとソフトによるプログラミングの併用だと思われます。エフェクト音もあれば、単なるディレイでは作れない様な音も入りますし、サンプリングもあります。基本はノイズであることには変わらないのですが、全パートで志向を凝らして楽しませてくれますね。

もちろん音の流れはあっても旋律の概念はありません。"グォーンン・キィィーン"といった特殊奏法も含めた様なノイズ系の"音"ですね。パートによってディストーション系の処理で歪みをメインにしたり、小鳥の泣き声?がサンプリングされている事もあるので、徹底したミュージック・コンクレート曲と言えるのかもしれません。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  全曲聴く事が出来ます!!



パターンとしては単純なので全曲似た様な事になるかと思いきや、技巧を凝らして表情あるCbノイズ系エレクトロニクス曲になっています。エクスペリメンタリズム系現代音楽好きの方にはオススメの一枚です。

日本の現代音楽家である伊福部さんが作られた"ゴジラの声"を思い出しました。あれもコントラバスで作られましたね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ラインベルト・デ・レーウの室内楽版「マーラー "大地の歌"」



ラインベルト・デ・レーウ, Reinbert de Leeuw
(ヘット・コレクティーフ, Het Collectief)
室内楽版「大地の歌」と言うと"シェーンベルク/リーン版"が知られますが、ヘンク・グイタルト版なんかもありますね。元々"ピアノとソリスト稿"があるくらいですから、不思議はありません。と思ってデ・レーウ版を聴いたのですが…

本稿は本年(2020)2月に亡くなられたピアニスト・指揮者・作曲家のラインベルト・デ・レーウさんの編曲版で、ご本人が指揮を務めています。亡くなられる1ヶ月前の録音ですね。テノールはイヴ・サーレンス(Yves Saelens)、アルトはルシール・リシャルド(Lucile Richardot)です。

「大地の歌」流れを少々荒っぽく言えば、テノール(男性)が歌う奇数番楽章は盃を重ねる詩、アルト(女性)が歌う偶数番楽章は人の心の詩、最後の長い第六楽章だけは自然と友を謳う訳ですが、全体として"人は死しても大地は残る"というお話ですね。個別の古い中国の詩の引用ですから、楽章間でストーリー展開がある訳ではありません。




Mahler Symphony "Das Lied von der Erde"



第一楽章「大地の哀愁に寄せる酒の歌」
まず入りの音が少しギスギス感じますね。テノールは尖っていて、神経質に人と大地を問いながら杯を交わす様な感じです。アンサンブルの展開部は楽器数が少なくて穴が空いている様な印象を受けますね。再現部はテノールにいっそう力が入ります。

第二楽章「秋に寂しき者」
緩徐楽章導入部の木管は超静音からクレシェンドして来ます。シンプルな印象で、アルトはここでもやや神経質に寂しさを歌いますが、声質にクセを感じます。展開部は演奏が微妙な浮遊感があり、再現部では明るくなるのですが演奏とアルトのフィットが今ひとつです。

第三楽章「青春について」
五音音階を強調して軽妙なテノールと合わせて中華風スケルツォです。中間部スローもあまり印象変化を感じませんね。主部回帰も中華和声が強いです。

第四楽章「美について」
導入部コモド(乙女)はアルトのクセのあるvoiceがフィットしません。それに合わせるオケの主要主題パートは軽妙な五音音階でアンサンブルが生きていますね。中間部の馬で駆ける若者はアンサンブルがリズム感よく聴かせてくれます。その後も演奏は表情変化を付けて悪くありません。

第五楽章 「春に酔える者」
アレグロの提示部テノールはまたもや力んで疲れます。酔い潰れる感じではありませんねェ。演奏は抑揚があってリズミカルですね。

第六楽章「告別」
提示部はスローに入って、アルトはやっぱりクセのある声質に違和感が拭えません。アンサンブル(編曲)もこの曲の雰囲気が弱い感じです。オケパートの展開部でも同じ様な流れが続く感じでしょうか。再現部の王維「告別」は間延び感とあのアルトでは"Ewig... ewig..."の安らぎが得られませんね。長〜ぃ30分です


歌・演奏・トランスクリプション、全てが今ひとつの"大地の歌"ですね。特にクセのあるアルトには参りました。テノールも尖っていて、少々うるさく感じます。

演奏と歌のバランスならオケ版を聴いた方がよく、小編成ならピアノ版の方が楽しめると思います。一番良かったのは第三楽章の中華スケルツォですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マルク=アンドレ(マルカンドレ)・アムランの『オペラ・トランスクリプションズ | 幻想曲』ピアノ超絶技巧曲 リストvsタールベルク

以前はよく来日していましたが、最後に雨の銀座のヤマハホールのコンサートに行ったのが2018年でした。10年ぶりくらいだったでしょうか。


マルク=アンドレ(マルカンドレ)・アムラン
(Marc-André Hamelin: pf)
今年も6月に来日予定があった様ですが、covid-19で中止になっています。(行く予定も無かったのですが…)

アムランのインプレは多々残してありますが、CD(セッション)ではクールなヴィルトゥオーゾ、Liveでは見せつける技巧とピアノを最大限鳴らすヴィルトゥオーゾで、スタンスが異なりますね。CDでもLive盤を聴くとその違いがよくわかると思います。(今回はやたらと鳴らしている感じですが…)

本アルバムではリストとタールベルク二人のピアノの技巧曲を並べて聴かせてくれると言う事で、期待値が高いですね。メインは一曲目のリスト「ヘクサメロン」(9パート)で、タールベルクの変奏曲も含めてベッリーニの主題をトランスクリプションした6人の作品を集結しています。




オペラ・トランスクリプションズ | 幻想曲
Opera transcriptions & Fantasies



1. ヘクサメロン S.392 【リスト】
1. 序奏(リスト) 2. 主題(リスト) 3. 変奏I(タールベルク) 4. 変奏II(リスト) 5. 変奏III(ピクシス-リスト) 6. 変奏IV(エルツ) 7. 変奏V(ツェルニー-リスト) 8. 変奏VI(ショパン-リスト) 9.フィナーレ(リスト)

まず1. 序奏は強鍵でpfの残響音を思い切り響かせるのが印象的ですね。2. 主題もテーマを朗々と鳴らし上げます。3. 変奏I(タールベルク)では小刻みな装飾音を入れて技巧を見せつけるヴィルトゥオーゾ、そして4. 変奏II(リスト)でトーンを暗くスロー静へと切り替えながら表情作りです。リストの選曲構成も見事ですね。いずれも明確な主題を残しつつ技巧を見せるトランスクリプションですね。

面白いのは7. 変奏V(ツェルニー)の舞踏曲の様な弾む様なリズム強調ver.で、ガッツリとpfを鳴らします。最高なのは9.フィナーレ(リスト)で、強烈な早弾きから派手な流れまで網羅されています。トランスクリプションを得意としたリストの本領発揮でしょう。アムランは猛烈にpfを鳴らします。

超絶技巧からエモーショナルな哀愁までがミックスされた曲と演奏になっていますね。完璧にpfを鳴らしていますね。いずれにしてもリスト編曲がやっぱり素晴らしいと実感します。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  スコア付きです。アムラン含めて4人の演奏者で、オススメ・必聴です!!



2. ドン・パスクヮーレのモティーフによる大幻想曲 Op.67 【タールベルク】
タールベルクらしいロマン派色の濃い旋律を中心に技巧が鏤められています。アムランはエモーショナルなタッチから、爆音まで表情を変化させていますね。いかにもアムランらしい演奏です。以前シュテファン・イルマー(Stefan Irmer)のpfでタールベルクを聴いていますが、叩きまくるイルマーに対して色々と弾き分けるのは流石です。


3. 演奏会用パラフレーズ「エルナーニ」 S.432 【リスト】
低音鍵盤から高音まで広く使われて、音楽的にも単純なロマン派的ではありませんね。サロンで曲を楽しむと言うよりも演奏を聴くと言う感じです。アムランはここでも猛烈にpfを鳴らしますね。


4. モーゼの主題による幻想曲 Op.33 【タールベルク】
変奏曲的な流れで入って来ます。もちろんタールベルクですから、至る所ロマン派そのものの旋律で溢れています。技巧パートはそれを見せつけると言うよりも装飾音的に散在していますね。ラストは壮絶です。


5. 大幻想曲「ノルマの回想」 S.394 【リスト】
ここでも低音をよく使う印象です。初期のロマン派と言うよりも少し表現主義的な事も含めて後期ロマン派的な印象ですね。もちろん技巧性の高いパートが盛り沢山で、その辺がリストらしいですね。超絶技巧のピアノの音でお腹いっぱいになれますw



ロマン派の和声をキープするタールベルク、技巧の中に独特の和声を配するリスト、二人の曲の違いがよくわかりますね。個人的には超絶技巧から調性を乗り越える方向を見せるリストが好きですね。("無調のバガテル"まで進みましたね)

曲・演奏も合わせてベスト・トラックは1.Hexaméron-9.Finaleでしょう。

美しい旋律の中にヴィルトゥオーゾを聴きたい人にはタールベルクはピッタリかと。それらを強鍵超絶技巧とエモーショナルのアムランのpfで、楽しいアルバムになりましたね。



リストのトランスクリプションをレスリー・ハワードのピアノで聴く100CDset「The Complete Liszt Piano Music」にチャレンジするのも"あり"かと。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





クララ・イアノッタ(Clara Iannotta) の「Earthing」生き物の様なノイズ系前衛音楽



クララ・イアノッタ (Clara Iannotta, b. 1983)
イタリアの若手女性現代音楽家でミラノ音楽院で学んだ後、仏IRCAM、米ハーバードでも習っています。ハヤ・チェルノヴィンにも師事している様ですが、近年の若手はチェルノヴィンに習っている人が多い気がします。

楽曲はアルディッティをはじめ、名だたる前衛系アンサンブルに提供されているので楽風の想定が付きますね。活動の拠点はドイツだそうですが、米国での展開も広そうです。


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Earthing JACK Quartet
弦楽四重奏曲を得意とするイアノッタ、それを米前衛弦楽四重奏団ジャック・クァルテットが演奏すると言うセットです。

"イアノッタは深海に光る微生物の様な壊れやすいイメージを強調する音楽" と言う解説もあるので、面白そうですね。







1. Dead Wasps in the Jam-Jar (iii)
まず入りは静のノイズですね。確かに深海の中に細かな何かが蠢く様な印象です。そしてそこに呻く様な強音が時折出現します。音密度は決して薄い訳ではなく、常にpp音で犇いていますね。
途中にパウゼが入って表情が変わり、音が大きめの唸りや呼吸の様な音色が主体になって来ます。ノイズ系ですが生物的とでも言う感じですね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  前衛を得意とする伊"mdi ensemble"の演奏です。静音が少し強い感じです
  これを聴くと、エレクトロニクス処理がある様に聴こえますね



2. You Crawl over Seas of Granite
基本的に流れは同じで、空の中に蠢く"Creature Noise"音楽です。微細な生き物から化け物までが浮遊する空間です。タイトルから行けば、聴いている本人が這いずり廻っている訳ですがw


3. A Failed Entertainment
弦の特殊奏法に音色の切れ味が強まっています。それによって生き物感は薄くなって旧来のノイズ系前衛音楽に近い感じですね。リズム感を取り入れたり、激しい出し入れを交えたりと面白さも見せますが、まさにタイトル通り?!


4. Earthing – Dead Wasps (Obituary)
前半二曲の様な "空の中の微ノイズ" を主軸にするサウンドではないですね。残響音や低音背景音も使って、そこに咆哮や呻き唸りを入れる魑魅魍魎的な流れです。生き物(creatre)的な面白さはありますが、1. 2. の方が個性的に感じます。



ノイズ系エクスペリメンタリズム現代音楽ですが、それがまるで生き物"creature"の様なサウンドだと言うのがポイントですね。まさに"Creature Noise"音楽です。

ノイズ系としては面白い方向性なので、楽曲に個性を付けられると更に面白さが一気に増すでしょうね。これからがとても楽しみです。

弦楽四重奏曲として、確かにチェルノヴィン(Chaya Czernowin)の影響を感じますね。




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ジャンル : 音楽





ピーター・リーバーソン(Peter Liebenson) の幽玄で美しい歌曲「Songs of Love and Sorrow」



ピーター・リーバーソン
(Peter Liebenson, 1946/10/25 - 2011/4/23)
N.Y.生まれのアメリカの現代音楽家ですね。お父さんはコロンビア・レコードの社長だったそうです。作曲を前衛ミルトン・バビットにも習ったという処に危険な香りがしますが。

もう一つの顔が"密教"(チベット仏教?)で、その活動のために生活拠点を移すほどの様でした。1990年代中盤以降は作曲に専念していたそうです。前衛と仏教がどう影響しているのかも興味深いですね。



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Songs of Love and Sorrow | The Six Realms
愛と悲しみの歌, Songs of Love and Sorrow」と言うタイトル通り、二人目の奥さんの為に書かれたバリトンとオケの歌曲集ですね。パブロ・ネルーダの詩を元にしています。
六道, The Six Realms」は仏教タイトルで、餓鬼道や畜生道と言った6パートのチェロ協奏曲ですね。チェロはアンプを通したアンプリファイドになっています。

演奏はハンヌ・リントゥ指揮・フィンランド放送交響楽団、バリトンはGerald Finley、チェロはAnssi Karttunenになります。







1. The Six Realms (2000)
かなり調性の薄いアンプリファイドvc、背景はやや調性の緩いオケ。もしかしたらスコアは無調かもしれません。調性寄りと無調寄りのバランスが微妙に揺れて面白いです。前衛ではありませんから旋律は存在していますが、もちろん心地良いラインはありませんね。オケの主軸はリズミカルで強音、音の出し入れが強い流れです。カデンツァがないのが残念ですね。

やや無調寄りの米オケが好みそうな作品ですね。仏教的な和声は出て来ませんが東洋和声の様なパートは"餓鬼道"で感じられますね。


2. Songs of Love and Sorrow (2010)
5パートの歌曲集です。幽玄で美しい調性音楽の歌曲です。少し、バルトーク「青ひげ公の城」を思わせると言うと雰囲気はわかっていただけるでしょうか?!

美しさと幽玄さを持つ流れは今の時代の一つの方向性でしょうね。ジェラルド・フィンリーのバリトンも落ち着いた歌いで抑揚を押さえて、曲調に合っていますね。好みの曲です

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



調性の薄い1.、幽玄な歌曲の2.、いずれも近年よく耳にする今の時代のクラシック音楽ですね。

今や北欧を含めて、この楽風の現代音楽家が増えているのは間違いないでしょう。歌曲が素晴らしいですね。

ちなみに仏教系やM.バビットの影は見当たりません。




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ジャンル : 音楽





ゲルギエフ/ミュンヘン・フィル:怒涛の「ブルックナー 交響曲 第9番」



Anton Bruckner | Symphony No. 9
Valery Gergiev | Münchner Philharmoniker
2015年からヴァレリー・ゲルギエフが首席指揮者を務めるミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とのブルックナー9ですね。あまり注目してはいなかったのですが、マーラーの8番「千人の交響曲」をインプレした際にクールな良さを感じたので手にしてみました。

2018年9月26日、聖フローリアン修道院でのライヴですね。







第一楽章
提示部第一主題動機群では第一動機がまず沈んだ音色で登場、第二動機でスローに鳴らして進み、緊張感ある流れから第七動機で華々しく重心を低く奏でます。派手で重厚な動機群です。第二主題は美しく複雑に多声的に絡ませていますね。第三主題はobが鎮める様に現れて管楽器にバトンを渡すと山場は重厚です。展開部は第七動機を繰り返して鳴らすと、低弦ピチカートで跳ねる様な行進曲になります。再現部は動機群を色合いを付けて反復されて濃厚な山場を作り、コーダはパワープレイです。低い重心と重厚な第一楽章になっていますね。


第二楽章
序奏トリスタン和音は緊張感ある静のピチカート、そこから主部は怒涛のパワー・ケルツォです。第一トリオはその重厚な下敷きの中に軽妙に現れますが、すぐに怒涛の流れに消し去られます。第二トリオは快速軽快ですが、どこか緊張感を感じますね。


第三楽章
第一主題(部)vn動機は濃厚なトリスタン的、執拗な反復山場を厚く鳴らします。ワーグナーチューバの動機は暗鬱な中に響かせてコラールを強調しますが不安定な「生との決別」ですね。第二主題(部)は弦と木管が対位しながら、ここでも重心を下げて進みます。展開部はスローに第一主題を回帰させていますが最後まで重さはゆずりませんね。コーダは緩やかな流れに様々な動機を絡ませたディナーミク出し入れからhrの音色を強調して終息します。



低重心で空気密度の濃厚なブルックナー9です。怒涛で重々しいブル9好きにはたまらない一枚でしょう。

アゴーギクは振らずにディナーミクで強引に突き進む感じですね。全編重厚さと圧迫感、個人的な予想とは反しましたが。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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