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暗鬱混沌の グロリア・コーツ(Gloria Coates)「交響曲 第1番, 第7番, 第14番」という楽しみ


グロリア・コーツ
Gloria Coates, 1938/10/10 - )
ベテラン米女性現代音楽家で活動拠点は30代からミュンヘンの様ですね。今までに室内楽をインプレしていますが、印象は四分音から微分音、グリッサンド、反復、と言った技法を使う暗く幽玄な音ですね。微分音とグリッサンドは同様の技術から出るのですが、チューニングからも弄っている様ですね。そこがコーツのベースですね。


Symphonies Nos. 1, 7 and 14
コーツは16の交響曲を書いています(多分)が、素直な管弦楽編成が少ないのも特徴です。ここでも基本的な管弦楽構成は第7番だけです。1番は開放弦の為の、14番は弦楽とティンパニの為の曲ですね。(CDは14番が先になっていますが、年代順にインプレしています)

演奏は三曲ともに異なる指揮者とオケになります。ジャケット画はもちろんコーツ自身の"Rainbow Folding in Foliage"(1991)ですね。






Symphony No.1, "Music on Open Strings" (1972-3年)
スコルダトゥーラ(変則調弦)で中華和声にチューンされているそうで、この時点で既に微分音もしくは民族和声ですね。最終楽章では標準的な調弦に戻されています。
 低音弦の暗いスタートの第一楽章は反復とグリッサンドのセットで、緩い中華和声を見せながら陶酔的に昇ります。第二楽章はピチカート主体で反復、打楽器の追従、そしてグリッサンドです。第三楽章は僅かな微分音のロングトーンの絡みで、弾きながらチューンしているかもしれませんね。第四楽章ではグリッサンドの混沌です。とにかく独特の世界ですね!!
J.ロッター指揮、ジーゲンラント管の演奏です。


Symphony No.7 (1990年)
珍しいノーマルの管弦楽編成です。"編成"は, ですがw 低い太鼓と金管から入り音の渦巻く第一楽章はただただ混沌です。第二楽章では反復旋律が現れ、第三楽章は緩いグリッサンドが上下行交錯します。一楽章が強烈ですね。
O.ヘンツォルト指揮、バイエルン放送響の演奏です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  G.シュメーヘ指揮シュトゥットガルト・フィルの演奏です



Symphony No.14, "Symphony in Microtones" (2001-2年)
弦楽とティンパニの協奏曲?風で、初期アメリカへ渡った人へのオマージュだそうです。他の資料では"The Americans"ともありますね。四分音とグリッサンド構成だそうで、もちろんTimp.もペダルで微分音を出します。
 虫が飛んでいる様なグリッサンド音はシャリーノやシェルシを思い出しますね。それが延々と流れる第一楽章です。第二楽章は強いバルトーク・ピッツィカートから入りこれまた虫の羽音ですw 第三楽章は微分音反復旋律が主体です。一二楽章で聖歌風の旋律(初期渡米人への賛歌だそうです)が混ざりますね。
指揮はお馴染みC.ポッペン、ミュンヘン室内管の演奏です。



とにかく強烈なオリジナリティを感じますね。グリッサンド(微分音を含む)と反復の渦巻く暗鬱混沌世界です。ウストヴォーリスカヤに並ぶ個性が際立つ前衛女性現代音楽家ですね。

もちろんポスト・ミニマルでもあるでしょう。一度は聴いて欲しい、オススメの一枚です!!
ネイティブ・アメリカンを制圧した人々を尊重しているのは好めませんが…



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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