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ショパンを現代曲でサンドイッチした、有島京さんのピアノ曲集『Works for Solo Piano』


Works for Solo Piano
有島京 (Miyako Arishima, 1992 - )
残念ながらピアニストの有島さんには知見がありません。選曲優先で手にしたアルバムです。
桐朋女子高等学校卒業後にポーランドに留学・活動、2015年のショパン国際ピアノコンクールに出場していらっしゃる様です。2016年からは現代音楽アンサンブル"Sort Hul Ensemble"のメンバーでもあります。
選曲を一眼見て幽玄さを表現してれそうな並びだったので、期待値はそこになりますね。







武満徹
(Toru Takemitsu, 1930-1996)
言わずと知れた武満さんですね。中間部とコーダに"dying away"と注記が会って、消え入る音を聴き込む姿勢がある曲ですね。(この曲を元にした"Rain Tree Sketch II"生涯最後の作品になります)

雨の樹素描 (Rain Tree Sketch) (1982)
 フランス印象派的な流れに無調を合わせていますが、曲の幽玄さが強く調性を感じる素晴らしさですね。それが武満さんかもしれません。pfは強音の後の消えていく静音が美しい音色ですね。ラストの余韻も。とにかく素晴らしいです。



カロル・シマノフスキ
(Karol Szymanowski, 1882-1937)
このブログではピアノ曲、もちろんそれだけではありませんが、でオススメの作曲家です。今回は様々なピアニストでお馴染みの"メトープス"から第三楽章"ナウシカー"、そしてシマノフスキ最後の作品"2つのマズルカ"が取り上げられていますね。

Métopes - "Nausicaa" Op.29 (1915)
 今まで何枚かのCDインプレしている好きな曲(の一部)です。個人的にはもう少しスロー(アゴーギクでも)での幽玄さを表にしてくれると好みかもしれません。切れ味と技巧を主体に表現していて、どちらかと言うと硬い印象ですね。この楽章だけの演奏だからかも?!

2 Mazurkas Op.62 (1934)
 シマノフスキらしい美しく幽玄な曲になりますね。CDではショパンの後に入りますが、ショパンから技巧性を引いて調性を薄くした感じも確かにしますね。今回の流れでよくわかった感じです。
pfはここでも音を明瞭にする感じです。好みはもう少しあやふやな?!タッチ・色付け、その方がシマノフスキっぽい様な気がします。



フレデリック・ショパン
(Fryderyk Chopin, 1810-1849)
ポーランドで活躍するからこそのショパンなのか、なぜ現代音楽家三人の中に入っているのか理由を知りたいですね。代表作"舟歌"を含む三曲が選ばれましたが、生涯49番(作品番号なし除く)まで作曲したマズルカ(Op.33)と、スケルツォ最後の第4番も興味深いですね。

舟歌 (Barcarolle) in F sharp major Op.60 (1846)
 美しく柔らかい主題からソフトなタッチで、この有名曲を奏でます。表現的には、よりノクターン的にも感じますね。優しさがありますね。

4 Mazurkas Op.33 (1838)
 22-25番ですね。22-24は2分前後の小曲で、マズルカらしい民族音楽和声を粒立ちのよい音色で聴かせてくれます。適度な揺さぶりも上手い感じです。
25は6'弱ですが最も表情の彫りが深い曲です。それに合わせて感情を深くつける様なアゴーギクとディナーミクを振っていますね。やや濃厚な味付けを感じます。

Scherzo No.4 in E major Op.54 (1842)
 ここでは技巧性を強くしています。ベースは感情表現の強さですが、そのバランスがシックリこない様な… 技巧中心なら淡々とした中に超絶性の方が聴きやすい気がします。



カジミェシュ・セロツキ
(Kazimierz Serocki, 1922-1981)
ポーランドのピアニストにして現代音楽家ですね。作曲はN.ブーランジェに習っています。楽風は新古典主義から十二音技法の欧州前衛にシフト、その後前衛の停滞と共にエレクトロニクスも手掛けている様です。ただ十二音技法もシェーンベルクら新ウィーン楽派の規程通りではなく反復や調性にあるものですね。
今回の"プレリュード組曲"は代表作で、十二音技法で書かれていますが上記の流れ。日本語訳ライナーノートではショパン - 新ショパン主義(英文:post-Chopin シマノフスキだそうです)からの流れと書いてありますね。さらには、この十二音技法が新シェーンベルク主義的(英文:neo-Schönbergian dodecaphony)だと、驚きの解説ですw

Suite of Preludes (1952)
 7パートの楽曲です。例によって聴いただけではわからない十二音技法ですねw 面白いのは単音点描的なセリエルを使ったパートと調性の薄さを生かした幽玄なパートを使い分けている事でしょうか。そこに何か意図があるのかもしれません。後者はシマノフスキに繋がる様な幽玄さです。そこに魅力を感じますね。そのパートのpfは緩やかなタッチで好みです。パート#4がその白眉ですね。ラスト#7は技巧曲です。




結局なぜ現代曲の中にショパンが混ざって、それもサンドイッチされる様に、いるのかはわかりませんでした。pfは表現濃厚の印象でしょうか。

個人的素人的にはメトープスを一つの楽章のみにしたりするくらいなら、シマノフスキをメインに前後を武満/セロツキでバインドした方が良かった気がします。そうなるともっと幽玄なタッチが欲しくなるかも。




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テーマ : クラシック
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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